概要
時系列的には「風の万里_黎明の空」後の物語。
慶国の女王・中嶋陽子の元へ、戴国の将軍・李斎が戴国を救って欲しいと嘆願に訪れる。
シリーズにおけるエピソードゼロ「魔性の子」の十二国側。
「魔性の子」を読む事でより一層ストーリーに厚みが増すが、読んでいなくとも問題はない。
ストーリー
「和州の乱」から1年、慶東国王・中嶋陽子は国権を私していた冢宰・靖共を更迭、新たな冢宰に前麦州州候・浩瀚を登用、国政の建て直しに乗り出していた。
そんな彼女のもとに戴極国から予期せぬ客が訪れる。
客の名は李斎。泰王・驍宗、泰麒に仕える女将軍であり、泰王・泰麒の行方不明後に即位した偽王・阿選打倒の兵を慶国から借り受けたいとの要望だった。
しかし、その要望は「どのような理由であれ、他国の兵が他国を侵してならぬ」という"覿面の罪"に当たり、犯せば即座に王と麒麟両方が惨死するほどの大罪であった。
景王・陽子の誠実さに接した李斎は自らが犯そうとした罪を恥じ、陽子に覿面の罪を犯させようとしたことを告白。改めて泰麒捜索の協力を要請し、陽子も李斎に協力を約束した。
陽子は慶国だけでなく隣国の雁州国にも協力を要請。奏南国、範西国、恭州国、才州国、漣極国も捜索に協力することとなった。
一国の麒麟を救う為、十二国全土を巻き込んだ大救出作戦が始まる。