曖昧さ回避
- 騎兵用の馬上槍の名称。
- 男性名【Lance】
- アリスソフトから発売されているアダルトゲームRance、及びそのシリーズの主人公。詳しくはランスシリーズ及びランス(アリスソフト)参照。
- カプコンから発売されているモンスターハンターシリーズの武器系統の一種。
- ファイアーエムブレム封印の剣に登場するソシアルナイトの真面目な青年。緑色。→ランス(封印の剣)
- 宇宙の騎士テッカマンブレードに登場する敵テッカマンの一人テッカマンランスの事。愛すべきかませ犬。
- ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバーに登場する、悪の組織ロケット団の幹部。詳しくはランス(ポケモン)参照。
- ゲーム『カスタムロボV2』に登場する架空のロボット。
- ドキドキ!プリキュアに登場する、妖精の一人。詳しくはランス(プリキュア)参照。
- RAVEに登場するキャラクター。
- パズドラクロスの登場人物。→ランス(パズドラクロス)
本項では主に1及び4について記述する。
曖昧さ回避1のランス
戦場だけでなく、馬上の槍試合でも用いられた。
歴史
ヨーロッパの歴史上、2度に別れて登場した。最初が中世(15世紀~17世紀)のパイク歩兵と火縄銃が普及するまでの間で次が近代(18世紀~19世紀)のナポレオン戦争において使用された。
15世紀~17世紀、騎士の最も華やかな時代、ランスは有効な装備だった。
鐙は、4世紀には中国で発明されたが、ヨーロッパに渡ったのは7世紀~8世紀頃とされ、11世紀には、サドル(鞍)、手綱、拍車なども西ヨーロッパでも普及した。このため、最近の研究では鐙がなくともランスは有効に運用されたという意見もある。
しかしパイク歩兵や銃器の発達に伴い騎士もランスも戦場から姿を消した。パイクは騎乗していなくても有効だが、騎乗しても使用できたため槍という似通った武器としての性格上、パイクが普及するとランスは姿を消し、またパイク兵も傭兵として人気が高く、騎士も姿を消した。
大規模な歩兵部隊が運用され、高価な馬を必要とする騎士は、17世紀に減少した。
16世紀以降、ランスを装備した部隊を維持している軍隊はフランス、スペイン、そしてポーランド・リトアニア共和国になり、ユグノー戦争(1562年~1598年)の後、フランスとスペインでは解散されたため唯一、ポーランド・リトアニア共和国のみ重騎兵を運用し、ポーランド騎兵は、その攻撃力を恐れられた。
18世紀~19世紀には、銃と大砲が主力になり、パイクや甲冑などの装備が姿を消した。
東欧のポーランド、ハンガリーの軍隊はランスを装備した重騎兵を運用していたため、西欧でも同様の装備を持った部隊を運用する必要に迫られ、ナポレオン戦争期にランスを装備した重騎兵が復活した。
その後、クリミア戦争、アメリカ大陸の原住民との抗争、第2次ボーア戦争などでランス騎兵は活躍した。しかしこれらは、どれも非対称戦争(敵と味方で装備が異なる戦闘)であり、ランスが戦場で優位性を獲得した訳ではなかった。
しかし第1次世界大戦までヨーロッパの各国の軍隊が未だに装備していた。
これは、騎乗技術の訓練と逃げる敵への追撃戦を想定していた。だが、実際に第1次世界大戦が始まると塹壕戦が主戦となり、騎兵による追撃は行われなかったため騎兵部隊は解散され、ランスも消滅した。
語源
古代ローマ軍が使用したLancea(ランセア)が語源と考えられている。これはギリシア語、セルビア語あるいはイベリアの言語に起源があるとされる。
もともとは、投擲槍や歩兵の槍のことで現在知られる騎士が突撃(ジョスト)で用いる武器ではなく、投げるか振り回すものだった。現在の騎士槍を指す言葉になるのは、17世紀のフランスにおいてであると見られている。
使用
ランスは、鎧、兜、剣、盾に並ぶ騎士を象徴する武器の一つでもあり、ファンタジー系作品では細長い円錐形に「ヴァンプレイト」と呼ばれる大きな笠状の鍔が付いているものがよく見られるが、必ずしもその姿をしているとは限らない。
