3:『半妖の夜叉姫』の登場人物→六太(半妖の夜叉姫)
『十二国記』の六太
(cv:山口勝平)
王を選ぶ霊獣・麒麟の1人、雁国の麒麟(延麒)。「ろくた」と読むが、延王・尚隆には「馬ではない、鹿ではないこと」を理由に「バカ」と呼ばれることがある。
尚隆とおおよそ同じ時代の胎果で、十三歳くらいの外見をしている。
卵果の時に蝕によって蓬莱に流され、京都近郊の貧農の子供として育てられたが、応仁の乱終結後(1477年以降)に口減らしのため山に捨てられたところを自分の女怪に救われ蓬山に帰還。
権力争いによる戦乱を経験した故に『王は災いしか生まない』と選定を行うことを拒み、再び蓬莱へ渡るも天命に抗えず尚隆を延王に選定する。
「国が欲しいか?なら、国をやろう」、「欲しい、民のいない王など王ではない」
雁国にわたった尚隆と六太が見たのは、前王・梟王の悪政により荒野となった国土だった。
延王即位後も奔放な尚隆に官吏ともども振り回され、朝政は乱脈を極めていく。
このことが原因で王宮から抜け出したところ旧友・更夜にとらわれ、元州候・元魁に代わり元州の実権を握る元魁の子・斡由に拉致される。
混乱の極みにある雁国にあって、唯一、元州だけは斡由の施政により豊かになっていた。
六太を人質に取った斡由は「国政はわれら官吏に任せ、王は王宮で遊んでいればいい」と尚隆に要求するが、斡由には「みずからの失敗を認めることができない」うえ「失敗は人のせいにして、罪を着せた人物は更夜に命じて殺害する」という致命的な欠点があった。
斡由の悪行ともいえる欠点は六太によって暴露され、反乱は失敗、斡由は州宰・院白沢に罪を着せて処刑しようとしたところ、単身、元州に潜り込んでいた尚隆に切り伏せられ、生涯を閉じた。
反乱鎮圧後、尚隆は院白沢ら斡由の部下を受けいれ、500年にもわたる大王朝を築き上げた。
ある程度自由に蓬莱・崑崙に渡る事が出来、尚且つ向こうでも実体を保てる『胎果の麒麟の特権』を有効活用して時々蓬莱へ渡る事がある。
その時に向こうの色んな物品を持って帰ってくるそうだ。
ちなみに、持って帰ってきた衣服は『物乞いの着る服』と女官に言われたらしい。
そうでなくても、国で2番目の地位にあるのに、主である延王と同じくしょっちゅう王宮を抜け出して市井を出歩いている模様。
官吏に見つかってお説教を喰らうこともたびたびだが、懲りることもことなく隙を見てお忍びで市井に出歩く方を好む様子。
ただ遊んでばかりではなく、蓬莱の調査結果を雁国の発展に役立てており、諸国との外交や諜報にも勤しんでいる。
どこにでも突然現れ、自ら「神出鬼没が身上」と称する。アニメでは景麒よりも先に蓬莱に現れ、高校生時代の中嶋陽子と会っている。
各国の麒麟のなかで、つきあいが深いのは慶東国の景麒だが、特に親しいのは戴極国の泰麒で親しみを込めて彼を「ちび」と呼んでいる。一方、範西国王・呉藍滌が尚隆の天敵であるのと同じく氾麟・梨雪も彼の天敵である模様。
妖魔が現れ、国が荒れている戴極国の異変には気づいており心を痛めていたが、泰王・驍宗と泰麒が失踪していることは李斎が戴国内で禁軍右将軍・阿選が反乱を起こしたことを慶東国国王・中嶋陽子に知らせ、援けを求めてくるまで気づいていなかった。
事情を知らされた六太は、王の逝去に伴って麒麟が不在になった芳極国、巧州国、反乱を鎮圧したばかりの舜極国、国に乱れの兆しがある柳北国を除く7ヶ国の麒麟と泰麒捜索に協力した。
失踪から6年、泰麒は蓬莱で見つかったが、彼は反乱勃発後に阿選に会って角を斬られて記憶と”麒麟”としての力をなくしたあげく、禁忌ともいえる”肉”を食して”穢れの病”を発症していた。
六太も景麒も泰麒に近づくことができないほどの病であったが、西王母に病を祓われて後、李斎とともに泰麒が戴国に帰っていくのを六太は陽子と見送ることしかできなかった。