概要
ゲーム『スプラトゥーン』シリーズに登場するスピナータイプのブキのひとつ。
スプラスピナーとは対照的に、チャージ速度とインク消費量の性能を悪くした結果、火力と射程、射撃継続時間を強化することに成功したスピナー。重量級ゆえの鈍足、そして非常に長いチャージ時間というデメリットを背負ってても、その攻撃性能は連射系ブキの頂点に位置しているといっても過言ではない。
製造はハイドロ社で、リッターシリーズと並び、同社が得意とする高圧技術の極致たる一挺。
デザインのモデルは消火栓+消火器で、概要に述べた通りハイドラントとは英語で「消火栓」を意味する語である。
ちなみに見た目通りかなりの重量があるため、ハイドラントでバトルした翌日は筋肉痛で休むイカたちが多いらしい。
それは勝利エモートでハンマー投げよろしくぶん回したり抱きしめたりしてるせいなのでは...?
性能と立ち回り
いわば「スピナー版リッター・ダイナモ」とでも言うべき重量級のロマン砲。
「プライムシューターの精度はそのままプロモデラーの射撃速度でジェットスイーパー以上の射程から殴ってくる」と書けばその威力が分かるだろうか。
大半のブキには射程勝ちしており、それらに「ハイドラントの前でうかつに動くとやられる」という圧をかけ、前線を押し上げるのが本ブキの役割である。現に、上手いプレイヤーならば射程圏内の射程勝ちするあらゆるブキを一瞬で蒸発させる。
スピナー種で唯一、フルチャージでダメージが増加し確定数が変化する特性を持つ。具体的には、半チャージだと32ダメージで確定4発だが、フルチャージだと40ダメージで確定3発となる。
また半チャージ性能が低い(弾数・チャージ時間ともバレルスピナーの下位互換)分、半チャージからフルチャージまでが他のスピナーに比べて速い。
このため、できる限りフルチャージで使いたいが、ハイドラントのフルチャージにはなんと2.5秒、次点のイグザミナーの1.25倍もの時間がかかる。ソイチューバーやクーゲルシュライバー、ノーチラス47のようなリチャージ機能などなく、もちろん敵と対面してから溜めたのでは間に合わない。
つまりボムを投げられてしまうと即懲役2.5秒。トーピードでもミサイルでも2.5秒。これは対策としても有用だ。
またチャージ中のヒト移動速度が極めて遅く、射程負けするチャージャーや奇襲に対する自衛は非常に苦手。特にリッターはフルチャージ状態でも射程負けしており、射撃中は身を晒さないといけないスピナーの性質上格好の的になり得るため、相手にリッターがいる場合はしっかりと動きを見ておこう。また、近接戦闘は事前に他のスピナーで予習しておくべきだろう。
このためハイドラントは前線で戦うには向いておらず、「安全な場所でチャージ→相手に弾幕を浴びせる」という、スピナーではあるがチャージャーに近い性格をしている。重くてデカいロマン砲でありながら、実のところは横からの茶々入れや前線のサポート・牽制など、非常に繊細さが求められる、上級者向けのブキといえる。
バリエーション
これまでに登場しているのは
- オリジナル版の「ハイドラント」
- メーカーロゴがタンクに貼り付けられたマイナーチェンジ版「ハイドラントカスタム」
の2種。
スプラトゥーン
名前 | サブ | スペシャル | ランク |
---|---|---|---|
ハイドラント | スプラッシュボム | スーパーセンサー | 11 |
ハイドラントカスタム | スプリンクラー | バリア | 20 |
無印はインクのばら撒きからスーパーセンサーの発動を、カスタムはスプリンクラーでスペシャルを溜めてからバリアで前線を押し出す形のスタイルになる。
バージョン2.7.0からはこの武器を持っている場合イカ速が10%マイナスされるようになった。
その代わりにフルチャージの時に限り一発の弾の威力が28.0(4確)→35.0(3確)となる強化をもらい(これは現在に至るまでハイドラントの固有仕様)、重量級に相応しいロマンあふれる性能になった。
スプラトゥーン2
名前 | サブ | スペシャル | ランク |
---|---|---|---|
ハイドラント | ロボットボム | スーパーチャクチ | 27 |
ハイドラントカスタム | トラップ | インクアーマー | 29 |
ギアパワー「メイン性能アップ」の効果:あたえるダメージが大きくなる
無印は索敵に最適なロボットボムと自衛手段として使えるスーパーチャクチで、前線を上げる事を得意とする。
カスタムは裏取り警戒のトラップと攻防を制するインクアーマーを持ち、迎撃や防衛力に優れたセット。
スプラトゥーン3
