概要
自害とは自殺=自分自身を殺すことである。入水や睡眠薬自殺のような傷痕の残らない死に方よりも、刃物や銃器などで自らを傷つけて出血死することをさすことが多い。
「自殺」「自害」「自決」「自刃」の違い
自分自身を害して生命を絶つ行動には、様々な呼ばれ方が存在する。それぞれ「ある人間が自死することで生命活動を終了する」という結果に変わりはないが、その経緯や手法に若干の違いがある。
まず自殺は、客観的にみて自分以外の人間が自ら生命を絶った場合について使われる言葉である。有名人から自身の近親者まで、自分以外の人間のものであれば基本的に使用できる。また、自殺という表現の場合、その手法は問わない。現代でいうと、首吊り自殺、飛び降り自殺が主な手法である。
続いて「自害」は、死にゆく者が「死ぬ」という確固たる決意を持っている場合に限られる。また、出血を伴う手法により生命活動を絶つ場合に用いられることが多い。そのため、武士や軍人が死ぬ場合(切腹)など、特定の状況下でしか使われない。現代ではそのようなシチュエーションはないため、まず用いられることはない。
「自決」は、基本的に「(敗戦や何かの失敗の)責任を取って死ぬ」というニュアンスが強く含まれている。自害と似ているが、こちらは手法については問わない。戦争や反乱にかかわった人物で、敗れたものが自殺した場合、これらは「自決」として判断可能である(戦死の項も参照されたい)。
最後に「自刃」であるが、これは文字通り「刃(刃物)」を用いた場合に限られる。すなわち、切腹や刃物で動脈を傷つけたことによる失血死、刀で首を刎ね飛ばす(「自刎」ともいう)場合にしか使われない言葉である。