これは『ソードアート・オンライン』に関する蔑称および風評被害に関連する記事です。正しい知識を広めるためにファンも目を通すべきですが、心に余裕がない方は無理をせずブラウザバックしましょう。
概要
twitterのつぶやきから始まった蔑称。キリトが絡んでいるのは字面や、例のつぶやきだけ。キリト本人はもちろん原作やアニメ、それらの普通のファンに向けて使うのは誤用である。
担当声優の松岡禎丞も、ラジオ番組「ソードアート・オンエアー アリシゼーション」の第7回にてこれに触れ、「キリトに対して使わないで欲しい」と不快感を露わにした。
由来
2017年冬ごろ、twitter上で「#あなたっぽいアニメキャラ」と題したハッシュタグ大喜利が催された。
当時、この大喜利にはどこかズレたオタクたちの自慢話が集まっていたのだが、そこで（悪い意味で）実質優勝してしまったのが、とあるSAOファン（？）の、こちらの投稿である。
| キリトかなーやっぱりww 自分は思わないんだけど周りにキリトに似てるってよく言われるwww こないだDQNに絡まれた時も気が付いたら意識無くて周りに人が血だらけで倒れてたしなwww ちなみに彼女もアスナに似てる(聞いてないw) |
このつぶやきを元に数多くの改変コピペが生まれてしまった。
今となっては発言者のIDや、SAOネタでイキったオタクの第1号が彼であるのかは不明。実のところ、そもそも実在したのかも定かでない。
由来のさらなる由来
なにゆえ「気が付いたら意識無くて周りに人が血だらけで倒れてた」などという物騒な体験が、自分とキリトが似ている根拠なのか。
それはアニメ1期の第19話「ルグルー回廊」、または原作第3巻245P（戦闘そのものは220Pあたりから）にて、巨大な悪魔に変身してサラマンダー部隊を文字通り（喰い）千切っては投げ、（喰い）千切っては投げしたあと
「俺、たまにあるんだよな。戦闘中にブチ切れて、記憶が飛んだりとか！」
と、キリトは発言している（してしまっている）。
解説
日本語の誤用
「イキる」とは「粋がる」の関西弁、つまり実力のなき者がさもあるかのように振る舞うこと。
キリトは息をするようにクサい台詞を放つため、「熱る（熱り立つ）」という意味ならば当てはまらなくもないが、「イキる」は「粋がる」の関西弁なので「熱る（熱り立つ）」という意味で使うのはただの誤用、キリトがイキるイキらない以前の問題である。
キリトの実力
「戦闘中にブチ切れて記憶が飛ぶ」という発言そのものや、前後の行為に対する批判や是非は多数あるだろう。
だが、「イキり」かどうかという一点において答えはハッキリしている。彼は一人で一部隊に勝利しており、なによりブチ切れて記憶が飛んでも2年間のデスゲームからちゃんと生還している。
これ以外でも原作やアニメをちゃんと読めば（見れば）、キリトが実力者なのは明らかであり、やはり的外れでしかない。
まとめ
ここまで蔑称として紹介してきたが、厳密には蔑称ですらない完全な風評被害である。なぜなら『ソードアート・オンライン』という作品とは無関係だからだ。
とにもかくにもイキったのはキリトではなくSAO信者という事実は、押さえておくべきポイント。
概要で紹介した松岡氏の苦言についても、文面からして蔑称自体を使うなと言う気もなければ、彼には禁止する権限もないだろう。しかし、原則として蔑称を控えるべきなのは今更いうまでもない。もし使うとしても、戒めの喝を入れるときなど最低限のTPOを選び、正しく意見交換に活かすべきである。
