概要
小野不由美の小説『十二国記』シリーズの登場人物。描写されている原作作品は『白銀の墟_玄の月』。戴国の人物。
以下、「白銀の墟_玄の月」のネタバレを含みます。
とある人物から派遣され、泰麒に付いた大僕(護衛)。見た目は年端も行かない小娘で、武人ではあるが、年貌は泰麒の多少上くらいとそれほど変わらない。公式の官位はもたず、泰麒の側付きになるまで昇仙していなかったことから、実年齢も同程度と思われる。官服ではなく私服を身に纏い、腰の左右に双刀を付けている。
当初、項梁は“(護衛として)大丈夫なのか、これで。”と不安に思ったが、立ち振る舞いを見ている間に、この小娘は只者ではないと納得した通り、獣のような身軽な身のこなしで、たいそう腕が立ち、口達者ではないが物怖じしない性格で、巌趙や項梁とも対等に口を利く。
その出自に関する理由から、独特の感性や好奇心を持ち、項梁らと違い王や麒麟、国といったものへの無条件の尊崇は持ち合わせていないが、なにかと麒麟の規格外に振舞う泰麒のことは、“面白い”“興味深い人物”と評し、仕えるうちに一目置くようになっていく。
表向きは嘉磬の勧めで大僕に抜擢されたということになっているが、耶利が主人と仰ぐ人物は他におり、そのとある人物の命で泰麒の側に来た。
終盤に、泰麒が「耶利を遣わしてくれたのは、琅燦だったのではないのですか。」と問いかけているが、耶利はそれに返答せず、肯定も否定もしていないことから、耶利の主公の正体は謎のままである。