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葉足動物の編集履歴

2018-06-28 03:16:58 バージョン

葉足動物

ようそくどうぶつ

葉足動物とは、カンブリア紀に繁栄した古生物の大グループ。カギムシ、クマムシ、節足動物という3つの動物門の先祖を産み出した群である。

始めに

「葉足動物」という名称の定義には多少の曖昧さがある。説明上の便利性の為、本記事は以下の定義に従って葉足動物について記述する:

  1. 古典的な分類は、葉足動物は有爪動物(カギムシ)の1群とされた。しかし上述の通り、現在はむしろ逆に有爪動物はその末裔の1つと考えられ、前述のような分類は否定的である。
  2. 稀にその末裔であるクマムシカギムシも葉足動物として見なされているが、主流でない分類法なので、ここは一般通りにクマムシカギムシを葉足動物から区別する。
  3. パンブデルリオンケリグマケラオパビニアアノマロカリスなど節足動物に近い種類について、特にアノマロカリスは、本群よりも節足動物と見なされる。ここは便宜上、節足動物である同時に葉足動物ともされる。

概要

葉足動物(Lobopodia、ロボポディア)とは、カンブリア紀に繁栄した古生物の大グループである。ほとんどのメンバーは、カギムシによく似ているものの、そのシルエットが更に洗練された様な「脚の付いた蠕虫」とも言える姿を持つ動物である。アイシュアイアはその典型とも言える。


葉足動物の中には、ハルキゲニアディアニアの様に、体から硬い棘や板が生えて、鎧を武装したような「装甲付き葉足動物」(Armoured lobopodians)と、パンブデルリオンケリグマケラの様に、体の両側に一連のヒレが生えて、頭に1対の大きな触手を持った「鰓付き葉足動物」(Gilled Lobopodians)と呼ばれるものがある。


主な種類

 典型的な「脚付き蠕虫」らしき葉足動物、本群の代表格。

 背中には数対の長い棘がある、かつては上下前後とも真逆に復元された。

ミクロディクティオン

 体の両側には数対の硬い骨板がある。

 脚は太くて棘だらけ、「歩くサボテン」というニックネームを持つ。

 背中は棘だらけ、パワーアップしたハルキゲニアのような姿を持つ。

 頭には1対の太い触手があるが、ヒレを持たない

パンブデルリオン

 脚の上にヒレがある。口にはアノマロカリスの類ような放射状の歯がある。

ケリグマケラ

 パンブデルリオンによく似ているが、長い尾があって、触手の付け根に複眼がある。

オパビニア

 頭に5つの眼と吻に繋がったハサミが具えるという個性の塊。

 節足動物とも扱いされている。

アノマロカリス

 触手は関節に分かれていて、脚は無い。詳しくは該当記事を参照。

 通常は節足動物として扱いされており、あんまり葉足動物と見なされていない。


類縁関係

有爪動物(カギムシ)、緩歩動物(クマムシ)と節足動物は、いずれも葉足動物の系統から進化したグループと考えられる。例えば、一部の「装甲付き葉足動物」はカギムシの先祖に近い、そして「鰓付き葉足動物」は節足動物の先祖に近いと思われる。


ハルキゲニアカギムシ、両者の爪は同じように、内側から一層ずつ積み重ねる構造になっている。これはカギムシに特有する特徴であるため、両者に類縁関係があると思われる。


「鰓付き葉足動物」は節足動物のような硬い外骨格も持たないが、腸の構造は節足動物と共通し、脚の上にヒレを持ったという配置も、節足動物のヒレと関節肢からなる「二叉型付属肢」の先祖形に見える。両者の特徴を備えたアノマロカリス類は、その類縁関係を更に強く支持する。(ヒレと触手は「鰓付き葉足動物」に類似、複眼と関節肢(触手)は節足動物に類似)


なお、クマムシはどのような葉足動物に近いなのかについて、未だに定説がない。


系統

汎節足動物(=葉足動物+有爪動物+緩歩動物+節足動物)

|┍アイシュアイア

||

||┍有爪動物の系統

||||┍ミクロディクティオン

┕||┕┝ディアニア

 || |┍コリンズ・モンスター

 || ┕┝ハルキゲニア

 ||  ┕カギムシ(真正有爪動物)

 ||

 ┕┝緩歩動物の系統

  |┝?

  |┕クマムシ(真正緩歩動物)

  |

  ┕節足動物の系統

   ┝シベリオン

   |┍パンブデルリオン

   ┕┝ケリグマケラ

    |┍オパビニア

    ┕┝アノマロカリス

     ┕真正節足動物


関連項目

生物 動物 古生物 

カギムシ クマムシ 節足動物

ハルキゲニア アイシュアイア

パンブデルリオン ケリグマケラ オパビニア アノマロカリス

カンブリア紀

進化

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