南洋同盟
なんようどうめい
概要
一年戦争終結直後の連邦政府の疲弊に乗じ、僧正レヴァン・フウを指導者として連邦からの分離・独立を図る反連邦組織。
仏教の一派である「南洋宗」を国教とした宗教国家の樹立を目的に極東・中東・インド洋に至る広範な地域を傘下に収めた。
「反連邦」を謳っているが、一年戦争中にリビングデッド師団の生き残りであるJ・J・セクストンと、彼が所持していたリユース・サイコ・デバイスのデータを回収した事から、ジオン残党軍は南洋同盟によるリユース・サイコ・デバイスの実用化を恐れ、敵対関係にある。
南洋同盟が連邦から独立に踏み切ったのも、セクストンと彼の持つデータに依る所が大きい。
宇宙世紀改暦以前から存在する宗教を掲げて連邦と敵対した第三勢力であり、一年戦争から続くアースノイドとスペースノイドの戦いの歴史の中で異彩を放つ(イスラム圏とジオン残党が同調した例もあるが、南洋同盟程の大規模な物には至っていない)。
信仰による求心力と、レヴァン・フウのカリスマ性を以って高い結束力を誇り、支配地域に住まう住民の9割強が南洋宗信者。更に戦力となる僧兵達は無謀とも呼べる作戦に於いても自らの命を顧みない。また戦災難民を多く受け入れており、戦災孤児を仏教に引き入れたりしている。
また、宗教を規範とする性質上、連邦・ジオン双方に信者がおり、彼らからモビルスーツの独自開発を行える程の資金が提供されている。
運用する装備はジオン・連邦双方の物が混在し、中にはジム改用のフロート装備など既存の機体をベースに独自開発を行った機体も見受けられる。
主な所属人物
レヴァン・フウ僧正
南洋同盟の最高指導者。ア・バオア・クー戦前後に連邦軍の依頼を受けて南洋同盟の掃海艇を率い、ジオン、連邦両軍の残骸、遺体の回収と遺体の供養を行っていたが、J・J・セクストンの乗る脱出ポッドを回収。セクストンが持っていたデータから、リユース・P・デバイスに興味を抱く。
僧兵達からは「僧正」と呼ばれ、僧兵が戦死する際には名を叫ぶなど、南洋同盟内でのカリスマ性は高い。
相手を金縛りのように動けなくするなど、かなり強力なニュータイプ能力を有しているが、実は過去に連邦の施設でさまざまな実験の被験体となり特殊な感応能力を引き出された強化人間であり、実験中に脳にダメージを受け、余命1年と宣告されている。
また、ララァ・スンと同じく「刻」を見たらしいが、その内容はララァとは違い、『人類の限界』だったらしく、彼の願う「争いのない世界」の実現を目指し、南洋同盟を率いた一因となっている。
クローディア・ペール
イオ・フレミングの幼馴染にしてかつての上官。
サンダーボルト宙域での戦いの最中に負傷し行方不明となるが、当時連邦軍に参戦していた南洋同盟の宇宙艇に収容される。その後、回復して南洋同盟の信徒となり、クローディアにより稚拙だった南洋同盟の戦術が劇的に向上し、レヴァン・フウの懐刀となっている。
また、レヴァン・フゥの能力の「端末」でもあるようであり、彼の能力をサポートする役目もあるようだ。
J・J・セクストン
かつてダリル・ローレンツの所属したリビング・デッド師団に同行していた技官。
ムーア同胞団の生き残りを捕虜とするも、ア・バオア・クー攻防戦において乗艦が撃沈され、自身はリユース・P・デバイスのデータとともに脱出し、南洋同盟の掃海艇に保護された。
その後は同盟にて密かにリユース・P・デバイスの復活を行っている。
余談
以前太田垣康男が手掛けた作品に「東方機神傳承譚ボロブドゥール」という短期連載作品があり、こちらでも
仏教ベースの武装組織がいる
その組織は「機神」と呼ばれる人型兵器を保有している(但し、こちらは半ば生物兵器に近い)
といった共通点が見られる。