概要
『ソニック・ザ・ムービー』用に用意された、実写用にアレンジされたソニック。
しかしその実態は実写トランスフォーマーやタートルズのように大きくアレンジされた………ようで微妙に本家を意識している、悪い意味での折衷案的デザインであった。
その特徴をざっと上げると、全体的に人間のような等身のバランス、顔と比較しても小さすぎる目と口、手には手袋はなくただ白い毛で覆われているだけ、などなどゲーム版のソニックと比べるとどうしても“ただの青と白毛の獣人”という感じの印象が拭えない姿であった。
トレーラー公開の前後には実写版『名探偵ピカチュウ』が公開されており、それに出てきたピカチュウを含めた全てのポケモン達はゲームのイメージをしっかり保ちつつ実写の世界に無理なく落とし込まれていたことが評価されていたのもあってか、世界中からバッシングを受けたこのデザインだが、トレーラー公開後すぐに「デザインを修正する」と発表され、修正のための公開日の延期も通告された。
それから数ヶ月後、ソニックのデザインは本家を意識して目を大きくしつつ、体型も先の実写版の面影を残しつつもバランスをよりゲーム版に近い形に変えたものが公開された。
ただしゲーム本編ではほとんど見えない毛並みの表現の強調、目が左右ではっきりと分かれている、腕の色が肌色ではなく青色など、前バージョンの名残を強く残す部分も存在する。
ちなみに旧デザインは完全に抹消されたわけでなく、リデザインの本気度を見てもらうためなのか公式はそのまま特報動画を残している。
比べて視聴するとわかるが、同じシーンと思われる場面でもカメラの高さや共演者の目線や服装が変わっていることから、ソニックのリデザインに伴い役者とソニックが同時に映っているシーンは撮り直しをしたと思われる。
日本だけの問題
このデザインは元スタッフである中裕司や、現在の日本語版キャストを担当している金丸淳一までもが難色を示したほどだった。デザイン変更後、中裕司は「目が繋がっていないと違和感がある」としつつも、以前ほど抵抗感のない反応を見せた。
一方の金丸淳一は、映画関係者に失望するかのようなツイートを残している。これは既に吹き替えのアフレコが行われていてもおかしくない現時点で、オファーも兆しがなく、実写版ソニックの声が別人に変わる可能性が非常に高いことが示唆されたためである。
事実、12月10日に発表された日本語版ムービーではソニックの声を別の俳優が演じており、ソニックの吹き替えの声優変更は確実となった(ただし声優は動画公開時点では非公開)。アフレコも既に終わっていると思われる。
なお、テッド(映画)や名探偵ピカチュウなど、この手の実写作品において人間以外のマスコットキャラクターや動物の吹き替えを担当するのは芸能人であるケースが多い。
例外としてプーと大人になった僕があるが、こちらはクリストファー・ロビン役の俳優、ユアン・マクレガーの吹替を20年以上、ほぼ一貫して務めていた森川智之を外し、俳優の堺雅人を起用、更に初来日を果たしたユアン氏に堺氏を対面させ、お墨付きを与えさせるという本作以上に悲惨な出来事があった。よって、人間側と動物側のどちらに芸能人を担当させるのがベストかを判断するのは非常に難しいのも事実である。
もっとも、今作の声優の変更は海外も同じであり、2010年以降担当しているロジャー・クレイグ・スミスではなく、ベン・シュワルツに変更となっている。よってこれは、オリジナル版の采配を元にしたキャスティングだと思われる。
逆に実写版トランスフォーマーはオプティマス・プライム司令官(日本版におけるコンボイ司令官)の声優がオリジナル版と同じ声優なのは日米変わらず(日本版は玄田哲章氏、アメリカ版はピーター・カレン氏)で、日本語版は本国版の采配に配慮したためと思われる。
1月22日に吹き替えキャストが発表され、ソニックは俳優の中川大志、ソニックを狙う悪の天才科学者ドクター・ロボトニック(ジム・キャリー)役を山寺宏一、ソニックの相棒となる保安官トム(ジェームズ・マースデン)役を中村悠一、トムの妻であるマディ(ティカ・サンプター)役を井上麻里奈が担当することが発表された。