「オレに、任せろ! キサマは‥‥
ただ。オレを信じていればいい。」
CV:中村悠一
概要
ゲーム『大逆転裁判』第1話から登場。通称・アソウギ。本編開始時23歳。
大日本帝国・帝都勇盟大学の二年生で、主人公・成歩堂龍ノ介の親友。
大日本帝国の《弁護士》として大英帝国へ留学し、世界最高の“司法”を学ぶことをこころざしている。
作中では、成歩堂から《弁護士》としての可能性を感じ取り、彼に《大英帝国》への道を示す役回りとなっている。
人物
爽やかな性格の熱血漢で、窮地に追いやられた成歩堂を力強く支える頼もしい人物として描かれる。
本編では頼れる存在とされる一方で、本編外では、熱血っぷりが空回りして大恥をかく一面も確認できる。
容姿
デザイナーのイメージ上では、身長は174cm程度。
切れ長の目に鋭い視線という凛々しい顔立ちで、ぴんと背筋を伸ばした立ち姿には一切のスキがない。
服装は成歩堂と同様、エリに校章のバッジをつけた学制服を身にまとっている他、頭には《赤ハチマキ》を、左腕には弁護士の証である《腕章》を、腰には《日本刀》を、足には深い緋色の皮の編み上げ靴にレザーのゲートルを着用している。
頭に巻いているトレードマークの赤いハチマキは、法廷や室内であろうと常にヒラヒラとたなびいている。「コイツの行くところ‥‥常に、謎の熱い風が吹くという、伝説の男」らしい。
大学にて大勢の前で起こした大失敗(後述の《学生弁論大会》を参照)が由来とされており、そのときの《屈辱》を忘れないために頭に巻いているとのこと。
「日本刀は、日本人の魂」という持論から、《名刀《狩魔》》を常に携えている。英国留学の際には、危険物持ち込み禁止の蒸気船の船内に持ち込むために、政府を説得して許可を得たという。
能力
学生の身でありながら《弁護士》の資格を取得しており、『日本の司法を変える』という“ユメ”を叶えるべく、その身分を確立させようとしている。
帝都学府が誇る、優秀な逸材とされており、学業の成績と弁護士としての実績から、大英帝国への司法留学の権利を勝ち取る能力も持ち合わせている。
一方、滑舌の悪さが自身の“致命的な弱点”らしく、過去に《学生弁論大会》で最後の締めの言葉を述べてる最中に聴衆の前で盛大に舌を噛むという大失敗によって大恥をかいた経験もある。
好き嫌い
本編で「『勇盟食堂』で、いつもの牛鍋をおごってもらう」という発言もあり、牛鍋が大好物とされている。一方、トリは大のニガテであり、留学の際に船内で出された鶏肉の丸焼きにも全然手をつけなかった。
人間関係
帝都勇盟大学の同級生にして親友。
彼に“弁護士”の才能を見い出し、大英帝国への道を切り開く。
大学での《学生弁論大会》をキッカケに知り合って以来、なんとなく一緒に大学の講義を受けるようになり、学生街の牛鍋屋で憂国論議を戦わせるようになった模様。
- 家族構成
父・亜双義玄真は異国の地で命を落とし、母は父の死後に心労で病に倒れて息をひきとったとされており、本編開始時点では既に身寄りがなくなっている模様。
生まれの亜双義家は剣技の名門であり、常に携えている《名刀《狩魔》》についても、かつて戦国乱世に名匠が打ち出したものが代々伝わっているとされている。
父の弟子の中には、その名刀の名前を《姓》として名乗り出した者もいるらしい。
- 御琴羽一家
父親の死後は、その父親と親友の関係にあった人物・御琴羽悠仁に見守られながら、成長していくようになる。
大学の学費援助から英国留学の尽力まで、なにかと自分の世話をしてくれたことから、人生の恩人として彼に強い感謝の気持ちを持っている。
御琴羽悠仁の娘・御琴羽寿沙都については、自分をいつも助けてくれる優秀な《法務助士》として、絶対の信頼をおいている。
活躍
- 第1話
大英帝国への留学が決定し、留学の準備を進め始める頃、親友・成歩堂龍ノ介が殺人の容疑で裁判にかけられることを知る。裁判の結果次第で留学が取りやめになる可能性がありながらも、彼の《無実》を信じて大審院の弁護席に立つことを買って出る。
大審院では、成歩堂をトナリで力強く支えながら、2人で隠されていた《真実》を暴き出していくのだが、その闘いの中で成歩堂に《弁護士》としての“才能”を見いだしていく。
- 第2話
大英帝国への留学のために、同行者の御琴羽寿沙都とともに英国行きの蒸気船に乗船。
このとき、手荷物の《旅行鞄》に詰め込んだ状態で成歩堂を乗船させ、“密航”という形で共に英国へ渡ろうと画策する。
- DLCランドストマガジン 第1号
第1話終了直後の短編エピソードにて、去年の夏の《学生弁論大会》について振り返る様子が描かれている。そこから自身の“弱点”や成歩堂との“関係”、そして『赤ハチマキ』の“由来”について語られる。
当時、《弁護士》になるという道のために優勝を目指していた亜双義であったが、大会の決勝での《演説》において、盛大に舌を噛むという大失敗から自身の“弱点”が露呈し、許されざる“大敗北”を決してしまったという。
一方、同じく決勝までのぼりつめた成歩堂はミゴトな発音で《演説》を締めくくり、以来、亜双義は成歩堂に対して興味を抱き、なにかと2人でつるむような関係になっていった。
