葉足動物
ようそくどうぶつ
始めに
「葉足動物」という名称の定義には多少の曖昧さがある。説明上の便利性の為、本記事は以下の定義に従って葉足動物について記述する:
概要
葉足動物(Lobopodia、ロボポディア)とは、カンブリア紀に繁栄した古生物の大グループである。ほとんどのメンバーは、カギムシによく似ているものの、そのシルエットが更に洗練された様な「脚の付いた蠕虫」とも言える姿を持つ動物である。アイシュアイアはその典型とも言える。
葉足動物の中には、ハルキゲニアとディアニアの様に、体から硬い棘や板が生えて、鎧を武装したような「装甲付き葉足動物」(Armoured lobopodians)と、パンブデルリオンとケリグマケラの様に、体の両側に一連のヒレが生えて、頭に1対の大きな触手を持った「鰓付き葉足動物」(Gilled Lobopodians)と呼ばれるものがある。
主な種類
典型的な「脚付き蠕虫」らしき葉足動物、本群の代表格。
背中には数対の長い棘がある、かつては上下前後とも真逆に復元された。
体の両側には数対の硬い骨板がある。
脚は太くて棘だらけ、「歩くサボテン」というニックネームを持つ。
背中は棘だらけ、パワーアップしたハルキゲニアのような姿を持つ。
頭には1対の太い触手があるが、ヒレを持たない
脚の上にヒレがある。口にはアノマロカリスの類ような放射状の歯がある。
パンブデルリオンによく似ているが、長い尾があって、触手の付け根に複眼がある。
頭に5つの眼と吻に繋がったハサミが具えるという個性の塊。
節足動物とも扱いされている。
触手は関節に分かれていて、脚は無い。詳しくは該当記事を参照。
通常は節足動物として扱いされており、あんまり葉足動物と見なされていない。
類縁関係
有爪動物(カギムシ)、緩歩動物(クマムシ)と節足動物は、いずれも葉足動物の系統から進化したグループと考えられる。例えば、一部の「装甲付き葉足動物」はカギムシの先祖に近い、そして「鰓付き葉足動物」は節足動物の先祖に近いと思われる。
ハルキゲニアとカギムシ、両者の爪は同じように、内側から一層ずつ積み重ねる構造になっている。これはカギムシに特有する特徴であるため、両者に類縁関係があると思われる。
「鰓付き葉足動物」は節足動物のような硬い外骨格も持たないが、腸の構造は節足動物と共通し、脚の上にヒレを持ったという配置も、節足動物のヒレと関節肢からなる「二叉型付属肢」の先祖形に見える。両者の特徴を備えたアノマロカリス類は、その類縁関係を更に強く支持する。(ヒレと触手は「鰓付き葉足動物」に類似、複眼と関節肢(触手)は節足動物に類似)
なお、クマムシはどのような葉足動物に近いなのかについて、未だに定説がない。