「……ええ。
さようなら、見知らぬアルブレヒト。」
もうすぐ繋いだ手は離れてしまうけれど
もうすぐ、この体は崩れ去ってしまうけれど。
「―――でも、繋いだ心だけは、離れないわ。」
概要
『Fate/Grand Order』の主人公とサーヴァントアルターエゴ「メルトリリス」とのカップリングタグ。
メルトリリスは『Fate/EXTRA-CCC』初出のキャラクター。
『Fate/Grand Order』では期間限定イベント「BBちゃんの逆襲/電子の海で会いましょう!」もとい「深海電脳楽土 SE.RA.PH」にて初登場した。
海洋油田基地セラフィックスからのSOSを受け、接触してきたBBの協力によりセラフィックスの変質した特異点SE.RA.PHにレイシフトした主人公。
護衛のサーヴァントとはぐれて孤立し、敵性サーヴァントに襲われ窮地に陥ったところを突如現れたアルターエゴ・メルトリリスに救われる。
主人公はメルトリリスと契約を交わし、共にSE.RA.PHを探索して事態の解決に挑むことになる。
人間嫌いを標榜し冷淡ともとれる態度で悪態をつきながらもなにかと協力的なメルトリリスと探索を通じて絆を深めていく主人公。
だが、時折現状とは異なる口調で誰かと会話をするメルトリリスの場面が何度も挿入され?―———
カルデアに召喚されたメルトリリスには特異点SE.RA.PHでの記憶はない。
そのため、召喚当初の態度は割とそっけないが、絆を高めるとマイルームにおいて主人公の膝に座ろうとしてくるほどに態度が軟化する。
2018年バレンタインイベントのチョコを受け取る際のミニシナリオでは冷淡な態度と辛口な発言が多いものの「恋人を蕩かす手練手管は宇宙一だもの」「恋人に贈るものなのよ!?」と何度も「恋人」を連呼したり、受け取りを拒否されると思わず一生懸命作った事を漏らすなど、特異点SE.RA.PHでの記憶がなくともそれなりに好意的なようである。
余談
イベントシナリオの中でのまさに恋するメインヒロインとしての活躍、そしてその結末故に人気のあるカップリングである。
例え記憶無しとはいえ、メルトリリスに再び巡り会うためにガチャという人類悪に挑んだマスターは数知れないだろう。
イベント前の開催記念特番において新サーヴァントとしてメルトリリスの情報が公開された際、アニメ版主人公藤丸立香を演じた島崎信長氏はパッションリップやBBのレアリティが星4であるのに対しメルトリリスが星5であることに何か意味があるのではないかと予想を立てていた。
結果、予想は的中し見事シナリオのメインヒロインという大役を務め上げた。
関連項目
Fate/GrandOrder メルトリリス 藤丸立香 ぐだ男 ぐだ子
カップリング NL GL Fateシリーズのコンビ・グループ・カップリング一覧
以下、『Fate/Grand Order』コラボイベント「深海電脳楽土_SE.RA.PH」に関するネタバレを含みます。 |
「“たとえ、この両手(つばさ)が砕け散っても。アナタの元に飛んで見せるわ。”」
……そんな言葉も、口にしたっけ。
メルトリリスには主人公に言えていない二人に関する秘密があった。
このメルトリリスは外界時間で2時間後、すなわち未来からやって来たメルトリリスである。
KP(カルマファージ)なる物を埋め込まれた 黒幕の手先たるセンチネルという存在でありながら反逆し、廃棄処分にされたメルトリリスは、弱体化した状態で主人公と遭遇し協力関係を結ぶ。
敵サーヴァントをドレインすることで力を取り戻しながら黒幕にたどり着くも、 黒幕の因子であるKPを持つが故に敗北し、必死に主人公の命乞いをするメルトリリスの目の前で主人公は殺害される。
絶望的な状況下であったがメルトリリスは可能性を捨てず、パッションリップとの合体宝具パラディオンの槍「ヴァージンレイザー・パラディオン」を使用。
電脳化したことで上下の距離が時間軸へと反映される状況を利用し、合体宝具で光速を越えることで、上方つまり過去へと転移を試みる。
私が向かうのはこの海の始まり。
10,000メートルの彼方、2時間前の座標―――
光の速度を超えて、必ず辿り着いてみせる。
この霊基がひび割れようと、もう一度。
もう一度、あの人に出逢うために―――!
2時間前、すなわち主人公と出会う前の時間に到達することに成功したメルトリリスは、主人公と出会う前の自分と接触し、廃棄後で力の足りない過去の自分に納得して貰ったうえで、黒幕に自分が未来からやってきたことを悟られぬよう彼女を破壊し、主人公の下へ駆けつける。
それがシナリオ冒頭での出会いの真実である。
1周目において敗因となったKPを密かに協力していたBBが用意した心の鍵を用いて破棄。
さらに探索の中で集めたリソースを用いたアイテムを使用することで黒幕を弱体化させ、仲間たちとの協力によりついに黒幕を撃破することに成功する。
しかし、なおも諦め悪く目的を果たそうとする黒幕にメルトリリスは決断を下す。
最後のフェッテは全力で。
爪先にこれまでの全てを籠める。
さあ、名残惜しく湖から飛び立ちましょう。
これが人形だった私に宿ったもの。
自分以外を愛する心。
別れの覚悟と共に主人公の令呪のバックアップを受け、今度は逃げるのではなく追撃としてパラディオンの槍を使用する。
「“自分の恋(ユメ)は自分で守る”。
女の子なら当然でしょ、そんなコト。」
黒幕にトドメを刺し、最後のあがきも仲間の介入で退けることに成功したメルトリリス。
しかし、1周目での敗北の傷や時間逆行の負荷に加え、最後のパラディオンの槍の負荷によりメルトリリスの身体はついに限界を迎える。
最期を看取るBBに主人公へ伝えることがあるか聞かれメルトリリスは告げる。
―――いいえ、何も。
何もありません、BB。
私は彼にとってただのアルターエゴ。
それでいい。それでいいのです。
だって私たちは本来、出会ってもいないんだもの。
教会で私を見つけてくれたあの人と、
彼は違う時間を歩んだのですから。
私はそれでいいのです。
愛して欲しくて戦ったのではありません。
私は恋をするために、湖から飛び立ったのです。
主人公への想いを胸に秘めメルトリリスは消滅した。
消滅前にBBの力で核をキューブとして保存し便宜的な座したことで、元々英霊の座に記録される英霊ではなく黒幕の情報内からサルベージされた存在であるが故に、消滅と共に消え去るだけのはずだったメルトリリスも、カルデアへ召喚されることが可能になった。
しかし、それで召喚されるのは特異点SE.RA.PHで主人公と共に過ごした記憶を持たない“新しいメルトリリス”である。
特異点SE.RA.PHでの事件が虚数事象として処理されたことでメルトリリスと主人公の想い出と絆はただ主人公の心の中に残るのみである(あと小悪魔系後輩の中にも)。