S-BLAST92
えすぶらすとないんてぃつー
ゲーム『スプラトゥーン』シリーズに登場するブラスタータイプのブキのひとつ。
『スプラトゥーン3』の「2023夏 Sizzle Season」のアップデートにて初登場。
通称「Sブラ」、「エスブラ」。
ブラスターでは初となる射撃モードの切り替えの概念が存在する一挺。スプラトゥーン2以降増えている可変式ブキの一種。「爆風範囲は狭いが遠くまで精密に射撃できるモードと、射程は短くなるが爆風範囲が広くなるモード」を使い分けることができる。
デザインの元ネタは、1993年にスーパーファミコン用の周辺機器として発売された『スーパースコープ』。「92」はスーパースコープの発売が海外では1992年だったことにちなむものだろう。
側面に「SUPER SCOPE」と英語で書かれているが、スプラトゥーンの世界では英語などの人類の言語はすでに消滅している。つまり、この本体は発掘されたそれそのままだったりするのだろうか。
ちなみに元ネタと違い、動作に乾電池はいらないらしい(なお、元ネタの動作には単三乾電池6本が必要となかなか燃費が悪かった)。
単発ダメージ125、爆風ダメージ50~70。射撃レートは55F/発でホットブラスターとロングブラスターの中間。
射程は長射程モードがロングブラスター、短射程モードがノヴァブラスターとそれぞれ同等。
射撃モードの切り替えはローラー種と同様、ジャンプで行う(ちなみにこの際可変機能が働くためか、小さくカシャっと音が鳴る)。
- 地上で射撃した場合は、爆風範囲は狭いが、遠くまで精密に射撃できる。
- 空中で射撃した場合は、射程は短くなるが、爆風範囲が広くなる。
「爆風範囲は狭いが弾速の速いロングブラスターと、連射は遅いが爆風範囲の広いノヴァブラスターとして使い分けられる」という、まさに『ロングブラスターとノヴァブラスターのハイブリッド』ともいえるブキである。
これをイカにうまく使い分けるかが上達へのカギとなる。
また、その特性上ジェットパックを撃墜することが得意中の得意。
遠くにいるときは地上で狙い撃つことができ、近くにいるときはジャンプ打ちで爆風を2発当てることで撃墜することができる。
ラピッドブラスターとは違い精密射撃でも簡単にキルを狙えるが、射撃レートの低さから近づかれると弱い(特にマニューバー系は天敵)。ジャンプ撃ちのカウンターをするならある程度の距離が欲しいところ。逆にジャンプ撃ちの爆風範囲はノヴァブラスターより広くて射程もある。そのため、段差下から爆風による2確を狙いやすい。
なお、メインの塗り能力は全ブキ中でも最低クラス。幸いサブスペが多少は塗れるため、周りが敵インクだらけで奇襲を受けるという点だけは避けたい。
そういう意味では(あくまでブラスターの中ではの話だが)総合的な塗り能力はむしろ優秀と言える。
92を使う際は、スプリンクラーを上手く使ってスペシャルを溜め、サメライドで上手く制圧していきたい。
これまでに登場しているのは、
- マズルが赤でダイナミックなカラーリングのオリジナル版「S-BLAST92」
- マズルが紫でシックなカラーリングのマイナーチェンジ版「S-BLAST91」
の2種類。
91は「S-BLAST92が海の向こうで別のデザインになったら……という設定で作られたifモデル」と銘打たれている(実際のカラーリングもSNESと同じである)。
とは言ったもののスーパースコープの国内発売は1993年でつじつまが合わないため、「ファミザップ」ことN-ZAP83のような完全オリジナルモデルということだろう。
スプラトゥーン3
名前 | サブ | スペシャル | ランク |
---|---|---|---|
S-BLAST92 | スプリンクラー | サメライド | 20 |
S-BLAST91 | クイックボム | ナイスダマ | 27 |
2023夏シーズンで92、2023冬シーズンで91が実装。
92は塗り&足元の弱さを補うスプリンクラーに、オブジェクトの破壊を補うサメライドの汎用型セット。その分対面戦闘はメインに負担がかかりがちで、ブラスターの扱いへの習熟度、メインへの理解度が問われる。スプリンクラーは継続塗りが得意で相手インク内のクリアリングもしやすいため、潜伏ブラスターをするならこちら。サメライドも爆風が当たっているならメインの爆風で仕留めることができる。とはいえ、基本は直撃させるつもりで挑むべし。
91は塗り・キル・牽制にも使えるクイックボムに、これまた多用途なナイスダマという前作のプロモデラーPGと同じ組み合わせで、『3』のブラスター種ではどちらも初搭載。92での近づかれた際の弱点をある程度カバーできるため前評判は良かったが、サブ影響軽減を1つでも積まれるとコンボ不成立になってしまうシビアな部分やクイックボムを含めた燃費の悪さが目立ってしまい、やはりメインの扱いの練度が問われる。万能型故に欲しいギアパワーも多く、ギア枠がカツカツになりがち。
とはいえ、ガチヤグラに関しては非常に高い適性を持ち、苦手なブキでもナイスダマで強引に引きずり下ろす事が可能となっている。2024年11月18日のナイスダマの強化も追い風で下記の通り上位層で注目されている。
