概要
フルネームは「ジュリエット・ヴァイオレット」。
とある街を牛耳るヴァイオレット家の長女で、妹と弟が一人づついる大学生。
組織存続のために、ライバル組織の長の嫡男と政略結婚させられる身であり、同時にその極秘の場に主人公(が憑依した彼女の友人)を招いた張本人でもある。
外見は主人公の認識フィルターを通して変換されており、「ステンノ」に見えるが、実際はイメージのよく似た別人である。
そのため描かれているイラストは全てステンノ(の外見)であるが、逆に通常のステンノのイラストにこのタグを付けるかは注意。
人物
外見のイメージ通りに可憐で儚げながらも傲慢で酷薄そうに見えるが、実際は気丈で義理人情に厚い人柄。自由奔放な双子の妹に反して、お嬢様然としたお淑やかさを持つ。
婚約相手のモーリスの人柄を嫌悪しながらも、家への恩義や家族への愛情から進んで政略結婚へと身を差し出す。
招いた友人とは大学のゼミ仲間で、二日に一度ぐらいランチを共にして、週に一度ぐらい、観光にでかける程度のお友達な関係。ライバル組織の人間の嫌がらせによって周囲の学友が離れていくなか、最後まで一緒にいてくれたということで特別な感情を抱いている。この婚約式に招いたのも、彼女の無意識な不安が、家族以外の心の拠り所である友人を欲したかららしい。無自覚ではあるが。
人間関係
中盤のネタバレあり
※人間関係の表記は第2節にてマシュが作成した人物相関図を元にしています。
アダムスカ・ヴァイオレット(ランスロット)
父親。ヴァイオレット家の現当主。
ヴァイオレット家存続のために、妻や部下たちからの反対を受けながらも、ジュリエットの意思もあり彼女を政略結婚に出すことにした。
それでもジュリエットとの関係は良好で、娘たちからは若干情けないと言われながらも誠実な人柄から慕われている。ジュリエットの「友人」のことは、彼女の支えになっている事からかなり感謝している。
ハリエット・ヴァイオレット(エウリュアレ)
双子の妹。ライバル組織の嫌がらせでジュリエットの周りから皆離れていき、彼女がそれに耐えていることを知っているため、変わらずに側にいる「友人」の存在に感謝している。
エヴァ・ヴァイオレット(源頼光)
母親。ヴァイオレット家とゴールディ家の政略結婚は必要な事であると理解しているものの、当のジュリエットが口では割り切っていると言いながらも割り切れていないのは目に見えており、エヴァ自身はやきもきしている。
ケイン・ヴァイオレット(メフィストフェレス)
弟。スクールに通う年齢だが、精神発達に障害があり言動は幼い子どものままである。ジュリエットもそれを複雑に思いながらも、やはり家族として大切にしている。
ホーソーン(新宿のアーチャー)
ヴァイオレット家のかかりつけ医。両親の友人で、生まれた時からの付き合いである。彼には気を許しており、本音で接することができる。
両家の婚姻は必要なことだと理解してはいるものの、ジュリエットがモーリスと結婚するのは彼女を不幸にするだけだと断言している。
モーリス・ゴールディ(モードレッド)
婚約者。ライバル組織ゴールディ家の長男で、イメージこそモードレッドだが正真正銘の男性。
粗暴な性格で女遊びも激しく、ジュリエットはモーリスを嫌っており、モーリス自身もジュリエットより彼女の妹の方が好みだと最低の発言をしている。
アーロン・ゴールディ(フィン)
婚約者の父。ゴールディ家の当主で、同家の存続のためにヴァイオレット家との縁談を勧めることにした。
後妻ドロシーとの間に娘のローリーが生まれた為に今でこそ控えているものの、昔は息子同様に女遊びが激しかったらしく、たまにその片鱗が垣間見える。ジュリエットはそんなアーロンのことも嫌っている。
クリスベディヴィエール)
両家の婚姻の間を取り持つために仲介に入っているマーブル商会の見習い。誠実な人柄で仕事熱心。
実はアーロンの隠し子であり、後にモーリスが行方不明になったことで、アーロンによって出自を知らされてゴールディ家の後継者に指名され、ジュリエットの婚約者になる。
関連イラスト
関連項目
別名・表記ゆれ
以下に物語の核心に迫るネタバレあり
実はジュリエットの双子の妹は、エヴァ(源頼光)のほう。母親がハリエット(エウリュアレ)である。
主人公はジュリエットことステンノの双子の妹=エウリュアレ、母=源頼光という先入観で見てしまっていたが、実際に夢の中の人物たちは誰もそう断言はしていなかった。
そして殺人事件の犯人はジュリエットたちの母、ハリエット。
ジュリエットとエヴァは実はアダムスカの子どもではなく、双子の本当の父親はゴールディ家当主のアーロン。つまりアーロンの子どもであるモーリス、クリス、ドロシーとは腹違いの兄弟ということになる。
ハリエットが若い頃遊び歩いていた時に、たまたま一緒になった相手が当時はまだゴールディ家の跡取りだったアーロンであり、ハリエットは相手が実家のライバル組織の跡取りだと気付いていたが、アーロンの方は本名を名乗られても気付かなかった。だが一回だけの関係だったにも関わらず、ハリエットはアーロンの子どもを妊娠してしまい、妊娠に気付いた時は降ろせる時期は過ぎていた。両親は娘の不祥事を部下や世間から隠すためにアダムスカとの婚姻を強引に進め、ハリエットに好意を抱いていたアダムスカは生まれてくる双子が自分の子どもではないことを知りながらも結婚したが、アーロンの事を言えば両家の戦争になってしまうと思い、双子の本当の父親の正体は両親にもアダムスカにも黙っていた。
しかし時が過ぎ、対立していた二つの家が外部からの勢力に対抗するため協力関係を築く事となり、長女のジュリエットはアーロンの息子モーリスとの婚姻が決まってしまった。それが近親婚にあたることはハリエットしか知らないこと。本人たちすらも知らないし、黙っていれば誰もわからないし、今更言えるはずもなかった。しかしハリエットとしては倫理観から、自分の娘ジュリエットが血を分けた実の兄弟の妻になるという事実はやはり許すことができず、結果的にアーロンの息子モーリスとクリスをその手にかける事となった。