外観がリニューアル。フレームにサスペンションが付き、引き金(?)はハンドルからレバーへと変更、タンクのロゴパターンが変わったほか、銃身とタンクが短縮されこぢんまりとしたシルエットになった。性能は変化していないためご安心を。
『2』の無印からロボットボムはそのままナイスダマを獲得。緊急回避の他、メインが届かない距離の敵への干渉手段として使えることで、スーパーチャクチよりも汎用性が増している。
正に『最初から強いブキとして作られたブキ』である。
ただ、現状はよりチャージが速く射程も長いリッター4Kの存在によりやや厳しい立ち位置。
なお、『リッターに弱い』点ばかり言われているが裏を返せば
『リッター以外の武器』が相手ならまず負けない立ち回りが出来る。
一方リッターとハイドラントのバディとしての相性はかなり良く、「ハイドラに射程勝ちする相手はリッターが狙撃して排除」「リッターが近寄られると困る近距離・中距離はハイドラがなぎ倒す」と役割補完が取れている。ハイドラの不安点である足元塗りもリッターがトラップを置いておくことで、スペシャルなしでは索敵が難しいリッターはハイドラがロボムを投げてあげることで、それぞれある程度対応可能。
そんな時期がしばらく続いたが、アップデートによって強化されたエナジースタンドの流行により、ゲームスピードが高速化。短射程に簡単に詰められてしまうことが増えているため、エナジースタンド所持ブキには要注意。また、長射程キラーであるロングブラスターが上位帯を中心に増えてきたのも頭が痛い所。固定砲台にならず、相手をよく見て位置変えし、ルールにしっかり干渉する立ち回りをしていこう。
カスタムは発売から1年9か月経った「2024夏 Sizzle Season」にてようやく登場。
サブには接近した敵への対抗手段や前線の押し上げ時に使えるトラップ。スペシャルには今作の新スペシャルであるスミナガシートがついた。攻撃的な構成の無印に比べて、自分の立ち回りを補助し、メインの制圧力を生かす構成である。
スミナガシートは雑に投げて強いスペシャルではないが、ナイスダマのような拘束時間がなく、発動後すぐにメインを振り回せるのがポイント。
余談であるが、Xの公式アカウントでの紹介時に「ハイドライド」と誤植されていた。その為、X上で唐突なハイドライドがトレンド入りすることになったという。
おすすめギアパワー
- ヒト移動速度アップ
スピナーの定番。ハイドラントは重量級のため恩恵を受けやすいが、イカんせん元が遅すぎるのである程度積まないと効果を実感しづらい。ギア枠と要相談。
- イカダッシュ速度アップ、スーパージャンプ時間短縮
ポジション変更や緊急回避用に。少量でも積んでおくと目に見えて変わる。
- 相手インク影響軽減
同じく少量積みで目に見えて効果が変わる、いわゆるお守りギア。
- スペシャル増加量アップ
『3』の無印向け。
ナイスダマは非常に多用途であるため、チャージ時間の都合上スペシャル溜めが苦手なハイドラントの弱点を補える。
- サブ性能アップ
『2』・『3』の無印向け。
ボム飛距離を伸ばし、チャージャーへの干渉をしやすくする。ただこれもリッター4Kあたりを安定して見たいなら2.0/20GP以上は必要であり、そこまでギアパワーを割くかは微妙なところ。
- サーマルインク
『3』のカスタム向け。
一定距離離れている場合、メインのインクが当たった相手が16秒間壁越しに見えるようになる。
スペシャルの「スミナガシート」と非常に相性が良く、スミナガ越しに攻撃を仕掛けやすくなる。
サーモンランとNEXT WAVEにおける立ち回り
- 苦手なシャケ: コジャケ、カタパッド、モグラ
- 得意なシャケ: それ以外
とまで表現される、バイト最強ブキの一角。
人によって評価が分かれる(最弱武器とする上位勢もいる)が、味方との連携を取るなどで活躍できる状況が整えば他を寄せ付けない圧倒的な強さを誇る。
フルチャージ時の威力が通常の35から60に強化されており、これにより秒間ダメージはなんと900に達する。(参考までにスプラシューターは360、ボールドマーカーは540)さらにそれを4秒間射出するため1チャージあたりのダメージ量はあまりに膨大。これによりチャージ時間込みだとしても普通のスピナーのチャージ抜きDPSを上回る。
そもそも、バトルより威力が高くなりやすいサーモンランにおいても弾1発60ダメージというのは規格外の数値であり、オート連射のシューター、マニューバーでこれ以上のダメージが出せるのは.96ガロン(85)、H3リールガン、スライド後のケルビン525(70)くらい。(なお他のスピナーは全て35である)それでいて連射速度はこれらで一番早いケルビンの倍以上と聞けばその殲滅力の高さも納得だろう。
