概要
デビルメイクライシリーズ第三作目。
ダンテと魔界の悪魔の対立というよりは親子の関係、兄弟の対立が深く描かれた作品。
前作の不評を基に大きく改善した結果か、ゲームシステム、スタイリッシュさ、内容ともに傑作と言われ、度々他シリーズの作品の評価をするときに引き合いに出されることが多い。
今作で、相手も自分も、攻撃を一撃でも受けると死んでしまう、「ヘヴンオアヘル」という難易度が登場。
後に様々な追加要素を持ったスペシャルエディションが発売する。
ストーリー
ダンテが魔帝を倒すための足掛かりとして便利屋を始めたばかりの頃、アーカムという謎の男性が彼にメッセージを渡しにやってくる。それを軽く払い、仕事を待っていると突然悪魔がダンテを強襲する。それらを難なく始末すると、街中から巨大な塔「テメンニグル」が出現。悪魔の巣窟であるその塔にダンテも足を踏み入れるが、そこで彼が出逢ったのは生き別れた双子の兄、バージルであった。
一方、デビルハンターのある女性が同じように悪魔の巣窟で悪魔を全滅させるために激戦を繰り広げる。
ダンテとバージル、レディ、そしてかつて世界を救った魔剣士スパーダ。複雑な思惑と因縁が交差する中、ダンテは自らに眠る悪魔の力に目覚め、兄を止めるために奔走する。
アクション
『2』の反省を活かし、ほとんどのアクションは何らかの行動でキャンセルできるようになり、ヒットストップは大幅に短縮され、モーションもキビキビとした動きになった。
『2』のリアルタイム銃器チェンジは改良されたうえで継承され、任意のタイミングで武器・銃器を切り替えられるようになった。『1』と違い、いちいちメニュー画面を開いたり変更モーションを挟んだりする必要がないため、スムーズな流れで戦闘を進めることができる。
エネミーステップ
敵の頭上でジャンプボタンを押すと、もう一度ジャンプできるシステム。
一見、何の意味があるのか分からないシステムだが、あらゆる動作を中断して出すことができるため、本来着地するまで止まらない兜割りやキラービー(空中蹴り)を、強引にキャンセルすることができる。またエアハイク(二段ジャンプ)の使用回数や落下速度もリセットされるため、長時間空中に留まることも可能になる。これを応用すると、有りえない速度で空中攻撃を連打したり、一度も着地せずにボスを倒したりできる。
Youtubeなどの動画共有サイトでは、このエネミーステップを利用したプレイ動画が多数投稿されている。中には人間離れした曲芸を披露している動画もあり、多くのユーザーに衝撃を与えている。
DMCシリーズの本質を、殺るか殺られるかの駆け引きを楽しむゲームから、華麗なコンボで敵をボコボコにする格ゲー顔負けのコンボゲーへと一変させた要素であり、DMCのやり込みと言えばエネステコンボだと主張するプレイヤーも多い。
魔人化
悪魔の力を解放し、一時的にパワーアップする。DMCを象徴するシステム。
ゲーム開始時点ではバージルは既に会得していたが、ダンテはバージルにリベリオンで貫かれるまでこの力に目覚めていなかった。ムービーの演出だけではリベリオンによる負傷が原因なのか、単に追い詰められてパワーアップしたのかがはっきりしなかったが、『5』でリベリオンで貫かれたことが覚醒の理由であるかのような説明がされた。
本作の魔人化は防御寄りの性能で、体力回復、モーション高速化、被ダメージ減少、スーパーアーマー(被弾しても仰け反らない)などの恩恵を受けられる反面、攻撃力はあまり上昇しない。『1』の感覚で使うと拍子抜けするだろう。
女神転生シリーズで有名な金子一馬がデザインを担当しており、『1』や『2』から一風変わった、独特のフォルムは賛否両論である。ダンテの魔人デザインは『4』以降は『2』寄りのスタイルに差し戻されたが、バージルは『4』以降も金子一馬デザインのものが採用されている。
スタイルアクション
選択したスタイルに応じて、多彩なアクションを繰り出すシステム。
シンプルで強い単純なものから、複雑な操作を要求されるものまで一通り揃っている。
同じ武器でもスタイルによって全く違った動きを見せるため、アクションの幅を広げる要素として絶賛された。開発にも成功と見なされたのか、『4』と『5』にも改良を加えた上で継承されている。
登場キャラクター
主人公。初っ端から、上半身裸。相変わらず、お気楽な性格で、口数も多ければどんな相手にも容赦なく軽口を叩く刹那に生きる男。形見である「リベリオン」と特注の拳銃「エボニー&アイボリー」を駆使して悪魔達を容赦なくぶっ潰していく。
自分の悪魔としての力を持て余していたが、上位悪魔との死闘の中で覚醒する力、バージルとレディといった人物との出逢いを経て成長していく。
『2』におけるダンテの性格の変貌ぶりに対する突っ込みが多かった影響か、『1』寄りの性格になっている。
