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諸元編集

編成8両(3M5T)
営業最高速度115km/h
設計最高速度130km/h
起動加速度2.6km/h/s(地上区間・70km/hまで)、2.8km/h/s(地下区間)
減速度(常用)3.7km/h/s
減速度(非常)4.2km/h/s
編成定員1020人(座席368人、立席652人)
編成重量(1次車)233.8t
車両重量24.5t(T2)~35.7t(Mc1)
全長18900mm
全幅2800mm
車体幅2780mm
全高4095mm
車体アルミニウム合金(ダブルスキン構造、摩擦撹拌接合方式)
電動台車FS-565(モノリンク式軸箱支持ダイヤフラム形空気ばね台車)
付随台車FS-065(同上)
主電動機TDK6126-A(かご形三相交流誘導電動機、定格200kW)
駆動方式平行カルダン駆動(TD継手→WN継手)
歯車比16:84=1:5.25
編成出力2400kW(200kW×12基)
制御装置ATR-H4200-RG684A-M(IGBT素子、2レベル電圧形、1C2M×2群)
補助電源装置SVH-150-4036A(2レベル電圧形CVCFインバータ、75kVA×2)
空気圧縮機ARS1620-RS20B(スクリュー式、2062L/min)
制動装置HRDA-1(電気指令式電磁直通空気ブレーキ)
集電装置PT-7105-B(シングルアーム式)
空調装置HRB352-2(屋根置き形ユニット式、1両あたり20000kcal/h×2)
乗降扉DPT-40BU-H1(直動空気・ベルト駆動式、両開き片側3か所)
保安装置AF軌道回路方式ATS(パターン式)、WS-ATC、デッドマン装置

概要編集

2003年10月14日鉄道の日)にデビュー。

線用の9000系よりも先に登場した系列。「すべてのお客様に快適な移動空間」をコンセプトに「快適な車内空間の提供、優れたサービス機器の導入、高齢者や移動制約者に対するバリアフリー」の3項目を重点に仕様が決定された。

専ら京都本線で運用され、特急のほかに準特急、通勤特急に使われることが多い。その反面、OsakaMetro堺筋線には乗り入れない。千里線も普段は入線しないが代走実績はある。


車内は勿論木目調で阪急らしい内装であり、車体色は勿論マルーンで構成されている。先代の6300系に引き続き転換クロスシート(一部ロングシート)だが、ラッシュ対策及び特急の停車駅増加による乗降機会増に対応するため3扉となった。

従来車では内装パネルを複数のブロックに分割してアルミジョイントを被せる工法だったが、本系列では大型の内装パネルを用いて各部品下側へ入れ込む工法に変更しアルミジョイント材を省略、省施工とイメージの一新を図った。

クロスシートの横幅を900mm、シートピッチを950mmに拡大し、ロングシートの一人あたりの幅も480mmに拡大するなど居住性の向上にも配慮している。クロスシートは運転室からのスイッチ操作による一斉転換が可能。

阪急電鉄では1975年の6300系以降、屋根部分にアイボリーを配したカラーリングの車両が増えており、この塗装のことを俗にチョコレートパフェ(略して「チョコパフェ」)と呼んでいるファンが多いが、本系列と姉妹車9000系では屋根全体にカバーが取り付けられており、そのカバーの色もアイボリー色であるため先代の6300系と比較して「チョコパフェ大盛り」と呼ばれることがある。


建造は日立製作所で行われ、A-trainをベースとしたアルミダブルスキン構造の車体を持つ。姉妹車9000系や次期形式の1000系1300系も同様。

これは1947年の設立以来阪急のすべての車両建造を引き受けてきたアルナ工機が鉄道車両の建造を終了し会社を解散したためである(のちに新しく「アルナ車両」が設立)。ただし第9編成(9308F)は鋼体のみ日立で製造し、アルナ車両で艤装を行っている(内装に差異はほぼない)。寸法はOsakaMetro堺筋線のそれと同等の京都線標準規格を採用、長さ18900mm×幅2780mm×高さ4095mmとなった。