これがどのくらいスゴいかを某コピペ流に表現すると、
- 満潮ダム危険度Maxなら大丈夫だろうと思っていたらハイドラント入り編成の白黒ツナギバイトリーダー4人に襲われた
- 海岸から数歩の浜辺でテッキュウが登場から1秒強でただの砲台になっていた
- ドゴンと音がしたので上空を見てみるとダイバーが撃墜されていた
- バイターを食おうとしたモグラがカウンターされ、顔を出したら金イクラにされていた(※1)
- ハイドラント単騎でグリルがスタンさせられた、というかそのまま1射撃で撃破まで持っていく
- 高台からザコシャケの群れがハイドラントに撃たれ、ドスコイも「コジャケも」全員シバかれた
- コウモリが高台に飛ぶまでの3秒の間にハイドラントに落とされた
- タツなら安全だろうと思ったら、ナイスダマを投げる間もなくリスキルされやられた
- ハイドラントをパーフェクトに使いこなせるバイターの1/3が危険度Max経験者。しかも危険度が上がるほど金ウロコが出やすいというクマサン商会の情報から「でんせつ帯のオカシラほど危ない」
- 「そんな危険なわけがない」といって出て行ったハコビヤがイクラコンテナに取り付くこともできず5秒後インクまみれで戻ってきた
- 「何も持たなければ襲われるわけがない」と手ぶらで出て行ったヨコヅナがハイドラント単騎相手にウロコをむしられ下着で戻ってきた(※2)
- 最近流行っている対オカシラ戦法は「イクラキャノンはサブウェポン、スペシャルは即ぶっぱ」。カニタンクでもない限りインク回復してハイドラントで殴ったほうが速いから
- ハイドラントの射撃1回でオオモノシャケがシバかれる確率は150%。1体倒されて振り向きエイムでもう1体倒される確率が50%の意味
- サーモンランにおけるハイドラントによるオオモノシャケ討伐数は1日平均120体、うち約20体がオカシラシャケ。
ざっとこんな感じになる。
※1:あらかじめフルチャージを済ませておき、モグラ襲撃の予告円が出始める少し前に後退しながら撃ち始めると食われる前に射撃で撃破できる。とはいえ襲撃タイミングを計るのが難しいため、あくまで魅せプレイの領域を出ない。
※2:たつじん帯以上のヨコヅナのHPはおよそ40000、ハイドラントのフルチャージは1回あたり3960ダメージ。詳細な計算は省くが、ヨコヅナの大ジャンプ中をインク回復に当てそれ以外は撃ち続けることにすると、理論上単騎でも10秒以上を残してヨコヅナを討伐可能である。
総じて、チャージさえ終われば跡すら残さずにシャケの群れを薙ぎ払う火力の権化である。
誰が呼んだか「クマサン印のスピナー」。実際、ダイナモローラーと並んでクマサン印のブキと言って差し支えないバ火力とインク非効率ぶりである。
…ところがフルチャージの威力ははっきり言ってザコシャケ相手には過剰であり、シャケが増えたサーモンランNWにおいても弾があぶれてしまう事が多い。また、チャージに時間がかかる分機動力は他のスピナーに比べても大きく劣るため、基本は後方支援で半チャージも交えながら戦っていくことになる。
しかし過剰な火力もオカシラ相手にはむしろ最適解どころか理論上は単騎制圧すら余裕で可能。一部を除き他の武器なら苦戦するヨコヅナやタツやジョーもハイドラントの前では『ただのデカくて当てやすい的』に成り下がってしまう。タツに関してはハシラの残骸でもあれば口に爆弾が生成された次の瞬間には爆ぜている。特にカニタンクなどあった日には、そのプレイヤーは完全に対オカシラ用の兵器となる。
その為、オカシラ戦では他のメンバーがハイドラントならザコやオオモノを倒してサポートしてあげよう。コジャケ一匹通さない意気で守ると良い(実際は漏れてもハイドラで瞬殺できるためモグラ等の方が問題)が、タワーの撃破は忘れずに。カタパッドも最低限片翼にしておきたい。オカシラの誘導が1人、残りの2人はひたすらシャケをシバくといい。自分がハイドラントなら他のシャケは味方に任せてひたすらオカシラを攻撃し続ける事。オカシラの近くに手ごろなバクダンがいれば吹き飛ばしてやっても良いが、それ以外は無視して撃ち続けた方がいい。だからといって自分の身の回りの警戒を疎かにしていい訳ではない。射撃の邪魔になりそうな位置にヘビやバクダンがいてかつ、味方がそれらに手古摺っているときは支援すべき。インク回復序でにスペシャルを使う時はオカシラに有効なカニタンクを除き、自分の邪魔をする上ボムの使用を強要してくるカタパッドを優先的に狙っていこう。このブキで70%もインクを使ってしまうのはもったいない。
