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スオミ語の編集履歴

2019-07-05 18:06:31 バージョン

スオミ語

すおみご

スオミ語(Suomen kieli / Suomi)とは、フィンランド共和国の公用語の現地名である。

概要

ウラル語族フィン・ウゴル語派フィン・ペルム諸語フィン・ラップ諸語に属すバルト・フィン諸語の一種。主にスオミ人が使用する。

膠着語の一つとしても有名で、15格を有する。また同じバルト・フィン諸語にはエストニア語サーミ語カレリア語などが挙げられる。

約600万人の人々が同言語を話し、その内の93%がフィンランド国内の人々である。フィンランド共和国のうちオーランド諸島と一部の地域ではスウェーデン語を用いている。(※スオミ語スウェーデン語を併用する事もある。)フィンランド国外の使用者は、冬戦争継続戦争で失ったロシア連邦カレリア共和国に多く話者はおよそ7万人とされる。表記はラテン文字である。

スオミ語は言わずもがなウラル語族であるため、スウェーデン語ロシア語ドイツ語英語などのインド・ヨーロッパ語族とは大きく異なる。


文字

アーッコセット文字は A~Z までの26文字に Ä、Ö を加えた全28文字だが、B・C・F・Q・W・X・Z はほとんど使用されない。シャ行を表す Š が使用されることもある。尚、特殊文字が表記できないワープロソフトの場合、ドイツ語スウェーデン語では、ä を ae と表記する事もあるが、スオミ語においては ää のように連続して同じ母音が使用されることがあるので、このような措置は採られず、aaと表記して、単語や母音調和で読む時に判断するそうだ。


文法

名詞の曲用

スオミ語の名詞や形容詞は格変化曲用)する。格変化とは、例えば日本語で「家」という語に「家で」、「家から」、「家へ」などと助詞を付けるのと同じように、格語尾と呼ばれるものを単語の後ろに付けることだと考えられる。

母音調和とは、あるグループの母音と別のグループの母音は同じ語の中に現れることが出来ないという法則である。例えば Ä と A は別のグループに属するので、スオミ語には tämä(これ)という単語はあるが、tamä という単語は存在しない。また子音階程交替とは、名詞や動詞が変化する時に単語の中の k・t・p という3つの文字の関連する音が変化をする現象である。

動詞の活用

スオミ語では動詞の後に主語を表す人称語尾が付く。動詞の形としては現在形、現在完了形、過去形、過去完了形、条件法現在形、条件法完了形、可能法現在形、可能法完了形に1~3人称までの単数・複数で6個ずつ形が存在する。その他受動態現在、受動態過去、受動態現在完了、受動態過去完了、受動態の条件法現在、受動態の条件法完了、受動態の可能法現在、受動態の可能法完了、命令形、第一不定詞長形、第二不定詞、第三不定詞、第四不定詞、現在分詞、過去分詞、行為者分詞、動名詞があり、英語のbe動詞に当たるolen, olet, on,などとの組み合わせも一つの形として数えた場合、全て併せると1つの動詞に100以上の変化形があることになる。


発音

スオミ語においては、日本語にはない母音があるので注意が必要である。

母音

"u" は、日本語の「う」よりももっと唇を円くして、尖らせて発音する。

"y" は、"i" の舌の位置のまま、唇の形を "u" にして発音する。

"ö" は、"e" の舌の位置のまま、唇の形を "o" にして発音する。

日本語の「あ」は "ä" と "a" の区別をしていないものなので注意が必要である。"ä" は、唇を若干横長にした「あ」である。それに対し、"a" は、アメリカ英語の "hot" の "o" に近く、唇を縦長に大きく開け、さらに舌面を下方に押し下げて「あ」と発音する。

スオミ語の母音は上の8つの短母音と、それを全て長母音化した8つの長母音、そして異なる短母音を2つ以上組み合わせた重母音が全てである。長母音は、短母音字を2つ続け書きして表す:ii, ee, uu, yy, oo, öö, ää, aa。スオミ語では、母音の長短が意味の区別に大きく影響する。

子音

スオミ語の子音文字の発音は、おおむねそれと同じ字形の国際音声字母の示す音を表す。

"-nk-" は [ŋk] 、"-ng-" は [ŋŋ] と発音される。

"ts" は必ず語中に現れ、[tʦ] と発音される([ʦ] とはならないことに注意)。

"š" は外来語にのみ使用され、[ʃ] の音を表す。しかし外来音であるために [s] で発音されることが多く、また表記にも反映され、"sh" または "s" で書き換えられることも多い。

"j" はドイツ語スウェーデン語などと同じく、日本語の「や行」の子音 [j] をあらわす。英語の「ヂュ」やフランス語の「ジュ」の子音のような発音は基本的にはしない。

"r" は巻き舌での発音。

スオミ語の子音について特徴的なこととして、-tt-, -ll-, -mm- など、同じ子音を重ねた重子音が多く使われることが挙げられる。

これらのことから、スオミ語の習得は決して楽ではない。特に一部の発音において、非日本語話者にとっては尚更難しいようだ。


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