365日24時間(うるう年なら366日)働きづめの家電製品。
概説
食べ物や飲み物を冷やしておくための装置。冷やすことでひんやりとした食感が楽しめるだけではなく、食品を長持ちさせることができる(もともと食品の長期保存を目的として開発された)。
家庭用の冷蔵庫には、多くのばあい冷凍庫も併設されている。
薬のように、変質してはいけないものも冷蔵庫で保存される。
歴史
古くは「氷室」と呼ばれる、冬場の氷や雪を貯蔵する蔵まで遡る。
そこから近代18世紀半ばになって「気化冷却」の原理が発見され、19世紀初頭には氷の冷気を利用した「冷凍箱」がアメリカで開発・量産され、さらに20世紀初頭に同じくアメリカで電気式冷蔵庫が開発される。
日本でもアメリカから冷凍箱がもたらされて以降、しばらくは冷凍箱が幅を利かせていた。
そこに1930年、芝浦製作所(現在の東芝)が電気式冷蔵庫を開発。当時は家一軒が立つほどの高級品だったものの、時代が下った1950年後半には家庭向けの低価格品の開発に成功し、「家電三種の神器」と謳われ、日本全国に広まっていった。
現在では電子技術の発達により、保存室に合わせた緻密な霊気の操作を可能にしたハイテク冷蔵庫が主流を成している。
余談
冷却装置のガスとして「フロン」が使用されていたため、環境問題が大きく取り沙汰されるようになった1990年代には、廃棄処分の際のフロンガスが課題となった。
現在ではイソブタンを代替として使用することが多くなっている。
小型軽量化も進んでおり、昨今ではクーラーボックス並の超小型の保冷用の製品も登場している。
小さな子供(特にやんちゃ盛りの男の子)のいる家でよく見かける「キャラクターもののシールやステッカーを無節操にベタベタと貼り付けた冷蔵庫」からなぞらえて、「デカールやシール、ステッカーをゴテゴテと貼っただけ」あるいは「貼っているキャラクターに統一性が無い」……つまりは出来の悪い痛車を揶揄する蔑称として、こうした痛車を「冷蔵庫」と呼ぶことがある。