1000系・1300系共通項目
2012年度まで製造された9000系・9300系の後継形式として2013年度より製造されている形式で、同一のコンセプトのもとで神戸線・宝塚線の1000系と京都線の1300系が並行して製造されている。
1000系・1300系ともに現在の車両は2代目となる。
先輩の9000系に比べてさらなる環境性能の向上が図られており、9000系9002F以降に引き続いてすべての照明器具にLEDを採用している他、機器類でも最新技術を投入して騒音低減が図られている。
1000系・1300系に採用された技術はのちにグループ会社の最新型にも取り入れられた。
これまでの車両と同様、1000系と1300系では一部の寸法や制御装置のメーカーが異なる。
電動車の配置も9000系・9300系までの編成両端ではなく中間車のみに変更。
また、両形式とも自動解結装置を装備しないため併結運転に対応せず、すべて8両編成単独で運用されている。
阪急1000系(2代目)
宝塚線所属編成が能勢電鉄乗り入れに対応し、特急「日生エクスプレス」にも充当される(神戸線所属編成は無線の関係などから宝塚線に貸し出されても日生エクスプレスの運用には入らない)。
2018年10月現在、神戸線・宝塚線にそれぞれ8両編成8本の合計16編成が所属している。
9000系と同様、神宝線の両線予備車の役割を担っており(宝塚線所属車は神戸線予備、神戸線所属車は宝塚線予備)、運用の状況次第で相手路線に貸し出されることがある。
主要機器
関西の鉄道車両で初めて主電動機に永久磁石同期電動機(SEA538A、190kW)が採用された。
制御装置は東芝製IGBT-VVVF(スナバレス2レベル方式センサレスベクトル制御)を採用。
PMSM採用車はモーター1台ごとに同期した制御が必須であるため、必然的に個別制御となる。
2回路分を1パッケージに収めたパワーデバイスを開発し、併せて冷却器1つで4つのインバータ回路を冷やせるユニットも開発され、2ユニットで8台のモーターを制御する。
制御ユニットについても演算が高速化され、一つのプロセッサで2つのインバータ回路を制御可能とした。
これらにより、8個モーター制御ながら装置サイズが誘導電動機用インバータと同等まで小型化された。
また、制御装置には惰行制御機能(定速制御のこと)を有する。
車両情報システム
Intel製x86CPUとWindows Embedded Standard 2009をベースとしたシステムを採用。
従来は別々の構成だったモニタリングシステムと車内案内情報システムが統合された。
これにより装置・伝送路を共通化し、搭載機器・ぎ装配線を削減している。
先頭車に設置されたモニタ中央装置と中間車に設置されたモニタ端末装置はそれぞれ100Mbpsイーサネット伝送路で接続され、車両内支線はIEEE802.3の100BASE-Tにて、また各機器とはRS-485にて伝送する。
これにより、車両案内表示において広告用動画にも対応可能な大容量データ転送を可能にしただけでなく、各種車両機器のモニタリング状態もまとめて運転席に届けることを可能にした。
運転状況記録は両先頭車のモニタ装置で同時記録を行う。
阪急1300系(2代目)
⇒阪急1300系の記事を参照。