概要
丈阿選。
本姓は「朴」、名を「高」という。
戴国禁軍右将軍として泰王驍宗に仕えていた、現在の戴の偽王(『黄昏の岸 暁の天』時点)。
驍宗と共に先王驕王の寵臣であり、禁軍右将軍として驕王に仕え、同じく禁軍左将軍であった驍宗とは公私共に親しく双璧と言われていた。
驕王が斃れ仮朝となった後も驍宗と共に国をよく支え、驍宗が王となった後は王に厚遇され禁軍右将軍職を続けていた。
驍宗が登極して半年の後、突如謀反を起こし玉座を簒奪。以後六年に渡り戴国九州を蹂躙しているといわれている。
他者からの評価
泰麒“時に驍宗は怖い。息を飲むような覇気を表すのだが、阿選にはそれが無かった。それで泰麒は、阿選に対しては物怖じしないで済むのだった。”
李斎“怜悧な傭兵――という言葉があるとすれば、そういう将だという気がしていた。”
関連するできごと
漣への使者
驍宗の名代として漣に旅する泰麒の従者の一人となった。
泰麒が戴を出ている間、戴では“冬狩”と呼ばれる悪吏の粛清が行われており、漣に同行していた阿選はその具体的な詳細を知らされていなかった。
文州内乱
文州で内乱が起こり、初めに禁軍中軍を率い中将軍の英章が、後に瑞州師左を率い左将軍の霜元が文州に出立。誼ある轍囲に乱が及びそうになったために驍宗も霜元と共に白圭宮を出た。
その際驍宗は阿選の禁軍右軍から半分の兵を借りた。
驍宗に対する大逆の噂が出た白圭宮で李斎らは良く無い報せを泰麒に伏せることにしたが、阿選は驍宗の窮地を泰麒に知らせ、「使令を驍宗のそばに向かわせるなどという短慮を決して起こさないように」言っていた。
だが泰麒は驍宗が窮地に陥っているという報せを人を介して阿選から聞き、使令を驍宗の元へ向かわせた。その後、阿選は使令を無くした泰麒を斬り、泰麒は鳴蝕を起こし蓬萊へと消えた。
鳴蝕後
仁重殿に駆け付けた李斎と臥信、傾いた建物から這い出してきた潭翠と背負われた正頼の元に数人の手勢を連れて駆け付けた。
驍宗失踪の報の後
鳴蝕後に霜元より「驍宗の姿が消えた」と青鳥があり議場が混乱する中、二声宮を訪れ落ちていた白雉の足を議場に持参した。
白雉の足は阿選が保管することとなり、阿選は自然に内殿に留まり驍宗の跡を引き継ぐこととなった。
二声氏の証言
承州で乱が起こり出立した李斎の元に二声氏が駆け込んできて、阿選の謀反が明るみとなった。
鳴蝕の後二声宮を訪れた阿選は白雉を斬ろうとし、斬れないことを知ると雉の足を斬り、白雉は壺に籠め土に埋めたという。
謀反判明後
わずかでも自身を責める者、驍宗を褒める者を許さず粛清しており、「まるで戴を恨んでいるかのようだ」と李斎は感じている。
まるで疫病のように阿選に対し反意を無くし支持する者が出てき、「病む」という言葉が囁かれている。