概要
大英帝国の首席判事を務める、威圧感タップリの男性。通称『ヴォルテックス卿』。初登場時52歳。
首席判事とは大英帝国高等法院の長のこと。ヴォルテックス卿は弁護士の任命権を持つと同時に検事局に指示を出せる程の絶大な権力を持ち、事実上の大英帝国法曹界におけるトップたる存在である。
成歩堂龍ノ介からは「睨まれるだけで右腕が折れそう」と言わしめる程の威圧感を放っており、両腕を大きく広げる仰々しいポーズを取ると、背景で数羽の鳩が飛ぶ。
増加と複雑化の一途を辿る犯罪に対抗するため、大英帝国の司法や警察機構の改革に力を入れている。いずれは司法長官の座に就き、倫敦から犯罪を撲滅するという壮大な理想を抱いている。
その中でも科学式捜査の導入に熱心で、非公式ながら「科学式捜査班」を組織しており、その他にも交換留学生を使った技術交流や国際科学捜査大検討会の開催を大英帝国で行うよう政府に積極的に働きかけている。
人物
多忙な身の上ゆえか愛用の懐中時計のゼンマイを弄ったり時間を秒単位で気にしたりするなど時間にうるさい。一方でその割には成歩堂等と会話する際に独自の持論を長々と話して会議に堂々と遅刻する事もある豪胆な人物でもある。
新しい科学技術を好むと共に「自分の組織が自分の思い通りに動く事を好む」らしく、執務室も巨大な時計台のように多くの歯車が音を立てて回り続ける意匠が施されている。
人間関係
当初は正式な弁護士ではないとして帰国させようとしたが、彼と御琴羽寿沙都の説得に応じて「試験」としての出廷させ、後に弁護士として彼を認めた。
本編の10年前は検事を務めており、担当していた「プロフェッサー事件」で兄を喪ったバロックに応える形で担当検事の座を譲り、自身は補佐に回った。
それ故にバンジークスからは恩人として、絶対な信頼を寄せられている。
関連タグ
シャーロック・ホームズ(大逆転裁判) バロック・バンジークス
以下、大逆転裁判シリーズの物語の核心に関わるネタバレ
ネタバレ
第5話にて、第4話の事件が英国司法を揺るがす事件へと発展したことから自ら裁判長として現れた。
木槌の代わりに金属製のユニコーンを象った杖を手にしており、陪審員がいない極秘裁判で全判断が彼に委ねられる形となっている。
更なるネタバレ
プロフェッサー事件の黒幕にして、法で裁けない悪を暗殺する殺し屋「死神」を指揮し、犯罪への抑止力としていた「他人を意のままに操る天才」。国際問題に発展しかねない大犯罪を、自分の手を汚さずに他人の手で行わせる事で犯していた。 その犯罪の多くは、確かに彼の主張する通り、大英帝国の法廷では陪審員の買収や捏造で無罪になってしまった悪党たちを始末し、倫敦の治安を向上させていた。だが同時に、首席判事そして司法長官となるおのれの野望の為に、高潔なる前任首席判事や大義の為にやむなく協力していた人々をも殺害している罪は弁解しようもない。
最後は意外な場所に隠されていた証拠品によって告発を受け、彼の犯行が立証されるが……
ネタバレの余談
裁判長がラスボスというケースはシリーズを通じて初である。
彼が犯罪を犯したのはあくまでも犯罪と戦うためであるが、そのためにとった「毒を以て毒を制す」を字で行く手段を選ばない行為は『逆転裁判5』の法の暗黒時代の様である。
また、「自分の手を汚さずに他人の手で犯罪を行わせる」「表向きには信用ある別の顔を持つ」「真の黒幕である」という点は偶然にもシャーロック・ホームズの宿敵にして「犯罪界のナポレオン」こと「ジェームズ・モリアーティ」と同じである。