俺ら解説さするだ
吉幾三の代表作にして、後の邦楽に多大な影響を与えたエポックメイキングな楽曲である。現在の吉幾三のイメージといえば演歌歌手であるが、本曲は演歌ではなくフォークソングである。
日本のあるド田舎に生まれた若者が、大都会東京に憧れ地元を飛び出そうとする内容の歌であり、日本全国の田舎の若者の心を打ったことは想像に難くない。
ただ田舎への不満をぶちまけた末に、サビで東京にかける夢が田舎の発想そのものという矛盾した展開と、その滑稽さに隠れた哀愁が良い味を醸している。
歌詞の面白さもさることながら、この曲の最大の特徴はラップスタイルを取り入れているところである。それまでもいくつかのアーティストが邦楽のラップを制作してはいたが、ラップ特有のプロテストソングも盛り込んだところにこの曲の持ち味がある。
なおこの歌の歌詞は(吉の出身地の)津軽弁ではなく、東北方面の言葉をいろいろ混ぜ合わせた似非方言である。津軽弁では「わ、東京さ行ぐでぁ」となる。
それでは皆様ご一緒に
余談があるだ
吉幾三の代表作と認知される本曲だが、ヒットしてしばらくした頃に、自身の出身地である青森県津軽地方の自治体から「青森県はそんな田舎じゃねえよっ!!」と、ガチで苦情を申告されてしまったことがある。
もちろん、本作で歌われる村は吉の創作であり、どこか特定の地域をモデルにしたわけではないのだが、バラエティ番組水曜日のダウンタウンにて行われた調査によれば、アフリカ大陸ケニア共和国のサマリア村が、世界で最もこの曲とシンクロする村らしい。