概要
青い肌をした上級悪魔。人間なら白目にあたる部分が黒く、そこにある瞳は紅い色をしている。
デビルと同様、食欲や殺戮衝動などではなくヒトに対する明確な悪意によって行動する種族として旧魔王時代に生み出された、という出自を持つ。
デビルがそのまま大人になったような姿をしているが、両者は別種で、原種のサキュバスとインプのような関係である。
学者からはデーモンはサキュバス属、デビルはインプ属に分類されている。
その身には強大かつ邪悪な魔力を宿し、旧魔王時代にはデビルともども人間を堕落させ破滅へと導く「悪魔」として恐れられた。
デーモンは欲しいものを手に入れるためには手段を選ばず、「永遠の快楽」と引き替えに狙った相手に絶対的な服従を要求する存在である。
人間という種族に友好的なサキュバスが新たな魔王に着任すると、魔物である彼女達はこの性質を別な形で抱き、実行するようになった。
旧魔王時代からの妖しい魅力と、ターゲットを魔に堕とす手管はそのままに、彼女達は欲する男の心身を巧みに絡め取り掌握する。
そして旧時代のように永遠の快楽と引き替えに、相手の全てを差し出させる。彼女たちが結ばせる「契約」は魔術的な強制力を持ったモノで、一度結べば二度と破ることはできない。
しかしこの契約はデーモン自身も束縛する。彼女達は契約相手の男性の全てを自分のものとし、常に側におき好きな時に貪る対価として、男性側にも同じように好きな時に「快楽」を得させる。
デーモンたちが男性を傷つける事を欲することも無く、裏も表も無い文字通りの「契約」によって生まれるのは、魔性の加害者とその犠牲者ではなく、甘々のカップルである。
魔物娘らしく実質上の夫となった男性を溺愛し、契約にないことでも求められると応えてしまう。
そんな彼女達が掲げる思想は「矮小で愚かな人類は魔物によって支配されるべき」というもの。
しかし上記に明らかなようにその本質と目的は人間を抑圧するためのものではない。
むしろ弱い存在である人間に対する過保護と心配性の表れであるのかもしれない。
その実践として、デーモンたちは人間の女性を襲い、魔物娘に変えようとする。最終目的は全ての人間女性の魔物化である。デーモンはデビルと並び、全世界の魔界化を目指す「過激派」の代表格の魔物である。
リリムの四女「デルエラ」が主神信仰の国々でも有数の力を持つレスカティエを攻め堕とす際にも多数のデーモンがその軍勢に加わった。
デーモンは強力な魔物であり、なおかつ魔物化の際にも彼女達のような過激派の思想を持たないと同族にはならず、大抵サキュバスとなる。
このため自分たちと同じ種族にし、過激派の軍団に加えたい人材を見つけると、デーモンたちは徹底的な調教と教育を施し、彼女達が内に秘めたデーモンとしての素質を開花させる。