灰廻航一
はいまわりこういち
プロフィール
所属:仁波大学社会学科1年
誕生日:2/22(19)
身長:172cm
好きなもの:カレー
個性:滑走
概要
『ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミアILLEGALS-』の主人公。無資格でヒーロー活動を行う「ヴィジランテ(自警団)」をしている大学生(notヒーロー科)。
かつてはヒーローを目指していたが、あるトラブルでヒーロー科高校の入試を受けることができず、普通の大学生をやっている。
一方、自由に「個性」を使うことができないことを含めた日常生活のストレス発散のため、趣味で「個性」を使った人助けを行い「親切マン」と呼ばれていた。非常に狭い地域ではあるが認知度は高く、人々からも好意的に受け入れられている(ただしこの活動も個性の無認可使用であるため違法行為にあたる)。
そんなある日、悪質なゴロツキからナックルダスターに助けられた際、強引に巻き込まれる形でヴィジランテ活動を始める事に。彼の奨めで新たに「ザ・クロウラー」を名乗るが、街の人々にはあまり定着せず、専ら「苦労マン」と呼ばれてしまう(そのおかげで真の嘘発見器に引っかからずに済んだが)。
基本的には気弱で温厚だが、人のピンチには咄嗟に体が動く性格。一方、敵(ヴィラン)やゴロツキ、犯罪者などのいわゆる「悪」に対して憎しみをぶつけることはなく、むしろ同情的であることが多い。
この点は「半端な善」すら容赦なく殺す断罪者とは対照的。
大学進学の際、都心駅近くのペントハウスに住み始めるが、下のビル共々老朽化が激しく幽霊屋敷じみている怪しい場所。しかしそれ故に関係者以外誰も来ないし居ない・そこそこ広いビルの屋上で個性や戦闘の訓練を行えるので現状からすると結構都合のいい場所である。
その上ナックルダスターとポップ☆ステップが勝手に上がり込んで占有するようになるが、共同生活をそれなりに楽しんでいる模様。
大学デビューの際は周囲からのウケも良かったが、家賃が安かった理由に全く気づかず家を紹介した結果、性犯罪者と誤解される程にドン引かれてしまい、悪い噂がたって大学内でぼっちになってしまう(通称:東鳴羽田の“廃墟の怪人”)。
そのため履修で分からなくなった時は危なかったが、顔が広く要領のいい塚内真とのツテのおかげでノートやら過去問やらが手に入り助かった。
昼は大学、夕方はコンビニでアルバイト、夜はパトロール、休日は特訓と割と充実してる。ヴィジランテ活動や上記の軋轢もあってサークルには入っていない。
人助け時の衣装はオールマイトグッズのパーカーに、口元を覆う黒い(市販のカゼ)マスク。
ナックルダスターと出会ってからは、手足に彼から与えられたバイク用のプロテクター、額にサンバイザーを装着する。
航一もまた緑谷出久を思わせる熱烈なオールマイトマニアであり、毎年出る限定版パーカーを「シルバーエイジver.正規カラー版」を除き全て所有しており、そんなパーカーたちを身につけることでヒーロー活動への勇気をもらっている。
個性の性質もあって、スパイダーマンをオマージュしたと思わしき、腰をかがめた低い姿勢で地面に手を触れるのが決めポーズ。
登場時にも「俺は~~男! ザ・クロウラー!」という、東映スパイダーマン風の名乗り上げを行う。
個性
個性は「滑走」。「三点以上の接地」を発動条件とし、地面の上を滑るように移動することができる。摩擦をなくすのではなく、反発力のようなものでわずかに宙に浮いている模様。
前後左右に自在に移動できる他、地面だけでなく壁面など、ある程度の平面さえあれば吸着するように「接地」して走行できる。また、スキージャンプのように跳躍することもできるが、着地は普通に受け身を取るしかない。
正確には「手足の掌から反発力を放出する」個性であり、赤ん坊の頃は立ち上がるより早くふわふわ空を飛んでいた程。その自由度を性格もあって危険視せた母親がやらないよう執拗に躾けていたためか大人になった現在は上手くできない。両足の「二点」でジェット噴射のように瞬間的な「飛行」を行ったが、再現できるほど使いこなせてはいない模様。
