概要
トヨタ自動車が製造・販売を行っている最上級セダン。排気量は5000cc(ハイブリッド)。車両価格は安くても約2000万円。
いわゆるショーファードリブン(オーナーが運転するのではなく、専属の運転手がいる車。リムジン)であり、役員車として売られることが多い。ただし、2代目の末期では価格の高さやガソリンの喰いっ振り(いわゆるJC08モードでガソリン1リットルあたり7.6キロしか走らない)が時流にそぐわないということで、同じトヨタでも、レクサスLSのハイブリッドカー仕様車やアルファードのハイブリッドカー仕様車に置き換えられる例も少なくない。また、金持ちの酔狂がオーナーカーとして買っちゃう例も少なからずあった。
初代は1967年に誕生したが、2代目が登場したのは1997年。モデルチェンジまで30年もかかっている。その2代目も2017年2月に生産終了になるまで、20年にもわたり生産・販売され続けた。
もっとも、実際には細かい改良は随時施されており、モデルチェンジもままならず「走るシーラカンス」と化すまで放置されていた訳ではない。その詳細に関してはWikipediaを参照。
これは、頻繁なモデルチェンジで客の耳目を集める必要がない車種であること、元の設計がしっかりしていたため、マイナーチェンジで時代の流れに追随できたことの証左と言われる。
2代目の生産終了により、50年の歴史に終止符を打った、かに見えたが、同年10月に3代目の構想が発表された。やはり時代を反映してか、ハイブリッド仕様になるとのことである。
そして2018年6月、その3代目が市販に移された。だが、先述の通りレクサスLSのハイブリッドカー仕様車やアルファードのハイブリッドカー仕様車が存在することを考えれば、何のために存在するのであろうか?
基本的に輸出はしておらず、国内の法人需要を中心とした国内専用車であるが、中国や香港などに少数輸出実績がある。
特殊ドメスティックな需要に特化しているため、超がつくほど保守的なスタイリング(60年代のスタイルを残した外見は初代と一見見分けがつかないほどで、21世紀の今となっては古色蒼然としている)、多くの操縦系統を二重化・冗長化し絶対的な信頼性を得ていることなど、高級車としては世界にも類を見ない、とても個性的な存在となっている。また日本車唯一の12気筒エンジン、ボディカラーのラインナップが横文字ではなく、「摩周」「瑞雲」などの日本語であるなど、様々な面で他の日本車とは一線を画した存在でもある。
定価は1960万円からと高額であるが、圧倒的な信頼性の高さ、ほとんどの生産工程が熟練工員による手作業であることを考慮すると、これでも破格の安値であるとする向きもある。
2006年、この車種(2代目)をベースとした「センチュリーロイヤル」が皇室の御料車として宮内庁に納入された。
それまではプリンス自動車(のちに日産自動車に吸収された)が製作した「プリンスロイヤル」が使われていた。
なお、「センチュリー」とは、英語で「世紀」という意味。明治100年を記念して付けられたものの、実は明治100年は翌1968年のこと。トヨタグループの祖・豊田佐吉の生誕100年を記念して付けられた、というのが実情である。
余談だがこの車の2代目に搭載されていた1GZ-FE型V12エンジンは直列6気筒の1JZ-GTEと基本設計が共通であり、1JZ/2JZ搭載車や社外の1JZ/2JZ換装用マウントが存在する車にも簡単に搭載できる。実際にトップシークレットの永田和彦がスープラに、URASの野村謙がS13シルビアに搭載したケースがある。