一方、イクラキャノンも忘れてはならない。フルチャージを2セットほどぶち込んだらインク回復ついでに近くのイクラを浴びせ、インクが回復したら再びフルチャージ...と繰り返すことで力尽くでオカシラをウロコ13枚に変換できる。
唯一の弱点としては、機動力の低さが挙げられる。特に敵の湧きが尋常な量でなくなる伝説後半のレートでは、足元が取られていたり海岸三銃士の妨害を受けたりとチャージができずに機能不全に陥りやすい。そこは火力を捨てて自衛力と機動力に振ったクーゲルシュライバーに劣る。これが一部から最弱武器とされる所以であるが、無論チーム全体で機能不全にならないように立ち回れば他の最強武器を寄せ付けないスペックを誇る。
高レートで味方が持った場合、足元を塗ってあげたり彼彼女を狙うタワーも処理してあげると安定したクリアに繋がるであろう。
逆説的に一度戦線が崩壊するとかなり立ち直しが難しいブキであるので、有利状況を崩さない様にしたい。戦線が崩壊し始める前にスペシャルを使い、崩壊してしまってもカタパッドを排除しながらハシラの上などからフルチャージを浴びせて立て直したい。
ちなみに欲を言えば、貫通性能がないことが残念である。まああったら間違いなくぶっ壊れなので仕方がない。素直にボムやスペシャル、イクラキャノンで対処しよう。というかスペシャルでもないのに貫通性能を搭載しているブキの存在自体がおかしいのだが。
pixivおよび公式イラストでは
pixiv上では「重くてデカいブキ」の代表であり、このブキを使うイカは他のイカより体格が大きいことが多い。同様に重量級であるダイナモローラーと異なりギャップ狙いで幼女が持っている姿はあまり見かけない。
…と思ったら、『2』での2018年のサンリオコラボフェスにてハイドラントを担いだマイメロディの公式イラストが発表された。おまけにイカスカルマスクを着用しているので、普段の愛らしさと真逆の恐ろしさを見せてきた。ギャップ萌えを通り越した何かである。
なお「元々電波系キャラなので特に問題無い」という意見もあるとか。
一方で相手のポムポムプリンもダイナモローラーテスラという重機を担いでおりこちらはリアルのギャップ萌えである。
また、イイダはマイメロディを「可愛さハイドラント級」と表現している。
さらに、前述の通りリッター4Kとの相性がかなり良いため、上級者のイカップルやコンビがセットで持っていることもある。『3』では銀ベースに青と赤でカラーリングが映えるのもその要因。
ついでにダイナモローラーなどもあると上級者でゴツいトリオが作れるだろう(実際の編成で強いかは本人たち次第だとして)。
関連イラスト
『スプラトゥーン』『スプラトゥーン2』のハイドラント
『スプラトゥーン3』のハイドラント
関連タグ
ガエンFF:「2024年春Fresh season」で実装された消防ブキの後輩。同メーカーの後輩でもある。
ブキ種 | ブキ |
---|---|
シューター | わかばシューター/スプラシューター/.52ガロン/.96ガロン/N-ZAP85/シャープマーカー/ボールドマーカー/プロモデラーMG/L3リールガン/H3リールガン/ジェットスイーパー/デュアルスイーパー(初代)/プライムシューター/ボトルガイザー/スペースシューター |
ブラスター | ホットブラスター/ロングブラスター/ラピッドブラスター/Rブラスターエリート/ノヴァブラスター/クラッシュブラスター/S-BLAST92 |
ローラー | スプラローラー/ダイナモローラー/カーボンローラー/ヴァリアブルローラー/ワイドローラー |
フデ | パブロ/ホクサイ/フィンセント |
チャージャー | スプラチャージャー/スクイックリンα/リッター3K(初代)→リッター4K(『2』~)/14式竹筒銃・甲/ソイチューバー/R-PEN/5H |
スピナー | バレルスピナー/スプラスピナー/ハイドラント/クーゲルシュライバー/ノーチラス47/イグザミナー |
スロッシャー | バケットスロッシャー/ヒッセン/スクリュースロッシャー/エクスプロッシャー/オーバーフロッシャー/モップリン |
マニューバー | スプラマニューバー/スパッタリー/デュアルスイーパー(『2』~)/ケルビン525/クアッドホッパーブラック/ガエンFF |
シェルター | パラシェルター/キャンピングシェルター/スパイガジェット/24式張替傘・甲 |
ストリンガー | トライストリンガー/LACT-450/フルイドV |
ワイパー | ドライブワイパー/ジムワイパー/デンタルワイパーミント |