ダンテの双子の兄。父親の形見「閻魔刀」を駆使していかなるものも斬り伏せていく。
力こそが全てという考えを持ち、父スパーダの力を得て最強となるために戦う。その結果ダンテと対立することになる。
『1』では「20年前に悪魔に殺された」とされていたが、本編でも、本作の一年前を描く漫画版でもがっつりダンテと絡んでいることから、(おそらく)この設定はなかったことにされている。
『1』小説版におけるギルバ関係の設定もうやむやになっていたが、『5』発売による設定の再整理により、バージルとギルバは別人であることになった。
過去に母親を悪魔に殺されたことからデビルハンターとなった女性。サブマシンガンやフックショット、そして母親の名を冠したバズーカ「カリーナ=アン」を装備して悪魔達を撃ち倒していく。
当初は悪魔を皆殺しにすることしか考えない復讐魔だったが、半人半魔のダンテとの出逢いや、塔の中で起きる事件を経験していくことで、心身共に成長していった。4にも登場しており、性格が非常に大人になっている。
バージルにつき従う、謎の人物。
道化師のような姿をした悪魔。ダンテをからかいつつも助言を与え導くがその思惑は不明。
スペシャルエディションでは戦うことが可能、戦闘中も馬鹿にしてくるし戦闘後も馬鹿にしてくる。
うざいながらも愛嬌があるキャラクターである。
悪魔
塔の門番として君臨する悪魔。
氷を操ってダンテの行く手を阻むが、その悪魔としての力に敬意を払い、自らの力を彼に提供する。
塔の内部にいる双子の悪魔。
火を操るアグニ、風を操るルドラとなっている。
本体はノコギリ状の刀身を持つ肉厚な双刀。ダンテ並に、口数が多い。
塔内部で優雅に佇む悪魔。
多くの男性を魅了し、その精を吸ってきた淫魔。
ダンテも魅了してその命を手にしようとする。
戦闘では電撃と蝙蝠を駆使して、ダンテを翻弄する。
スパーダに片目を潰され、封印された事を根に持っている悪魔。
スパーダの匂いを放つダンテの前に現れ、問答無用の容赦ない攻撃を仕掛けてくる。
かつては英雄を乗せて戦場を駆けた名馬だったが瘴気にあてられて悪魔と化した。
時間を操作する力を使ってダンテを襲撃するも敗北し、その力をダンテに与える。
塔頂上部に差し掛かるところでダンテに襲い掛かる影の悪魔。
魔人化ダンテの姿をした真っ黒な悪魔で、ある方法を用いないとダメージを与えられない。
武器
ダンテ
初期装備。スパーダの形見の長剣。
素直で癖がない挙動が特徴で、初心者でも扱いやすい。
一方で威力が平均以下であるため、体力の多い敵に対してはやや力不足。
魔人化の性能は標準…というより中途半端。あまりパワーアップした感じがしない。
ケルベロス
ケルベロスが魔具化したもの。氷の力を司る三節棍。
手数に優れており、敵を吹き飛ばす技が少ないためコンボの継続力も強い。
ただし威力は低め。高難易度の敵相手にこの武器で渡り合うにはかなりの技量が必要。
魔人化の性能はスピード特化。
後に『5』小説版で再登場する。
アグニ&ルドラ
ノコギリ状の刃を持つ双刃。魔具ではなく悪魔そのもの。
高威力の技を多数備えており、体力の高い敵が相手でも互角に渡り合える。
同時に性能が微妙な技もいくつかあり、また動きの癖も強いため、
いわゆるガチャプレイでは性能を活かしきれない。中・上級者向けの武器。
魔人化の性能はパワー寄りの標準。
後にアニメのドラマCDで再登場する。
ネヴァン
ネヴァンが魔具化したもの。雷の力を司るギター。
チューンアップと呼ばれる構え動作から、多彩な技を繰り出す。
癖のある挙動や、コンボを継続しにくい点、微妙な威力からすぐに二軍落ちしがち。
しかし一部の厄介なエネミーに強く出られる点や、滞空性能の高さから、
高評価狙いや、最高難易度の攻略では重宝される。
魔人化の性能は回復特化。
ベオウルフ
ベオウルフが魔具化したもの。光の力を司る具足。
いわゆる格闘武器で、『1』のイフリートを彷彿とさせるモーションが特徴。
威力に優れており、敵の体力が大幅に増える高難易度では必須級の扱いを受ける。
魔人化の性能はパワー・防御特化。
バージル
閻魔刀
スパーダの形見である日本刀。他の武器に比べて魔人化ゲージが溜まりやすい。
フォースエッジ
魔剣スパーダの覚醒前の姿。ダンテのリベリオンと同じ挙動で扱いやすい。
ベオウルフ
ベオウルフが魔具化したもの。ダンテと違いバージルは足技が中心になっている。
ただ『4SE』ではビーストアッパー、百列脚などのダンテの技を披露していたため、
特に拘りはない模様。
余談
3の設定資料集にNGシーン集があり、本編をプレイした人・してない人でも爆笑ものである。
関連タグ
金子一馬 魔人化のデザインを担当している
時系列
※DMC5発売以前
※DMC5発売後