愛に泣き 愛を知れ
概要
1972年に連載された永井豪氏による漫画『デビルマン』のアニメ化作品。
永井豪画業50周年記念として制作された。
展開される媒体はTVではなく、Netflixによるwebアニメという形態となる。
2018年1月5日から全世界独占配信が開始された。
初めて原作のスタートからラストまでを、全10話と短いながらも詳しく描ききった初めての映像作品となる。(某実写映画を除く)
湯浅政明を監督に据え、ストーリーの流れ・路線とセクシャルかつバイオレンスな作風は原作を踏襲しつつ、キャラクターのデザイン・設定、時代背景が大胆かつ現代的にアレンジされている。
一部の展開は当アニメオリジナルであり、しばしば『激マン!』などで語られていたヒロインの濡れ場など、少年誌に掲載していた当時では永井氏が出来なかったとされる過激な描写が、その一角として取りいれられている(永井氏曰く「ちゃんとデビルマン」)。
本編全10話に加え、イベント映像や企画時の資料から設定資料が収録された『DEVILMAN crybaby COMPLETE BOX』が完全生産限定版としてBlu-rayで2018年5月30日に発売予定。
ちなみにこの世界では豪ちゃんも存在する為、デビルマンレディー同様にデビルマンが放送されているようだが、こちらでは特撮番組と漫画版が存在しているようだ。(だからといって展開を先読みして、人類滅亡は避けられない。)
登場人物
不動明
↑変貌前
↑変貌後
CV:内山昂輝
本作の主人公。『緑ヶ丘高校』に通う男子高校生。陸上部に所属。
医者の両親を持ち、幼いころ海外に医療活動に出向いた両親に代わって牧村家に引き取られた。
外見はナヨナヨしており、泣き虫なうえに運動もケンカも苦手だが、他人のために涙を流し、それでいて自分が悲しくて泣くようなことは絶対にしない強く優しい心の持ち主(アモンをも押さえこむその精神力は、悪魔王ゼノンも興味を持つほど)。
悪魔の存在を確認するために親友である了に連れ来られた暗黒パーティー『サバト』にて狂乱する参加者たちに激しい暴行を加えられ、大量に召喚された悪魔たちがその場の人々を虐殺していく凄惨な現場を目撃する。
挙げ句喰い殺される恐怖で完全に理性を喪失。悪魔族随一の勇者アモンとの合体を遂げ、持ち前の強靭な精神力で精神の侵蝕を押さえこみ、悪魔の超力と人間の心を併せ持った超生物・デビルマンとなってしまう。そしてその圧倒的な戦闘力で召喚された悪魔を皆殺しにし、了と残った人々を修羅の跡地から助け出す。
その日を境にして、大切な人たちと人類を悪魔の毒牙から守るために、了の協力のもと悪魔を狩る戦いに身を投じることとなる。
アモンに憑かれてからは人格も外見もワイルドに豹変し、女の子を中心に一躍学校の人気者になる。また身体能力も爆発的に上昇し、特に肉食獣のような重心の極端に低いフォルムでの短距離走は美樹やミーコを軽々追い抜き10秒というとんでもない記録を叩き出したほど。
しかし人気者とはいえ悪魔憑きの状態にあるため、鍵が壊れて開かないドアを怪力でこじ開ける、視聴覚室で大画面と廊下まで聴こえるほどの大音量でAVを鑑賞する、陸上の大会で幸田の秘密を吐かせるために彼の学校のチームのメンバーを取っ捕まえて脱がせるなど、極端な素行の悪さが目立つようになる。
合体した悪魔が『地獄の野獣』とも謳われた獰猛きわまりない輩だったこともあってか本能的な食欲や性欲、破壊衝動、新陳代謝のスピードなどが常軌を逸しており、明本人日々それに悩まされている。また、その体はエネルギーを大きく消費する代物らしく、了の家で頻繁に肉料理を摂取している(居候先の美樹の家は完全菜食主義で、肉料理はたまにしか食べられないため)。
