ウィルマリナ
うぃるまりな
フルネームはウィルマリナ・ノースクリム。各魔物娘について記した『図鑑』とは別の形で展開される『魔物娘図鑑ワールドガイド』でのストーリーや背景世界解説で語られる人物。
原作者の健康クロス氏が以前に制作していたRPGツクール製ゲームの同名のヒロインが原型になっている。
主神信仰の国々でも数多くの「勇者」を輩出し、保有する「レスカティエ教国」の聖騎士団に所属し、17才にして最強と呼ばれた英雄。
誰に対しても分け隔て無く慈しみを向ける、公正明大な人格者として知られていた。家柄も名門ノースクリム家であり、彼女の脇を固めるにふさわしい人材が揃えられた「聖氷華騎士団」が配備される等、国をあげてのサポートが行われていた。
その「聖氷華騎士団」においても、実力と人格の高さにより配下の騎士達からの人望も厚かったという。
ノースクリム家の使用人の息子に想いを寄せるも、それは聖騎士団の幹部や自身の親を含む国の有力者にとって好ましいことではなく、二人は遠ざけられてしまう。
これをきっかけに彼女は心を閉ざし「勇者ウィルマリナ」の形に自己を押し込めることになる。対外的な完璧超人ぶりはその現れであった。
のちに想い人が聖騎士団に入団したものの、身分違いであること変わりは無く、彼女は恋心を抱きつつも「勇者ウィルマリナ」としての顔しか彼の前で見せる事を許されなかった。
再会の日から本音と勇者としての自分との葛藤に苦しみ続けて居た時、魔王の娘「リリム」第四女デルエラが軍勢を率いてレスカティエを襲撃する。
リリム達の中でも上位の力を持つデルエラを前にして、国を代表する勇者である彼女ですら歯が立たず、抱いていた懊悩を突かれサキュバスへと転化する。
剣技と氷魔法を得意とする。転化前の人間時代ですら、一閃を放つ際の風圧で飛んでくる銃弾を落とせたほど。
実力は申し分の無い勇者だが、転化前に国民に知られていた完璧な人物像は「勇者ウィルマリナ」として演じていた一種の虚像。
サキュバスとなることで結ばれる事の出来た想い人以外のことは「どうでもよかった」と語る。
「聖氷華騎士団」にスカウトされた平民出の近衛騎士ルシアン・サウスレーには、想い人とそれ以外への感情と欲望の抱き方という点で、自身と響き合う部分を感じていたようだ。
レスカティエ陥落後、「聖氷華騎士団」は「魔界氷華騎士団」となり、本部を構えていた城塞都市サルバリシオンもそのまま現魔王側の基地となった。
陥落の際、ウィルマリナは聖氷華騎士団所属の他の勇者や騎士の転化にも関わっている。
現在は「勇者」改め「魔界勇者」としての職務の傍ら、休暇のさいには夫と旅行に行くことを趣味としている。
ヘンなもの好きで、土産物を選ぶセンスは一般的なものとかなり異なっている。
本人は職務を部下に投げ出して夫との交わりに専念する事を望んでいるが、この事が反対に(職務を丸投げするに相応しい人材とするための)後進となる「魔界勇者」や「魔界騎士」の育成に力を入れたり、自らも夫との交わりを通して「魔界勇者」としての力を増す事に繋がっているという。