テレビアニメについてはTVアニメ版・デビルマンを参照。
概要
「悪魔人間/デビルマン」とは、漫画版『デビルマン』に登場する概念である。
本来デーモン族は人間に不用意に合体しない。何故なら、人間のように理性を持った存在と合体すれば、その拒絶反応で宿主は勿論、本人も死んでしまうからである。しかし、理性を失った状態(感情に支配されたり、意識を失ったり寝たりしているとき)では抵抗となるものが存在しないため、デーモン族も合体できる。この場合、デーモン族は人間の人格を内部から制圧し、完全に乗っ取ってしまう事が出来る。
しかし、その合体された側の人間が極めて強い精神力でデーモンの意識を抑え込めた場合、元の人間の人格のままデーモンの肉体を手にすることになる。これが悪魔人間である。
悪魔人間化した場合、元のデーモンの人格は人間側に吸収されるが、消滅したわけではない。そのため、人間側がデーモンの記憶を知識として得ることが出来るが、人格にある程度の影響が出ることとなる(主人公である不動明は元はナヨナヨした青年だったが、合体後は人相が悪くなり好戦的になった)。
作中後半でデーモン族が無差別合体を行った際、低確率ながらも悪魔人間が大勢生まれた。これを知った不動明は他の悪魔人間達を集め、デーモン族との戦いに挑む。
牧村家の炎上と最終戦争の幕間を描いた『AMON デビルマン黙示録』では、封じ込められていたアモンの意志が暴走し、完全に明の人格を制圧し悪魔人間からデーモンに覚醒する様が描かれている。
なお、1972年アニメ版におけるデビルマンは一個人ならぬ一デーモン(つまり原作でいうアモンのこと)を指し、デーモンが意識の主導権を握っているので漫画版とは根本的に設定が違う。
作中で登場する悪魔人間
飛鳥教授
悪魔人間第零号といえる人物。しかし、デーモンの意識を抑え続けることが出来ず、ペットを虐殺したり息子・飛鳥了を殺そうと襲いかかったりするなど恐慌状態に陥り、自害を決意。ガソリンを浴びて焼身自殺し、その研究結果を了に託して息絶える。
不動明
本作の主人公にして、悪魔人間第一号。
ミーコ
溶解液を噴き出すデーモン「トゥルグ」と合体して悪魔人間になった少女。悪魔特捜隊に捕獲され、悪魔研究所で研究材料にされていたところを明に助けられる。
どちらかというとスピンオフ作品で出番が多い。
『DEVILMAN crybaby』にも同名キャラのデビルマンが登場するが、名前だけ同一の別人である。デビルマンとしての形態も全く異なり、人型の胴体に蜘蛛の顔と四肢をつけたような容姿をしている。
なお同作には漫画版のミーコの姿をしたデビルマンも同じ経緯でカメオ出演する。
プフール
犬っぽい外見のデーモンと合体した女性。デビルマン軍団の総帥である明の側近。
小説版では「泉まさみ」という名前で登場、かつて中学校の教師だったという。漫画版での出番はほとんどないが、小説版では明に助言する場面や毒の雨に打たれて死亡する最期が描かれている。
『G』版ではOLという設定であり、こちらでは完全にデーモン化しており、命乞いに応じないアスカらに討伐された。
デスプロー
カニっぽい外見のデーモンと合体した男性。
『G』版では刃黒レイという記者が変身したという設定。
ボンズ・オブ・ヒンズー
とあるデーモンの一団が、瞑想中のヒンズー教の僧侶の集団に合体を目論み、そのまま逆に乗っ取られた。デーモンが、僧侶が厳しい戒律で精神を鍛えてることを知らなかったのか、それとも何らかの事情があって分の悪い合体を強いられたのかは不明。テレパシーが強力で、デビルマン軍団の通信活動の中枢を担う。
ラミゲドル
超大型の翼竜…というより長方形の瀬戸物に恐竜の首と尻尾がくっついたような外見のデーモンと合体した悪魔人間。悪魔特捜隊本部を攻撃する際、明を背に乗せていた。
アギラ
『ネオデビルマン』や『デビルマンレディー』、『DEVILMAN crybaby』で明を背に乗せていた超大型悪魔人間。上述のラミゲドルにそっくりだが、よく見ると首と尻尾がくっついてる位置が違う。
山野
小説版に出てくる悪魔人間。右腕がトマホーク状のデーモンと合体した。戦闘はともかく、集団の統率に秀でており、明からも尊敬と信頼を寄せられている。そのためデビルマン軍団の初代総帥となり、原作版以上のペースで組織を拡大していく。しかし…。
岡、横田
小説版に出てくる悪魔人間たち。デビルマン軍団の初期メンバー。
キーヨ/ノリ
小説版に出てくる悪魔人間。本名は「小川紀代」で、昭和刊行版では「キーヨ」、平成刊行版では「ノリ」と表記。
小説版のオリジナルキャラではなく、上述のミーコを名前だけ替えて登場させたキャラである。
