概要
『ONE PIECE magazine』Vol.8にてビジュアルや設定が判明している数少ない悪魔の実である。
数ある超人系悪魔の実の中でもとりわけ多彩で強大とされる能力の一つ。
悪魔の実の中でもかなり異様で不気味な外見をしており、漆黒の実を緑色の皮が玉座のように包み込んでいる。
オペオペの実に並ぶ、説明がめんどくさい能力の一つ。
これを食した者は自分や他人の影を操ることができる。が、この能力の真骨頂はそこではない。
影は人間が産まれた時から一生付き従う「もう一つの魂」。能力者はその影を切り取り、自分に服従させることができる「影の支配者」になるのだ。
影は元の持ち主の強さと人格を反映し、人体に入れれば入れられた人間に影の持ち主の特性が加わる。
遺体や物に入れられても効果は同じで(ただし元の入れ物に人格が無いので、性格は元の影の持ち主の性格がそのまま反映される)、入れ物の死体や物が強靱である場合は元の影の持ち主が圧倒される程の強力な戦力となる。
自身の影を自在に操り、自分と影の位置を交換できる。さらに、他人の影を取り込むことでパワーアップする力も持つ。
影そのもので攻撃することも可能で、蝙蝠に見立てた影による噛みつきや、人型の影による殴打、箱状の影に閉じ込めたうえでの攻撃など、ある程度戦える柔軟性も持つ。
ゾンビ
カゲカゲの能力によって生み出された「動く死体」のこと。能力者の指示が無い限り、本来は肉体が動けなくなるほどの致命的なダメージを受けても影は解放されない。なお、悪魔の実の能力者から影を切り取り、それを利用したゾンビを生み出した場合、元の死体が能力者なわけではないので悪魔の実の能力までは反映されない。
影は切り取った時点では抵抗するように動き回る場合があるが、能力者が指示を出せば大人しくなり、以後は完全に服従する。ゾンビとして動き出した直後も、肉体と影が馴染むまでは元々の影の性格が色濃く反映され、好き勝手に動き回ろうとする場合があるが、ある程度時間が経てばそのような事も無くなる。また、ゾンビになる前に影と契約を結び、記憶を一部消去することが可能。人格に不都合がある場合はこれによって記憶を消し、持ち主が持っていたトラウマや衝動的な行動をある程度抑制できる。
長期間持ち主から離れてしまった影は、記憶操作の契約を受けていなくても元々の持ち主の記憶が徐々に薄れて行ってしまうらしく、元の人物からは考えられない行動を取る場合もある。
弱点
影を入れられた死体や物は痛覚を持たないため、如何なる攻撃を受けても怯まずに戦い続けられる無敵の兵士となる(ただし疲労は感じるらしい)。
しかし、悪魔の実の能力によるものなので、「海の力」を秘めた、一定量以上の塩分・海水を摂取すると、肉体と影が結合していられなくなり、元の持ち主に戻ってしまう。
また、炎上するなどして肉体の原型が完全に消えてしまった場合も持ち主に影が戻るらしい。ちなみにそういった点が関係しているのかは不明だが、ほとんどのゾンビは極端なまでに「火」を恐れる。
なお、影を切り取られた者は「光に拒まれる存在」と化してしまい、鏡や写真などに姿が写らない。また、直射日光を浴びると溶けるように消滅してしまう(完全に消滅しきる前に影が戻れば事なきを得られる)。
影の元々の持ち主である人物が死亡してしまうと、同時に影の命も尽き、効力を失ってしまう。死体や物に入れられていた場合、持ち主の死亡が確定した時点で再び動かなくなる。
技一覧
影法師(ドッペルマン)
自らの影を実体化させて操る。
痛覚などは持ち合わせておらず、”影法師”が攻撃を受けても本体に特に大きな影響は及ばない。また、本体と”影法師”はいつでもその場所を入れ替わることができ、攻撃を受ける瞬間に入れ替わってダメージを無効化、同時に本体を相手の背後に出現させて奇襲を掛けるなどの使い方も可能。
欠片蝙蝠(ブリックバット)
自分の影の中から小さな蝙蝠のような影を作りだし、それを大量に相手にけしかける。主に噛みつきで攻撃し、圧倒的な数で相手を押し倒す。意外と攻撃力があり、頂上戦争では新世界の海賊がブリックバット2、3匹を相手に苦しみ転げ回っていた。吹っ飛ばされて壁や地面に叩き付けられると、そこを起点に”影法師”を作り出すこともできる。
影箱(ブラックボックス)
相手の周囲を”欠片蝙蝠”で囲み、立方体状の影の壁を作り出して閉じ込める技。
影革命
影に”影法師”を忍ばせ、それを通じて影そのものを自在に操る。
本来影は「実体に合わせて動く」のが常識であり、同時に影は「実体と同じ形をしている」のが鉄則であるが、この技はその常識を覆して「影に合わせて実体を動かす」ことができる。影の腕を伸ばせば本体の腕も伸び、影をボールのように丸めれば本体もそのように丸くなるなど、この技の影響下に置かれたゾンビは変幻自在の体となる。
影の集合地(シャドーズ・アスガルド)
自分の支配下にある影を自分自身に取り込む。
取り込まれた影の全ての戦闘力はそのまま能力者に反映され、同時に取り込んだ量に応じて体格も巨大化する。しかし過剰に取り込みすぎると意識が薄れ、完全な制御が難しくなる。この状態で攻撃を受けると影を吐き出してしまい、その分の影は解放され、同時にパワーも低下する。
角刀影(つのトカゲ)
大量の”欠片蝙蝠”を一つに束ねて刃を作り、それで相手を刺し貫く。リトルオーズJrの巨体を鎧ごと貫通する威力。