概要
マントのように見える翼を持ち、学者たちからは「サキュバス種」としての分類もされている。
彼女達にとって吸血は食事であると同時に、仲間を増やす手段でもある。素質のある人間の女性を見つけるとヴァンパイアは積極的に吸血を行い、魔力の注入により同族に転化させる。
ワイトと並ぶアンデッド界の貴族種であり、人間達のことを見下している。
しかし、後述のインキュバス化という「抜け道」もなかった旧魔王時代にも、人間と夫婦関係となった者もいたようである。
その吸血は相手だけでなく自分に対しても快楽を得させる。人間の精もまた血液同様に栄養源となるのだが、ヴァンパイアの文化においては人間との性交渉は汚らわしいものとされる。
吸血による快楽は性交渉への誘惑も喚起するが、この規範に従い、多くのヴァンパイアは自制しようとする。
しかし現魔王の力がこれからさらに強まり、影響力を増せば、彼女達はいずれ心の底から人間の男性を求め、それを実行に移すようになると予想されている。
彼女達は気に入った男性を見つけると、彼を掠い、住処において血液の供給源を兼ねた召使いとして働かせる。そして吸血を重ねる事で、人間の男性をインキュバス化させる。
インキュバスとなることで男性は、ヴァンパイアが見下す「人間」でなくなり、「貴族」として認められる。これにより一転して彼との性交渉に耽溺するようになる者もいる。
まだインキュバスとなっていない男性の子供を妊娠した場合、稀にダンピールという突然変異種が誕生することがある。
図鑑世界のヴァンパイアにとっても日光とニンニクは弱点である。日光を浴びるとその間、身体能力が人間の少女なみになってしまう。
ニンニクの場合、臭いをかぐだけで思考がぼやけてしまい、食べようものなら普段の性的抑制がぶっ飛び原種のサキュバスのように変貌させてしまう。
また、真水も触れるだけで性的な快楽を感じてしまう。
先述した突然変異種のダンピールもヴァンパイアにとっては「天敵」と呼べる存在であり、日光やニンニクと同様にヴァンパイアの力や理性を奪う能力を持つ。
ダンピールは好意を持つ男性に対して見下した態度を取るヴァンパイアを見つけるとその力を使って矯正しようとしてくる上、時にはその過程で自身もヴァンパイアと共に相手の男性を夫とする(魔物娘は寝取りを望まないが、一夫多妻についてはこの限りではない)事さえある。
これはダンピールを産んだ実の母親自身も例外ではない。
また、他にも人間の男性の血液を吸う習性を持つ種族として、蚊の魔物娘であるヴァンプモスキートが存在しているが、ヴァンプの名を冠しながら積極的に人間の男性と交わり子を成そうとする彼女達についてヴァンパイアからは批判の声が上がっている。
しかし、ヴァンプモスキート達はこの名称を「勝手に人間がそう呼び始めただけ」と認識しており、この件にはあまり関心を持っていない。