概要
魔界に棲息する上級悪魔。現魔王の出身種族でもあり、その能力は非常に高い。
人間の男性の精をエネルギー源とし、それを手に入れるためサキュバスはみな美しい姿をしている。
男性が持つ多種多様な好みに対応するためか、見た目上の年齢や体型は様々。
共通した身体的特徴として、悪魔としての羽(飛膜)と尾、角を持ち、飛行能力を有する。
寿命は数百年から数千年。魔王などは万を超えている可能性もあるらしい。
彼女達の優れた魔力は、ほとんどの場合男性を誘惑するために使われる。誘惑の魔法も絡めたそのアプローチにはね除けるにはかなりの精神力を必要とする。
精を得たあと、その相手を気に入った場合は魔界にある住処に連れ帰る。
サキュバス化
彼女たちから直接魔力を注入されると、人間の女性はレッサーサキュバスやサキュバスの派生種(極稀にアリスなど)へと変貌する。
このほか、魔界に立ち入ったり、居る場所が魔界化した場合、その濃い魔力によって人間の女性が変成するのは基本的にサキュバスとなる。
ただし彼女たちが持つ資質や欲望しだいでは別の種族になることもある。
これらは比較的ニュートラルな状況における傾向であり、「不死者の国」のような特定種族の魔力が濃密な魔界では、サキュバスではなくそれに対応する種族への転化が起こりやすくなる。
他種の魔物娘からの干渉でもサキュバスに変化するケースは多い。魔力を用いた浸食や同化に長けた種族の場合は自種族に変化させられる確率が高まるようだ。
技術として後天的に習得することでも転化させることは可能にはなるが、ドラゴンのような上位種の場合、相手側にも資質が無いとドラゴンではなくサキュバスになる、という事もおこり得るようだ。
サキュバスが夫との間に子をもうけた場合、サキュバスが生まれる。アリスのようなサキュバスの突然変異種の場合も、その子供はアリスではなくサキュバスであることが殆どである。(一部を除き他種族の魔物でもそうだが)サキュバスの母からは必ず純粋な同種(サキュバス)の子のみが生まれる。これは旧魔王時代からの自然法則である。
現在は娘しか産まれないものの現魔王の力が増大すればいずれ魔物娘から息子も生まれるようになるが、この場合も男児の種族は人間の男性が魔物の魔力に浸されて成るインキュバスとなる。
このため図鑑世界には、現実世界の伝承における「カンビオン(サキュバス、インキュバスと人間のハーフ)」に相当する存在は居ない。
集団単位のサキュバス化
クノイチは、ジパングの女忍者の一部が、魔王の代替わり時にサキュバス化され、その集団が魔物の一種と見なされるようになったものである。
魔物娘としてのクノイチは、人間だった時と異なり、サキュバスとしての尾が生え、これを発達させている。
アマゾネスは集団のほとんどがサキュバス化し、こちらも人間時代にはなかった形質を備えることで原種やクノイチ同様「悪魔型」に分類される種族となった。
これと異なり、外見、形態に大きな変化なしで転化し、その者たちが「サキュバス種、サキュバス属の種族」と見なされるようになった例が存在する。
「エルフ」「ティター二ア」「フェアリー」「エンジェル」「ドワーフ」等がこれに該当する。
「ドワーフ」は一部ではなくほとんどが転化した結果、種族そのものが魔物と認識されるようになっており、図鑑において種族内の未転化組と区別する「(元○○種)」表記がなされていない。
サキュバスの個体
- 現魔王
旧魔王時代、多くの魔物たちが人間と敵対的であるか、捕食者として餌食としていた。彼女が新たな魔王に着任するとその影響により、ほとんどの魔物はサキュバスのように人間の精を栄養源としたり、人と交わり子をなす「魔物娘」になった。
それと同時に人間の男性も魔物娘と結ばれ交わり続ける事でインキュバスになるというシステムが生まれている。
この変化の源である現魔王の願いは魔物と人間の共存であり、単に性的に繋がるだけでなく、人間に対して極めて友好的であり人に惹かれ、心から愛し愛されようとする性向を持つ。
彼女は魔物と繋がる魔王として、世界規模で影響を及ぼし続けている。今現在もその力を増し続けており、彼女の魔力・能力が一切通用せず、封じ得るような存在は、少なくとも人間には存在しない。
彼女の夫の元勇者も規格外の強さを持ち、二人の間に生まれた「リリム」と呼ばれる娘達の上位の者は中級神クラスの力を持つ。なお、魔王の出産には一般人も立ち会うことができる。
歴代魔王同様、主神神教団から憎まれているが、一部の教団勢力との間には「魔物サイドから魔物化させる行動をせず、人間サイドから魔物との結婚や移住希望者がでた場合は禁止しない」という相互不可侵関係を結んでおり、その施策が行われる教団国家都市の国家元首とは夫と共に会談することも多い。
主神信仰国において随一の勢力を誇った「レスカティエ教国」において、若干17歳にして最強と呼ばれた勇者。名門であるノースクリム家に生まれ、主神教の司祭を父に持つ。
功績と出自もあり、彼女のための戦士をそろえた「聖氷華騎士団」が存在したほど。しかし、レスカティエを攻め落としたリリム「デルエラ」との戦いに敗れ、転化させられる。
麾下の「聖氷華騎士団」は「魔界氷華騎士団」と化し、魔王軍の戦力として活動している。
- ルシアン・サウスレー
パン屋の家庭に生まれた平民の少女。才能も平凡であったが、ある日想い人に尋ねた「理想の女性」がウィルマリナであったことから、彼女のように勇者となることを決意する。
血の滲む努力の末、近衛騎士と成り、「聖氷華騎士団」にスカウトされ、その長であるウィルマリナから信頼を得る程になる。
その後、「魔界勇者」と化したウィルマリナの襲来を受け敗北。彼女の手ほどきでサキュバスへと転化する。