京都線車両の慣例に基づき、走行機器類は東洋電機製造製を採用。

速度センサレスベクトル制御方式を採用したIGBT素子VVVFインバータ、継手カバーを一体化した低騒音TD継手など阪急初の装備が見られる。速度センサレスベクトル制御方式は後に登場する新型車両にも引き継がれた。2017年〜2018年にかけてTD継手からWN継手への交換が行われ、形式称号変更により形式末尾に「-1」が加わった。ちなみに先代の6300系6330FもWN継手(こちらは当初から)であった。

台車は8000系列後期形のボルスタレス台車から、ボルスタ付きに戻されている。


デビュー後の変化編集

  • 2020年初めに自動放送装置が増設され、同年3月のダイヤ改正より使用が開始された。なお翌年4月以降、3300系以外の京都線車両群でも、京都線内のみの自動放送をおこなっている(3300系は実施せず)。
  • 2024年7月に、大阪梅田方から4両目の4号車に座席指定サービス「PRiVACE」を導入されたが、2300系(2代)が一通り出揃うまでの間、9300系については6編成を対象に暫定的に4号車を2300系「PRiVACE」車に差し替えて運用、「PRiVACE」組み込みの特急運用は最終的に2300系に集約・統一する方針としている(→出典・参考文献)。
  • 既に6両が編成より外され、実質休車状態となったが、これらと併せ2300系導入、増備後の9300系の処遇について阪急の広報は「ロングシート化などの車両運用に合わせた改造を行う」とコメントしている。実際に2024年8月に正雀工場で9300系のクロスシートが撤去され廃棄処分されているのが目撃されており、内装に何らかの変化があるのは間違いないと思われる。



編成別の差異編集

  • 初期の3編成(9300F~9302F)は特急の15分→10分間隔運転化に伴う補完用として製造された。行先表示器は方向幕、車内案内装置(車内ディスプレイ)はLED一行タイプで落成。第1編成(9300F)と第2編成(9301F)以降とでは、前面貫通扉上にあるライトケースの形状が異なる。第1編成は回生ブレーキが5km/hで失効する仕様となっていたが、2005年5月に純電気ブレーキ化改造が行われた。
  • 9303F以降は6300系の運用を置き換える形で量産された。フルカラーLEDの行先表示器を採用、車内案内装置(車内ディスプレイ)はLCDに改められた。
  • 2023年10月14日に9300系デビュー20周年を迎えるにあたり、トップナンバーの9300Fに前面上部をモチーフとした記念HMが装着された。

編成表編集

正雀車庫に8両編成11本が在籍。

平日の通勤特急の5号車(T9890形)は女性専用車両。


←大阪梅田河原町→
形式Mc9300-1T9850T9870T9880T9890T9860M9800-1Mc9400-1
MT構成Mc1T1T2T2T2T1M1Mc2
第1編成93009850987098809890986098009400
第2編成93019851987198819891986198019401
第3編成93029852987298829892986298029402
第4編成93039853987398839893986398039403
第5編成93049854987498849894986498049404
第6編成93059855987598859895986598059405
第7編成93069856987698869896986698069406
第8編成93079857987798879897986798079407
第9編成93089858987898889898986898089408
第10編成93099859987998899899986998099409
第11編成93109950997099809990996099009410

関連イラスト編集

HAKYU KYOTO LINE阪急電車・9300系

20の節目〜9300系デビュー20周年〜


関連項目編集

阪急関連編集

阪急電鉄 阪急京都線 阪急6300系 阪急1300系 京とれいん

阪急9000系 阪急1000系 阪急8000系(8300系含む)

A-train関連編集

日立製作所 A-train

東武50000系 西武30000系 東京メトロ10000系 西武20000系 東武60000系

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