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丕緒の鳥

ひしょのとり

新潮社の雑誌『yom yom』三月号に掲載された小野不由美氏・著の小説「十二国記」シリーズの短編。 新潮文庫で短編集として発刊されている。

王の吉凶を占う行事を準備する慶国の羅氏(下級官吏)・丕緒と、その祭典にまつわる物語。

慶東国四代の王に仕えた丕緒はたびかさなる暗君の治政に絶望を感じていた。
彼が最初に仕えた王は悧王、治政は68年に及んだ。
悧王は安定した治世を60年にわたって続けたが突如豹変、猜疑心をもって官吏たちに無理難題を押しつけ、答えられぬと処罰する残忍な君主へと変貌した。
当時の工匠の長・祖賢は丕緒、女工匠・簫蘭をはじめとする弟子たちを育成しつつ精神的に病んだ王の心を慰めようと吉事を占う大射に用いる矢を工夫、陶鵠をさせつづけていた。
そんな祖賢を悧王は謀反の疑いをかけ処刑し国を傾けたまま崩御、祖賢の無実を知る丕緒たちの心を大いに傷つけることとなった。

悧王の崩御後三代にわたって女王が続いた。
民の苦しみを憂える丕緒は大射の矢に哀しみを込めた楽曲を用いて陶鵠を行ったが、二人の王は大射の見事さを褒めるばかりで、丕緒が矢に込めた真意を汲み取ることはついになかった。
三人目の王は予王、心優しく繊細な王であった。
彼女は丕緒が矢に込めた不吉さに気づき、恐れおののいた。
しかし、怯えた予王が丕緒の思いに応えることはなかった。
そればかりか、ある日、丕緒は女工匠の簫蘭が忽然と姿を消していることに気づいた。
丕緒は簫蘭に「王に仕える女官吏が姿を消している。王が追放を命じたのだ」と警告したが、簫蘭は警告を一笑に付しそのまま工廠で働き続けていた。
その簫蘭が姿を消した。予王は間もなく崩御したが、彼女が帰ってくることはついになかった。

丕緒の絶望はさらに増すことになった。
ある日、丕緒は射長を束ねる遂良から「新たな王が立ったので陶鵠の準備をするように」との命令を受け、新たな王が女王であること知らされた。
今度の王にも期待がもてなかった丕緒は配下の青江に童歌を使った哀しげな音色の矢の制作を指示、その通りに作りあげ、つつがなく陶鵠を成功させた。

この日の陶鵠を最後に官を辞すつもりだった丕緒は王からの呼び出しを受けた。
新たなは「胸が痛むほど美しかった」と丕緒に告げ、「忘れ難いものを見せてもらった」とも真摯な口調で告げた。
丕緒はようやく哀しみが王に通じたと思い、新たな治政にもう一度期待をかけてみようと思った。

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十二国記 小野不由美

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