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リョウ・ルーツの編集履歴

2011-08-11 22:24:16 バージョン

リョウ・ルーツ

りょうるーつ

『ガンダムセンチネル』の実質的な主人公。

リョウ・ルーツ (RYUU ROOTS)は、『ガンダムセンチネル』に登場する架空の人物。三白眼に近い鋭い目つきとボサボサに逆立てた黒髪が特徴。階級は少尉。22歳。通称は「R&R」。

同作品は映像化されてはいないが、ゲーム等ではCVを藤原啓治氏が当てている。


性格は自信過剰で功名心や自尊心が強く、社会性や協調性には欠ける不良青年(今風に言うところのDQN)。彼の入電を受けた通信士が艦長に「上品に翻訳して」報告しなければならないほど口が悪い。

『ガンダム』シリーズのメインパイロットではあるが、人格的にも技量的にも未熟で、初出撃で失禁したり、最終決戦でもシステムに翻弄されてうろたえるばかりとヒロイックな面は殆ど無い。

劇中での活躍

職業訓練校のつもりで軍に入隊したが、シミュレーションばかりの訓練に辟易し、ルールに反抗して何度もトラブルを起こしていた(訓練生時代の一年で上官反抗6件、傷害事件2件、命令違反9件、規律違反14件)。その後、実験MS隊に配属される(※注1)が、ここでも早々に喧嘩をして(相手は後に戦友となるシン・クリプト)3日間の重営倉入りに処される。上官の評価も「腐った性根がとことん憎い」「ヤクザの予備軍」「兵とも呼べぬ与太者」と散々で、軍のどこでも厄介者扱いされていた。その根底には、1年戦争で父を亡くし、母は仕事(※注2)に執心して家を顧みなかったという家庭環境があったようである。

2年後、小惑星ペズンでニューディサイズの反乱が起きると、ルーツは討伐隊であるα任務部隊・第110MS戦隊に配属され実戦に臨むことになる(この時には既にクリプトとは親友になっていた)。その際、MS戦隊指令としてストール・マニングス大尉、同僚としてカラバ出身のテックス・ウェスト少尉らと出会う。

ルーツ初の実戦は、ニューディサイズが立て篭もる小惑星ペズンの発電衛星・SOL7804の破壊任務であった。Sガンダム(ブースターユニット装備型)に搭乗したルーツは出撃前は自信満々だったが、ブースターの加速Gに圧倒され、敵の弾幕に突っ込む恐怖に小便を漏らしてしまい、マニングスにもそれを看破されるなど散々であった(発電衛星の破壊自体には成功している)。

その後、訓練でのミスで罵倒され、同僚からも失笑されたルーツは激怒してマニングスに喧嘩を売り1対1の模擬戦になるが、カタログスペックで圧倒的に上回るSガンダムに乗りながらマニングスの搭乗するネロ・トレーナーに全く歯が立たない体たらくであった。だが、その後も実戦を重ねる度に勝手な言動をしてはマニングスや、主力機ネロ隊のパイロットであるチュン・ユンらと衝突を繰り返し、ルーツらガンダム隊は部隊の中から浮き上がってしまう。

しかし、α任務部隊がニューディサイズの罠によってピンチに陥った時、動けなくなったチュン・ユン率いるネロ隊を助けたり、戦友クリプトのFAZZ隊が全滅した際にはマニングスの冷徹な態度に怒るも彼の尤もな反論に感情を抑えるなど、僅かながら成長を見せる。それと同時に、彼の不条理さに反応してSガンダムに眠っていたALICEが徐々に自分の意思を持ち始める。

そして、月面・エアーズ市において、ルーツは敵将ブレイブ・コッドの駆るガンダムMk-Ⅴと対峙する。コッドの圧倒的な技量で幾度も追い詰められるが、ピンチになる度に瞬間的にALICEが彼を救う。それでも最終的に撃破される寸前の状況になり、ルーツがパニックに陥った際、ALICEは覚醒し、彼に代わってEx-Sガンダムをコントロール。襲い掛かるMk-Ⅴをビームサーベルで撃破した(この時、ルーツは泣きながら死にたくないと叫んでいるだけだった)。

その後、ルーツはALICEの覚醒に気付いたマニングスとの模擬戦に臨み、やはり技量で圧倒されるも、ALICEの発動で勝利。この頃から、ルーツはマニングスを越えるべき壁として認識し始める。また、Sガンダムの分離戦闘機であるGアタッカー・Gボマーに搭乗するクリプトやウェストに対してリーダーシップを発揮し、ネオジオンのガザC編隊を威嚇して追い払うなど、徐々に人格的な成長も見せるようになる(※注3)。

ニューディサイズ残党との地球軌道上での最終決戦において、マニングスが母艦を守って戦死した際、ルーツは壁を殴りつけて彼を越えられなくなったことを嘆く。その後の戦闘で、分離していたSガンダムを合体させる際には、反目していたチュン・ユンが身を挺してSガンダムを守り、搭乗したルーツとクリプト、ウェストの3人の意思統一を果たす。が、その戦闘中にALICEが覚醒、3人は混乱したままALICEの戦闘を見守るだけになってしまう(最終的にALICEは3人のパイロットを救うべくコクピットであるGコアを分離、残ったパーツのみでニューディサイズ残党の乗ったシャトルを撃破して大気圏に散っていった)。

こうしてALICEに救われたルーツは、クリプトとウェストと共に大気圏を抜け、航行していたガルダ級輸送艦に見事に着艦、任務を完了する。その際、胸の中でマニングスの名を呼ぶなど、兵士として、また人間として彼は成長を遂げていた。


(注1)これは、ALICEが搭載されたSガンダムのパイロットをメンタルテストによって秘密裏に選抜するという目的があった。ALICEを教育していわば「男の我が儘が理解できる”いい女”にする」ために、パイロットには「常識では判断できない危険な男」が求められた。時には父親として、時には初恋の人としてALICEを導くそのパイロットは『不思議の国のアリス』から「チェシャ猫」のコードネームで呼ばれ、最終的に選ばれたのがルーツであった。


(注2)連邦軍での学習コンピュータシステムの研究。これこそがSガンダムに搭載されたALICEシステムであり、皮肉にもルーツの命を救うものとなった。尚、この研究に偏執していた母親は、原因不明の爆発事故によって死亡している(ALICEシステムの完成を妨害しようとする連邦軍内の過激分子による謀殺と思われる)。


(注3)彼の性格に関して、ウェストは「自由な心を持った、当たり前の人間」と評し、上下関係などの枠組みを嫌う彼に理解を示している。一方で、ウェストより付き合いの長いクリプトはルーツを「難しいことは考えてない」「孤児の独りよがり」と断じているが、これもまた彼の正しい捉え方である。一見矛盾しているようだが、これが彼の不条理さであり「チェシャ猫」に選ばれた理由でもあるのだろう。ちなみに、作者自身もルーツのことを「書いててイヤになる位よく分かんない人間」と述べている。

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