なお、理論上は92が91のメタブキとなる。ナイスダマ中にサメライドで狙われたり、着地地点にスプリングラーを置かれる。ナイスダマの爆発を上手くサメライドの無敵時間でかわされる等。必要ポイントも92の方が少ないため、相手にいた場合は要注意。
前述の通り、メインの塗り能力は全ブキ最低クラスだが、サブスペだけ見ればガチエリア・ガチヤグラ適正は高く、2024年秋のXマッチでのガチエリアの最終ランキングでは92、91共にブラスター内でロングブラスターに次ぐ高いパワーを記録している。
メインだけで考えると、とにかく射撃レートの遅さによる自衛能力の低さが目立つ。
このため、無闇に体を晒さず、潜伏を中心に地形を利用して戦うことが基本となる。
進行方向を長射程モードで塗りながら潜伏して立ち回り、段差下で上の相手の動きを見て、接近してきた段差上の敵に短射程モードの広い爆風を当てて2確を狙おう。この時、相手への直撃を狙わず、爆風を当てるという意識を持つのがポイント。下手に直撃を狙おうとするとブレがあるせいでオブジェクトなどに当たり、爆風が小さくなってしまう。
一方の長射程モードはブラスター最速の弾速から『チャージのいらないチャージャー』のように扱うことができる。短射程モードとは逆に直撃を狙うべし。幸い、アップデートで50.0%のダメージを与える範囲が大きくなったので、長射程モードも爆風で2確を狙いやすくなった。
ローラー同様、「先に射撃(ZRボタン)→ジャンプ(Bボタン)」と操作することで、ジャンプしながら長射程モードが撃てる。平地で自身の被弾リスクを減らしながら戦えるようになるため、覚えておきたいテクニックだ。「ジャンプボタンの入力」がモード切り替えのキーであるため、ジャンプなしの落下時に短射程モードに切り替わったりはしない。
モード切替が不十分だった時の事故には注意されたし。
- アクション強化
ブラスター系御用達の必須級ギア。アップデートで少量でも効果が乗りやすくなった。ジャンプ撃ちの遠爆風を当てるために正確な位置に撃てるようになるのはありがたい。最低でもサブギアに2個は確保しよう。
- インク効率アップ(メイン)、インク回復力アップ
消費が重いため、ギアパワー枠が余っているならつけておきたい。
- インク効率アップ(サブ)
91向き。アップデートでクイックボムのインク消費量が増加しているため、そのフォローに。
- イカダッシュ速度アップ
ブラスター系では重要となる立ち位置の調整に。イカニンジャ採用時のフォローにも。
- 復活時間短縮
92向き。近づかれた際の抵抗手段に乏しいため、下ブレした際の保険に。効果を実感するには基本ギアパワー1つ以上は欲しいところ。
91でもカムバックを採用するなら欲しいところ。
- カムバック
91向き。復活時にしばらく一部の能力がかなりアップする。欲しいギアが多くギア枠がカツカツになりがちな91にはギア枠の節約的にもありがたく、反撃しやすくなる。
- イカニンジャ
92向き。フク専用ギアパワー。相手に近づくために潜伏行動は必要になる。
91はクイックボムを持つため、姿を晒したままでも戦いやすい。
- スーパージャンプ時間短縮、ステルスジャンプ
92向き。復活後素早く前線に向かえる。ステルスジャンプはクツ専用ギアパワー。
どちらも前線復帰に活かそう。
サーモンランNEXTWAVEでの立ち回り
直撃威力が300、爆風威力が150に強化。
基本的にサーモンランのブラスター種はザコ処理かオオモノ処理のどちらかが専門になりやすいが、このブラスターに関してはザコ処理もオオモノ処理もこなせる万能枠。『サーモンランにおけるロングブラスターとノヴァブラスターのいいとこ取り』と言ってよい程である。
地上撃ちなら中距離から直撃1発でバクダンを倒し、ジャンプ撃ちで連射すればドスコイ含むザコシャケの群れをみるみるうちに溶かしていく。状況に応じてオオモノ処理とザコ処理の両方をこなしていこう。
強ブキではあるものの、可変ブキの宿命か取り扱いの難易度は高め。上記の利点も2つのモードを上手く使い分ける事が前提である。元々ブラスター自体が硬直の長いブキであり、更にこのブキは射撃レートがロングブラスターと同等である事から誤射してしまうと途端に危険になる。慣れないうちは自衛しやすい短射程モードを使い、バクダンがいるときだけ長射程モードを使うだけでも充分。
また、イカに短射程モードを用いても足元に入り込まれたコジャケやダイバー、モグラは他ブラスターよりマシであれど苦手であるが、コジャケはジャンプ撃ちを地面に撃てばすぐに振り払え、ダイバーの塗りも短射程モードで十分こなせるため焦らなければ何の問題もない。
一方で、ハシラはジャンプの頂点で発射すれば普通に届くため登らなくてもOK。
スーパースコープは大乱闘スマッシュブラザーズシリーズにアイテムとして登場しており、最新作『SPECIAL』にはインクリングも参戦している。
下のイラストのようになった人もいたのではないだろうか?
漫画『スーパーマリオくん』にてスーパースコープはあくまでもボケとしてだが、「酸っぱい酢こんぶ」、「カツオ風味」と評されている。
ある意味、スプラトゥーンにはピッタリのブキである。
フィンセント:同期。
ボトルガイザー・クーゲルシュライバー:射撃モード切替機能を持つ射撃ブキの先輩。
N-ZAP85:任天堂の周辺機器がモチーフになっているブキの先輩。劇中での製造メーカーの設定も任天堂である。