概要
京阪神地区に路線網を展開している大手私鉄「阪急電鉄」が阪急京都線向けに導入した座席指定車両、及びそのサービスの名称。
2024年7月21日営業開始。
(日本の人口減少に伴う)将来的な沿線人口の減少で運賃収入の増加が見込めなくなる中、阪急京都線と共に京阪間の輸送を担っているライバル会社では「プレミアムカー」(京阪電気鉄道)やAシート(JR西日本)といった「確実に座れる着席需要」「上質な移動空間」の座席指定サービスを相次いで導入。阪急もこれらに追従する形で、営業キロが長い京都線への導入を決めた。
名称は「PRIVATE」(プライベート)と「PLACE」(場所)の造語。
使用車両・列車
対象となるのは8両編成の「準特急」「特急」「通勤特急」の一部列車で、大阪梅田方から4両目の4号車に「PRiVACE」車両を連結。4号車中央にドアが設けられ、そこから乗降扱いを行う。
導入当初は1時間あたり2〜3本でサービスを始め、編成増強後の2025年頃には1時間あたり4〜6本に拡大する予定。一乗車あたり500円で、チケットは「PRiVACE」専用WEBサイトでの予約のほか、添乗する専属のアテンダントから直接購入することができる。
9300系については一部編成を対象に暫定的に4号車を2300系「PRiVACE」車に差し替えて運用する方式。2300系の必要編成数が揃い次第、9300系は「PRiVACE」車のない元の組成に戻す見込み。
余談・エピソード
- ロゴマークは英字「P」の縦線を座席に見立ててアレンジしたもの。2023年11月の初公表時、『カタカナの「ア」のように見える』(要約)という呟きがSNSで見られ、「ア車」「Aシートならぬアシート」「阪神のアレ、阪急のア」「ア◇ア」(中央のドアの窓の形状から)などと呼ぶ人がちらほら。
- 9300系と2300系は車体構造の違いが大きく、暫定編成の外観が不格好となっている。更に自由席がクロスシート車である為、収容力が低い。2300系と似た外観且つオールロングシートの1300系であれば収容力と編成美を両立出来るが、そうならなかった理由がある。
- 阪急社内で付随車を他系列に組み込む事例は、過去に何度か実績があった。阪急2000系の記事も参照。
- 大規模イベント開催時にPRiVACEの利用制限が実施される事がある。
- 2024年8月3日の淀川花火大会開催時間帯の場合。一部の京都河原町行の十三駅でのPRiVACEのドアが封鎖され、十三駅からの乗車が不可能に。十三駅で乗り換え利用する乗客に対し、梅田駅で乗り換えるように促している(告知には書かれていないが、普段は認められていない十三-大阪梅田間の重複乗車特例を適用)。
- 河原町7:31発梅田行及び梅田8:30発河原町行通勤特急はPRiVACEと女性専用車両を同時設定した列車である。
- 着席料金は東急電鉄の『QSEAT』と同じ500円。あちらに比べて設備関係は上で東横線のQシートがこけた影響で比較されやすい。
- なお、Qシートと異なりインターネットでの予約が可能になっている。
- etc…