最高速度は自転車程度だったが、これも個性にブレーキ能力がなく自力で止まれずそれ以上のスピードを出すと危険なため。師匠から「バイク用プロテクター」をもらったことで少し思い切った加速が出来るようになり、インゲニウムからのアドバイスで「逆向きに急加速することでスピードを相殺」という使用法を見出してからは、大幅に最高速度が増大した。インゲニウムのサイドキックの誰よりも速いらしく、実際に暴走バスに追い付いているため、相当の高速だと考えられる。
パッと見は地味だが、かなり応用力が高く、インゲニウムからも「高速移動から現場の小回りまで対応できる」と評された。日頃のボランティア活動で日常的に個性を使ってるのもあってか個性については器用で、上記のスピード相殺技術も発想を教えてもらってすぐに実現、使い熟した。
弱点としては個人での決定打の無さ。飯田家のように急加速も出来ず姿勢の自由度も無いため足払いor体当たり的な攻撃技しかなく、読まれやすく当たらない。
最近反発力を活かして空気砲が撃てるようになったが、人体にダメージを与える様な威力はなく、最大威力でもそれなりに溜めが必要な割に攻撃技にはなり得ない。
現状だと戦闘では回避盾と進路誘導&足払い等タンク役。救助では怪我などで動けない人の運搬を担っている。
師匠がいた頃は彼がアタッカーをやってくれていたが、いない現在は弱い人相手ならコーイチ1人で、強い敵は時間稼ぎしつつ伝のあるヒーローを呼び対処している。
余談
- キャラ設定としては「オールマイトに出会えなかった緑谷出久」「大人になりきってないが少年というには育っちゃってる」がコンセプト。普段はあんまり押しは強くない性格でオールマイト好きな行動派オタク、自分が危険になっても他人が危険だと突っ込んで行くところ等の共通点がある。それでいて個性持ちの大学生ということで無個性だった緑谷より陽気、というか少しお調子者な面すらありつつ、やや諦観があるものの自分の中にあるヒーロー願望にも自分なりに答えを出してうまく?付き合っている部分もある。
- ポップや師匠なんかのグレーゾーンの人種から、プロヒーロー・その協力者等ともコミュニケーションが取れる変な人徳?許容性?が彼自身の「ヒーローの資質」。ある程度話が通じる敵なら会話から始めることもある。
- 初期は目つきがやや悪く目の下に隈があったが自警団の活動を始めてから徐々に薄くなってきている(ような気がする。あることはある。)
- 航一個人で見れば法的には積極的に個性で相手に攻撃してる訳でもないので一応ギリセーフだが、同時に暴力的な敵に対して解決力もないので「非合法」とも「ヒーロー」とも言い難い「善意の協力者」が現状。……だったのだが。
英雄とは
トリガー事件の一旦の収束とナックルダスターとの別離、私生活の充実に伴い、もともとボランティア的な活動に終止していたヴィジランテ活動を、大学卒業と就職を機に引退しようと考えていた航一。
しかし「蜂」の能力者によって操られたポップがヴィランに変貌して大規模な破壊攻撃を繰り広げ、静止に向かった航一は成すすべもなく叩き落される。
警察に行って、全てを話して、彼女を助けるべきなのでは?
どうすべきか迷う航一の下に、ナックルダスターからの手紙が届く。
「お前をヒーローにしてやろうと言ったが、あれは嘘だ」
その手紙にはある一人のプロヒーローが、想定以上の巨悪に遭遇して敗北を喫し、全てに絶望して自暴自棄に陥り、通り魔的に暴れるまでになった経緯が記されていた。
しかしそんな彼にも、全く無関係なのにも関わらず、ささやかな善意を差し伸べる者との出会いがあった。
どんな過酷で不遇な状況にあっても、人間が善性を保ち続ける事は困難だ。
しかしその困難を乗り越える者こそが英雄なのだ。
「お前をヒーローにしてやろうと言ったが、あれは嘘だ」
「俺が指図するまでもない。おまえは自分が何をするべきかを自ずとわかっている」
「揺るがぬ善意を持って生まれてきた稀有な人間。真の英雄」
「俺のヒーローだ」
「飛べ、コーイチ。飛んでいけ、ヒーロー」
『僕のヒーローアカデミア』は、出久という少年が「ヒーローになるまでの」物語である。
しかし『ILLEGAL』の主人公である航一は、すでに第一話の段階から「ヒーローだった」のだ。