悪魔王ゼノン
あくまおうぜのん
山羊、狼、蝙蝠などと合体したデーモンで、力強い蹄と角を持ち、全身が黒い毛で覆われている。腕は翼になっている。
頭部に男と女と猿の三面が、腹にもう一つの顔が付いた毛むくじゃらの姿をしている。
なお、ゼノンのこの頭部の三面と腹のそれを含めた「四つの顔」には、それぞれ以下のような意味がある。
腹部の顔=獰猛
正面の顔=冷酷
左の女顔=狡智
右の猿顔=邪悪
テレパシー能力を使い、デーモン大侵攻の際に世界中に巨大な幻影を映し出して全人類に宣戦布告した。
漫画・アニメ双方においてほとんど戦闘シーンは描かれていない為、その力は未知数である。
人格は大魔神サタンに忠実であるが、かなりの苦労人でもあり、サタンの人間を滅亡させる作戦やサタンの不動明への恋慕に振り回されたことに対し、本人の前で不満を漏らす場面も見受けられる。
また、多くの部下を失ったとサタンに不満げに口にする場面や、デビルマン軍団との戦いを避ける方法はないのかと進言する場面もあり、理性的な一面も見受けられる。
TVアニメ版・デビルマンでの活躍
CV:柴田秀勝
「魔王ゼノン」と呼称されており、大魔神サタンが登場しないため事実上のデーモン族のトップとなっている(ただし、劇中では最後まで決着はついておらず、ラスボスは親衛隊長の妖獣ゴッドが担っている)。
『CBキャラ』では漫画版最終話でサタンが乗っているドラゴンであるカリオルアーの正体であることが明かされた。
漫画版もこの設定に準拠しているのであれば、ゼノンは強大な力を秘めたデーモンであると言えるだろう。
作中ではお掃除デーモン隊というデフォルメされたキャラ(CV:飯塚昭三、加藤雅也、長谷有洋、今橋かつよ、安宅誠、石原慎一、三井善忠)として活動し、事後処理を行なっていたが、終盤で記憶を取り戻し、ゼノンとしての正体を現した。なお、デビルマンが正義のヒーローらしからぬ卑劣な策(隊長格をぶん殴って人質に取り、ゼノンを弱体化させた)を用いてゼノンが戦闘できなくなった上に飛行要塞グールから落ちて行方不明となる、ここでも1対1の直接対決は実現していない。
なにはともあれ、ゼノンへのリベンジは果たしたことになる。
『AMON デビルマン黙示録』(漫画版)では、分身したり亜空間へ敵を追放する能力を披露したりなど、やりたい放題で暴れまわっていた。しかし、最期はアモンに敗北する。
小説版デビルマンでは登場せず、ルシフェルとディーテ(ルシファーと『神曲』に登場するディーテの市に由来)というデーモンが代役を務めている。
『DEVILMAN crybaby』ではややデザインのディティールを変えて登場。デビルマンと死闘を繰り広げる。
実写版デビルマンには残念ながら登場していないが、ゼノンをモチーフとしたと推測するデーモン(演:ボブ・サップ)が登場している。