概要
スズメガ(雀蛾)の仲間は胴体が太く、大型の蛾である。
成虫
発生時期は春~秋。
胴体が太く強力な飛翔筋を持ち、翅の面積が小さく先端が鋭角的で、素早く羽ばたき高速で飛行(種類によっては50km/h以上)でき、飛翔昆虫の中でも最速の部類に入る。動きの速さとホバリングの能力のためハチドリと間違えられる事もある。
種類によって吻の長さが異なり、キサントパンスズメガでは35cmに達する。
幼虫・蛹
幼虫はイモムシ型で尾角がついている。種類によって食草が異なり、毒草を食草とする種類もあるが毒は分離して体外に排出できる。食欲が旺盛で農作物や庭木の葉などを食い尽くし、害虫とされる事も多い。
トビイロスズメの幼虫は中国で豆蚒・豆虫・豆青虫・大豆蛾などと呼ばれ、食材として流通している。
終齢幼虫は成熟すると地上へ降り、落葉などを糸で綴って繭を作る・地中に蛹室を作るなどして蛹となる事が多いが、ホシホウジャクのように食草の葉を糸で綴って繭を作るものもいる。
アゲハチョウやスズメガの蛹は触ると体をクネクネと動かすが、西を示そうとしているという伝承があり、復蜟(にしどち=西どっち?)とも呼ばれる。
スズメガ媒花
受粉の効率を高めるため特定のスズメガに送粉させるように共進化した花。
・飛行速度が速くエネルギー代謝効率が高いスズメガの成虫を支えるため大量の蜜を作る。
・スズメガの種類ごとの吻の長さに合わせた花筒の長さを持つ。
・夜間にスズメガを誘引する強く甘い香りを持つ。
等の特徴がある。
例:カラスウリ、マツヨイグサ、サギソウ、ハマユウ、ヨルガオ、オシロイバナなど