稲生物怪録
江戸時代に広島で描かれた絵巻物『稲生物怪録』に登場する魔王。
魔王の苗字は「山本」ではなく間に「ン」を入れた「山ン本」と書いて、「さんもと」と読み、別書では「三本」とも書かれている。
物語の主人公・稲生武太夫に子分の妖怪達をけしかけたが、動じなかった稲生の勇気を山ン本は称え、裃を来た武士の姿で現れた。
実は神野悪五郎(しんのあくごろう)と魔王の座を賭けて、勇気ある少年100人を驚かせるという賭けをしており、その86人目が稲生だったという。
最後に山ン本は、神野が現れた時はこれを使えば私が助けに来るといって木槌を与え、妖怪達を引き連れて去っていった。
絵巻には去る時に山ン本が乗る籠から、はみ出た巨大な毛むくじゃらの脚が描かれている。
現在も広島の寺にその木槌が伝わっている。
ぬらりひょんの孫
百物語組組長。四国八十八鬼夜行組長である玉章に、妖怪を殺すことで力を無限に増長するという刀の魔王の小槌を与えた人物であり、奴良組幹部の三ツ目八面に化けて奴良組に潜伏もしていた。自身の肉体を妖と化すことができる。
妖怪大戦争
2005年の特撮映画『妖怪大戦争』にも荒又宏が演ずる山ン本が登場している。