主に、近世以前の宮廷や政府で特に君主に任じられて政務を補佐した者のこと。
「宰相」の語そのものは中国の王朝において皇帝や王を補佐する最高位の官吏を指したのが始まりであり、丞相や内閣大学士などが相当する。
近代以降の日本で中国以外の諸国において中国の宰相に類似した権限を持つ官職及びその在任者をも同じく「宰相」と訳するようになった。
近年はあまり用いられないが、上記の意味により日本の内閣総理大臣の通称でもある(内閣総理大臣は国会の指名により天皇が任命している)。
このほか、日本の太政官における参議の唐名を「宰相」と呼んだことから、参議に任ぜられていた人物の呼び方ともなっている(宇喜多秀家:「備前宰相」など)。
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主な「宰相」
リシュリュー /マザラン:原語(フランス語)での職名は「principal ministre d'État」。「首席国務卿」とも訳される。
ビスマルク/メッテルニヒ:原語(ドイツ語)での職名はそれぞれ「Reichskanzler」「Staatskanzler」。kanzlerは元々宮廷における秘書を意味する単語だったが、近代史で使われる場合は宰相・首相と訳すのが慣例となっている。特にビスマルクはドイツ統一の際に行った演説から"鉄血宰相"とあだ名され、鉄血宰相と言えばビスマルクを指すことが多い。