ジョスト(ジョスティング)と呼ばれる馬の走力を利用して高速で突進し、すれ違い様に突きを入れるという戦法に特化した結果、ランスは重く長大化し、馬の力に頼らなければ振り回すことも出来なくなったため、乱戦となった場合に備えて剣などの控えの武器を携帯するのが定石である。
単純な武器ではあるが、その重量のため、高速で移動し、揺れる馬上から相手の急所に突きを入れるのは難しく、使いこなすには、それなりの技量と体力面での厳しい修練が必要である。
曖昧さ回避4 モンスターハンターにおけるランス
初出は無印(PS2)。以降全シリーズに登場する皆勤武器。本来のランスとは違い徒歩で使用されるのが大きな特徴だが、後述される突進攻撃は元のランスを意識したモーションだといえる。
出し入れが遅く、回避ができなくなる替わりに後方及び左右へのステップ回避が可能となっている。
低い機動性を補うかのような長いリーチと、全武器随一のガード性能を持ち、ガードしながらの移動や回避、更に攻撃をすることもできる。
スタミナを消費して行う突進攻撃は連続でダメージを与えられる他、少しのダメージを受けてもひるまないスーパーアーマー状態になる。
移動速度の遅さを補う手段としても利用することができ、MHP2やMHP2Gではしばらく突進を続けると加速する設定になっていた。
MHG
見た目よりだいぶ長い攻撃判定、手数武器とは思えないモーション値、ステップキャンセルによる手数の倍増、様々な要素と黒滅龍槍の存在によりオンライン終盤はランス以外ありえない、というような状況になった問題作。
その煽りをうけたのか続編のMH2では非常に寂しい性能になる。
MHP2以降
連続で最大3回ステップできるようになっているが、MHF開始当初はこの機能は実装されていなかった。そのため、後のアップデートで追加されている。
このステップ回避の実装でランスの隙が小さい突き攻撃を活かした「避けランス」という戦術も存在する。(基本要回避系スキルだが、スキル無しで出来る達人もいるとか居ないとか)
MH3
モンスターの攻撃に上手く合わせることで、攻撃を弾きつつ反撃できる「カウンター突き」、前方を薙ぎ払う「なぎ払い」、ガードを行いながら前方へ移動する「ガード前進」、そこから派生して盾で殴りつける「盾攻撃」が追加された。
本作独自の水中戦と突進移動の相性が良く、またモーション値も以降の作品より高かった為非常に高性能な武器となっている。
MHP3~MH4Gまではランスの冬の時代。火力に乏しいくせにガード性能も特別高くない武器となっていた。
MHX及びMHXX
他の武器同様にスタイルにより大きくアクション性を変えるように。
特に突進が強くなったストライカースタイル、ジャストガードが非常に強力なブシドースタイルが人気。狩技でガードレイジという非常に強力な技も貰い、近年まれにみる高火力武器としてのランスが帰ってきた。
MHW
MH3のランスをベースに、ガードステップ、突進反転など様々な要素が加わり非常に扱いやすい武器になった。特筆すべきはパワーガードという新技。
カウンターの構え中に更にコマンド入力することで派生し、スタミナと引き換えに360°の全方位をガードする。しかもガード性能に関わらずガード可能な攻撃ならば必ずカウンター突きを返せ、火力は溜め無しで溜め最大と同等の火力を叩き出す。おまけに心眼効果まで有りと至れり尽くせり。
それに加えMHWで登場したカスタム強化の回復や、簡単に発動できるようになった弱点特効スキルなど、本作のシステムや傾向に本作のランスがマッチした結果、MHX系列とはまた別の方向に妙に強い武器となっている。
イラストはディアブロ装備の剣士(♂)がランスを持っているもの。
関連タグ
関連項目
SEVEN - ランス愛用者として知られる、モンスターハンターシリーズ実況動画『モンハンどうでしょう』参加メンバー。