『赤ハチマキ』はそのときの《屈辱》を忘れないためのものらしいが、滑舌改善のために成歩堂から教わった早口言葉「赤巻紙〜」を『赤ハチマキ』とカン違いしていたとして、大恥をかくハメになった。
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ネタバレ
以下、第2話から『2』最終章まで重大なネタバレ
- 第2話②
事件に巻き込まれて、被害者として物語から退場する。
大きな夢を持って、大いなる旅路を進む亜双義であったが、その夢は無情にも断ち切られてしまう結果となってしまった。
親友の“死”という事態に直面し、再び殺人容疑をかけられた成歩堂であったが、自身の無力感から事件をテッテー的に調査し、自身の無実を証明。
彼の遺志を継ぐべく、《弁護士》になるという決意のもとに、名刀《狩魔》を持って大英帝国を目指すのであった。
- 大いなる帰還
蒸気船内での事件を経て、亜双義は《遺体》として日本へ帰還することが決定。しかし、その《遺体》は事件の後、成歩堂一行の知らぬ間に、謎に包まれて消失を遂げることとなる。
そして事件から時を経て、志半ばで命を落としたと思われていた亜双義は、大帝都・倫敦で復活を果たすこととなる。
蒸気船内の事件は、ホームズの思惑によって殺人事件に仕立て上げられたものとなっており、実際には蘇生によって辛うじて命の危険を免れていたという。
『大英帝国へ行け。そこで
お前の《使命》が待っている』
“記憶を失う”という事件の後遺症を背負う亜双義であったが、自身の頭の中の圧倒的な《声》に従って、大英帝国を目指すことを決意。日本に送還される前に人知れず下船して行方をくらますと、数々の港を渡って《大英帝国》へとたどり着く。
英国では仮面の従者としてしばらく検事の仕事を学んでいたが、やがて記憶を取り戻して成歩堂と再会。成歩堂が預かるように持っていた名刀《狩魔》を再び携えると、自分が大英帝国で果たすべき《使命》やなすべきことのために、独自に行動を開始する。
以降、トレードマークだったハチマキは外され、赤いクラバットを首に巻き、白に黒の装飾があしらわれたような英国の風の衣服をまとった姿で登場・活躍することとなる。
- “留学”の真実
世界最高の司法を学ぶために英国留学をこころざしていた亜双義だが、その留学の決意のウラではもうひとつ‥‥『父・亜双義玄真の《真実》を確かめる』という目的を心の内に秘めて留学に臨んでいた。
英国からの手紙で知った《プロフェッサー》という存在をもって、父・玄真の死に対して強い不信感を抱くようになったとされており、それが英国留学への熱望へと繋がっていったという。
そして、その英国留学の“執念”から、日本と英国の二国間の陰謀へ加担することを留学の《条件》として提示され、その“任務”を引き受けたという事実も存在する。
もとより裏切るつもりだったとして本気にしていない亜双義ではあったが、その陰謀が渦巻く留学を阻止すべく奔走するホームズの様子が、蒸気船内の事件を通じて確認できるようになっている。
- 第4,5話
《死神》と《プロフェッサー》の真実を探る審理にて、事件の担当検事として登場。記憶を取り戻して間もない状態でありながらも、弁護士である成歩堂を相手に法廷で戦うこととなる。
審理中、先述の“陰謀”によって、検事としての適正を問題視されたり、父の死から生まれた強い憎しみによって、真実を見失いかける場面も見られたりしたものの、成歩堂とともに最後の最後まで議論を交わし、隠されていた真実にたどり着いた。
裁判の後には、大日本帝国への帰国を決意した成歩堂の前に登場。そこで、事件の影響で自分の中に生じた憎しみから、検事の道を進むことを宣言し、ヒトのココロに巣喰う《魔物》の存在に向き合う、という『覚悟』を示す。
その『覚悟』をもって名刀《狩魔》を成歩堂に預けると、2人でいつの日か必ず法廷で再会するという誓いのもとにしばしの別れを告げ、成歩堂の船出を見届けた。
- 先祖?
御剣怜侍と以下のように非常に多くの共通点を持っている事から、成歩堂龍一と成歩堂龍ノ介の関係と同じく御剣の先祖に当たるのではないかと言われている。
・友人に対する二人称が「キサマ」
(もっとも、軍用語としての意味合いが強まったとはいえ同輩に対する尊称だった明治期の『貴様』と、すっかり軍内部で上司が部下に使うイメージが定着し相手を見下す用法になった現在の『貴様』とではだいぶ意味合いが異なるが)
・指を立ててこめかみに当てる特有のモーションがある
・「狩魔」に縁がある
・皮肉の切れ味が鋭い
・(本来バンジークスの執務室だが)執務室にチェス盤がある
・検事として嘗ての友人と対峙する
・検事として席に立った時、クラバットをつけている
・裁判長から準備完了を問われた際の文句が「検察側…もとより。」
・成歩堂に「おまえ……変わったな。」と言われるシーンがある
・父親が作中における黒幕の関与によって殺害されている
・嘗ては弁護士を目指していたが、事件に巻き込まれたことをきっかけに検事となる
・最終的には前向きに検事の道を志す
なお、逆転裁判シリーズでおなじみの狩魔家は亜双義家の弟子筋が刀の名を譲り受けて家名としたものが源流であることが示唆されている。