上記のように凶悪なまでにイメージが変わったとはいえ、優しい性格は変わっておらず、泣き虫なのも、自らのためには泣かず、人のために泣く性分も相変わらず。
運転免許を所持しているかは不明だが、移動手段として了から支給された大型のバイクを用いる(ただしノーヘル)。スマートフォンは了に買ってもらうまで持っていなかった。
強い悪魔が憑き強い心を持つとはいえその戦いはあまりに険しく、悪魔が関わったことによる両親と牧村の人々の死、悪魔に仕立て上げられた罪なき人々が同じ人間によって殺されていく様をまざまざと見せつけられ、人間を守るという意志は次第に揺らぎはじめる。
さらに人間が人間を殺している現状をなんとも思わない了を見限り、彼の家を去る際に了が口にした「そんなこと(人間を救うために悪魔と戦うこと)のためにおまえをデビルマンにしたんじゃない」という本末転倒な言葉についに堪忍袋の緒が切れ、完全に決別する。
悪魔と人間の戦いが激化してからは、幸田やミーコをはじめとするデビルマンを集め軍団を結成し(ただし幸田は離反)悪魔の迎撃を計る。
飛鳥了
CV:村瀬歩
明と同い歳ながらアメリカの大学で教授を務めるほどの明晰な頭脳を持つ。
ロシアのフィキラ博士の悪魔についての研究を継ぎ、その実在の証拠を掴むため、無二の親友である明に一番最初に伝えるために帰国していた。
明とは反対に冷酷無比な性格で共感力に乏しく、人や他の生き物を殺すことになんの抵抗感も罪悪感も持たない真性のサイコパス。その性格ゆえに幼少のころから周囲に疎まれ嫌われていたらしく、そんな彼の唯一の理解者が明であった。
『人間の能力は武器や乗り物を使えてこそ』という独自の人間能力観を持つ。
大学での給料やテレビ出演でのギャラのほかにマネーゲームで資産を増やしているらしく、その資金力の大きさは超高層マンションに住み、バイクやスマホなどを明に支給し、秘書まで常駐させていることから伺い知れる。
幼い頃、とある場所で行き倒れていたところに明と出逢い、
「だいじょうぶ。こわくない、こわくない」
という諫言と抱擁を受け、以降は明と彼の家族とともに生活していた模様。
その素行は大変機械的で無感情なもので、他の人間のように感情的になったり、熱中できる趣味などを持とうとしたりせず、食事に関しても「味や形に興味はない」としてゼリー飲料などで簡単に済ませるほど。
体格も明に「もやしっ子」とまで言われるほど華奢だが、片手で機関銃をぶっ放しているあたり人並みかそれ以上の体力・膂力は持っていると思われる。
無免許運転や器物破損、家宅侵入、銃刀法違反、火薬類取締法違反、果ては殺人まで、バレたら即死レベルの違法・犯罪行為をいくつもやらかしているが、自分らの相手は法や社会規範を以って戦えるような生温いものではなく、全ては悪魔に対抗するための手段にすぎないとし、責任感も罪悪感も一切持とうとしない。
外出時に着る分厚い白いコートの内側に前述の機関銃を隠し持っており、邪魔者がいたり明や自分に害をなそうとする者がいると、たとえ人目につくような場所でも容赦なくぶっ放す。
悪魔と人間の戦いが激化し、人間が同じ人間を殺すこの世の地獄が始まってからも終始平静を保ったままで、同じ人間によって殺された人間を「必要悪」だと簡単に割り切っており、その異常なまでの冷静さは明をも不審がらせた。
さらに自ら戦線に赴き、デビルマン軍団を結成して悪魔の軍勢に対抗しようとする明の言葉を無駄だと一蹴したことで決裂。テレビで観た謎の光に異様に怯えてからは、これまでの自身の不可解な言動や恐れている事態が悉く的中し過ぎることに違和感を覚える。了は今一度自分が何者なのかを知る為、自身のルーツを探すことに…