ただし、小説オリジナルの展開もあり、明に好意を寄せる場面が存在する。
ユミ
OVA版『デビルマン黙示録』に出てくる悪魔人間。軟体デーモンと合体した小柄な少女。頭部が軟体になっており、普段は帽子で隠している。
幸田燃寛
CV:平野潤也
『crybaby』で登場。
陸上の世界ユース記録持ちの高校生。同性愛者であり、幼馴染のジュンイチとは相思相愛の関係。
陸上甲子園にて悪魔化を誘発させる薬を盛られ、デーモンとしての姿を表してしまい、デーモンの姿が世に知れ渡る切っ掛けを作ってしまう。
一時は明に匿われるが、人間たちへの不信感からなんと、デビルマンでありながらデーモン側に就いてしまう。最後は明によって倒された(デビルマンが人間の心を持ちながら悪魔となった存在である事を考えると中々に皮肉が効いている)。
デーモン態は幸田の顔が付いた牛型デーモンであり、公式名称は「幸田マン」となっている。
ターコ
CV:高橋李依
『crybaby』で登場。
牧村家の飼い猫。
実はデーモンと合体してデビルマンとなっており、テレパシーで明と会話できる(「悪魔人間」とは一体…)。
基本的に動物はデーモンの素材となってしまうので、イレギュラーな存在だと言える。
陸上部監督
CV:内田紳一郎
『crybaby』で登場。明の所属する陸上部監督。
最終戦争では自身の腕を明に移植してサポートしている。
デビルマンG版
脳にあるとされる愛情を司るD領域が活性化することで理性を保ったまま、悪魔化した人々のこと。
その実態は魔術王ソロモン=空宜リョウによって作られたデーモン十支族と神の戦いの物語を脳がキャッチして生まれた存在であり、デーモンは自分を地球の先住民族だと思い込んだデビルマンのなり損ないでしかない。
『慈悲の一撃』という必殺技を有するのが特徴。
牧村美樹
炎鬼族フラム、節足族のメドックを乗っ取り返す事で「デビルマン・フラムメドック」となった。
大柴ソウスケ(『魔王ダンテ』に登場した大柴壮介のリメイクキャラ)から剣術を教わっており、武器は日本刀。
技名も『魔王ダンテ』に因むものが多い(断鉄閃や滅道殺など)。
空宜リョウ
デビルマンとしての名は「ゼノン」(悪魔王(ルシファーと読む)ゼノンとの融合体)。
『新約・神曲』の上演で人気を博す舞台演出家。その正体はソロモン王その人。
デーモンを裏切ったと伝承で語られているが、実際はコイツこそが全ての元凶である。
ミキの平手打ちと説教を受け、消滅した。
アニメ版『デビルマン』の妖獣ゴッド(能力の元ネタ)、『魔王ダンテ』、『デビルマン』の悪魔王ゼノンなどが元ネタだと思われる。
神崎サヱコ
リョウのマネージャーでその正体は実妹であるザーラ。
デビルマンとしての名は「アーガマ」。
火叢アスカ
ミキと同じ中学の出身で、ミキに恋慕している不良。
デビルマンとしての名は「ハーシュ」(和訳すると「残忍」で、姿もアニメ版のザンニンがモデル)。
川本ミキコことミーコ(デビルマン名は「トゥルグ」)と行動を共にしている。
モデルは氷村巌と飛鳥了(なので、あだ名は「ヒムラー」)。
東大寺
勤勉な性格の明の親友。雷沼ツバサ=シレーヌに思いを寄せる。
デビルマンとしての名は「カイム」。
詳しくはシレーヌの項目にて。
モデルはアニメ版に登場した東大寺入郎。
守城ケイ
デビルマンとしての名は「ヴィルフェ」(『闘神デビルマン』の狡魔ヴィルフェが元ネタ)。
デビルマン軍団に所属していたが、ヨーヨーの才能を評価されないコンプレックスを突かれてリョウに洗脳されて悪魔元老院側に付いてしまった上に用済みと見なされて始末される。
『闘神デビルマン』の主人公神代慶がモデルで、ヨーヨーの達人という設定や犬のようなデビルマン態もこの作品に由来する。
橘リュウ
プロボクサーでデビルマンとしての名は「バリィ」。
白リン弾や粉塵爆発の要領で金属粒子を用いた爆破技を攻撃手段に持つ。
磔真ユリ
女性のデビルマン。デビルマンとしての名は「フラウバー」。
メリケン錠
本作におけるメリケン錠。
デビルマンとしての名は「ラズバ」。
蛮馬エリザベス
ミキの友人。デビルマンとしての名は「ベルム」。
元ネタは『バラバンバ』の登場人物である蛮馬宙太と敵キャラのエリザベスベルム。
蘭ジュン
女性デビルマン。デビルマンとしての名は「アーメリア」。
『デビルマンレディー』の不動ジュンとアスカ蘭が元ネタ。なので恋人の名前も「アオイ」。
鳴神チャコ
実家はメイド喫茶を経営しており、アルバイトにはミキ、ツバサ、入間サチ、有賀ネムがいる(ミキ以外は全員デーモンである)。
デビルマンとしての名は「メデューサ」(『魔王ダンテ』のメドッサが由来か)。
アニメ版に登場した千夜子がモデルだが、東大寺と相思相愛の設定は無くなった。