泰麒
たいき
10歳の時、身に覚えがない事で祖母に叱られ家から閉め出されて雪の降る庭でたたずんでいたところを、廉麟の助力を得た自身の女怪・汕子によって蓬山に連れ戻される。
10年もの月日を人として蓬莱で過ごしたため、麒麟の獣としての本能や十二国側の常識などを知らず、それが原因で苦悩することになった。
碧嘉元君・玉葉の依頼により、人に優しく接することができない景麒が彼の教育係に呼ばれたが、当初は杓子定規に常識論を説く景麒ともうまくいかなかった。
しかし、玉葉の狙いは景王・舒覚とうまくいってない景麒に人との接し方を教えることでもあり、景麒も泰麒と接するうち少しずつ人との接し方を覚えていった。
いつまでも国を開けておくことができない景麒はやむなく慶国に帰り、国政に疲れつつあった景王・舒覚の心の支えとなっていった(その直後、景王は失道することになるが・・)。
一方、泰麒は身を守るために妖魔と使役契約を結ぶことが新たな課題となった。
こればかりは他の麒麟をたよることはできず、強大な妖魔の巣穴に入ってしまった驍宗を救うために、命がけで折伏を行いその妖魔と契約を結ばねばならなかった。
その結果、泰麒は妖魔のなかでも最強とうたわれる「饕餮(とうてつ)」と契約を結んで"使令"とし、彼の名が「傲濫」であることも知った。
その後、戴国の人々を蓬山に招き戴王の選定が行われたが、悩み多き泰麒は驍宗を次の王に選び、戴国へ下って行った。
ネタバレ注意
1.「黄昏の岸_暁の天」
阿選の起こした謀反により泰王・驍宗、泰麒・蒿里は行方不明、王位についた阿選の圧政により国は乱れ、妖魔が出没し民を苦しめても関心を示さないありさまとなった。
当然、反阿選の組織はいくつもできたが、さながら「砂上の楼閣」であるかのように次々に瓦解、反阿戦の組織を主導した女将軍・李斎は国から逃亡、右腕を失いつつも慶国に助けを求めた。
事情を察した景王・陽子は協力を約束、他国と図って泰麒捜索に着手した。
その結果、謀反直後に阿戦と会った泰麒は角を斬られ、そのショックで「麒麟」としての力と「記憶」を封じられ、無意識に鳴蝕を起こし蓬莱(日本)へと逃げていたことが判明した。
2.「魔性の子」
蒿里(高里要)が実家から失踪して1年、彼は真裸で帰ってきた。
失踪していた期間の記憶はまったくなく、6年の月日がたっていく。
その間、要は家族だけでなく学校でも孤立し、彼に悪意をもつ人物は謎の死を遂げていた。
その不気味さにますます要は孤立、そうこうするうちに延王・尚隆が要を迎えに来たことにより、要の正体が「戴国」の「麒麟」であることが判明した。
3.「黄昏の岸_暁の天」終盤
慶国に身を寄せた要(泰麒)の姿に景麒、延麒をはじめとする麒麟は驚愕、蓬莱に逃れていた間、泰麒は「人」と同じ能力しかもたず、禁忌ともいえる「肉」を食し、使令の傲濫が「要を害するものを殺害」したことにより「穢れ」による病を発症していた。
女神・西王母は「穢れ」の病を祓ったが、角を直すことはできなかったうえ、「他国を侵すべからず。もし侵すものあらば、いかような事情があっても"覿面の罪"により罰せられる」という絶対的な不文律もあることから、景王・陽子は「人」の力しか持たなない泰麒と隻腕の女将軍・李斎が「戴国」に帰っていくのを見送るしかできなかった。
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激しく後悔する李斎とご機嫌な驍宗様(と、危険思考な泰麒)の話
あと一話かな……と、思っております。ここまでお付き合い有難うございました。 今回は李斎の災難回かもしれません。驍宗様はご機嫌。泰麒は危険。 楽しんでお読みいただけますよう叩頭しております。 次回年齢指定が入るんですけども、十二国記の二次にはまって非常に日が浅いので(本編はホワイトハートからのリアルタイム民でした)、割と本気でこのジャンルでどこまでの表現が許されるのかわからず、変な汗が止まりません。 最初は今回のラストシーンをコメディでやりたくて書き始めただけの話でした。それ以上でも以下でもなかったはずなのに、随分遠いところまでやってきました。 白圭宮ですが、こちらは中国紫禁城をモデルに距離感を考えています。紫禁城は政治をする外朝と王の私的空間の内廷に分かれていて、城の端から端まで一辺が2キロくらいの広さで、9000以上の部屋……と言う感じだった気がするので、だいたい合ってるかなーと… したがって李斎の官邸から正寝までは直線で歩いて1㎞以上はある感じでしょうか。 王の結婚の流れも中国王朝のそれをモデルにしております。 ついでに正頼は若い方をイメージしています。6,332文字pixiv小説作品 - 妖精の願い事
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民に混じって祈りの場に身を置いて泰麒が考えたこと。
驍泰。旧歴七月、中元という行事があることを元に、常世にもお盆のような風習がある設定で書きました。休日に泰麒が置いてきぼりを食らう話です。糖度はありません糖度はありません。 中元とは 「陰暦7月15日。善悪を判別し人間の罪を許す神(地宮)を祭る贖罪(しょくざい)の日とされた」 https://kotobank.jp/word/中元-97155 より抜粋 「漢の時代に、晩夏から初秋にかけて田畑の神々を祀り、大地に感謝したのが始まりとされています[1]。 儀式書『月令』には、「女(7月)の時、農民が収穫の最中で、天子が新しい収穫物を味わい、最初に眠りの神殿に捧げる」と記されています。 収穫期になると、天子は祖先への敬意を表すために、新しい穀物を祖先の神殿に象徴的に捧げました。 中国では祖先崇拝が重要な役割を果たしているため、国家的な儀式から姿を消した後も、「新穀を勧める」という習慣は何千年も続いています。」 https://zh.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%85%83%E7%AF%80 より機械翻訳 王の祭祀では天に初穀を、民の行事では地へ慰霊と贖罪と、別れている行事でもいいのかなと。 常世は祖霊に重きを置かないと思われるので、先祖の霊を祀るのはしないだろうと思い、色々捏造していますので、ご承知おきください。 泰麒は麒麟だけど、慈悲の生き物でもあり無慈悲の生き物でもあると思っていて、驍宗様に関わった色々については、果たして許せるか許せないか五分五分かと思います。でも強火だと思うので、絶対許さないもありですよね。驍宗様はそんな泰麒を憐れだと思ってほしいです。 高里の実家では、お盆は新暦か旧暦か問題。 関東では新暦のお盆が多いですが、関西から嫁いだ高里祖母は旧暦でやったりしたのかどうか、その後の高里母は新暦でやりそうだけど、などと考えて、結論が出ず。 どうでしょうこの辺。6,090文字pixiv小説作品 【10/10エアブー】黎明の風光(驍李本文サンプル)
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