「我が国と、貴国‥‥
大日本帝国との《友好》のために。」
解説
第1話の登場人物。24歳。
大日本帝国・帝都勇盟大学の医学部に籍を置く“淑女(レディ)”で、大英帝国‥‥英吉利の帝都・倫敦からの『研究留学生』。
容姿
花飾りがついたハデなドレスと頭に白鳥が座っているかのような帽子に身を包み、イヤでも目立つと思われる服装をしている。髪型は茶色く渦巻いており、素顔は帽子や仮面で隠れて見えないが、美しく高貴なる貴婦人とされている。
人間関係
帝都勇盟大学では、医学博士のジョン・H・ワトソンの研究室に所属しており、彼の研究室で学んでいた女学生・村雨葉織とも、大学内でカオを合わせる機会があったとのこと。
一見淑女然とした人物だが、日本が英国と《日英和親航海条約》なる友好条約を締結し、日本の腰が低くなっていることをいいことに、野蛮な言語を話す国、捜査も司法もジャーナリズムもまだまだ未熟な国‥‥などと言って、日本を見下すような態度をとっており、彼女に対して怒りを覚える人物も存在する。
活躍
『無印』の第1話にて、洋食堂《ラ・クワントス》で発生した事件‥‥ワトソン博士殺害事件にて、被害者と同じテーブルについて成歩堂龍ノ介の《犯行》を目撃した証人として登場。
9カ月後の『2』では、日本を去ることが決定し、日本の“最後の思い出”と称して、海水浴に行っていたことについて語られる。
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正体
以下、『無印』『2』の重大なネタバレ注意
“ジョン.H.ワトソン博士の殺害”という任務によって大英帝国から留学生として派遣され、『無印』第1話で実行に移した《暗殺者》である。
- 犯行
犯行には、当時の日本では未知とされている“毒物”を用いており、彼女が大学で研究していた猛毒《クラーレ》によって博士のイノチは奪われることとなった。
毒殺後、死亡直前に博士へアイサツに来ていた洋食堂の客・成歩堂龍ノ介に《罪》を着せるべく、彼にワトソン博士の護身用の《拳銃》を拾わせて、隠し持っていた自分の《拳銃》を遺体に発砲。死因は“銃弾による失血死”と誤認され、発砲後は刑事のイキな“はからい”によって、現場から早急に退去していった。
- 法廷
警察の未熟さと法廷内の人間の無知を利用して、何度も罪を逃れようとするが、大学の研究室にあった彼女の《研究資料》から本当の死因が判明。さらに被害者の向かいの席から銃弾が遺体へ発砲された証拠の存在の発覚によって、彼女の憎むべき“犯行”が暴かれる。
しかし裁判終了後、大英帝国の《領事裁判権》により、彼女の《犯罪》は上海にある英国の《領事裁判所》で裁かれることが決定。
上海への“移送”までの9カ月間、彼女は《領事裁判権》に守られ、“罪”が裁かれることも牢に収監されることもなく大学で研究を続けていたが、『2』第1話の海辺の英国婦人殺害事件にて自身の性格が災いして死亡。これにより、ワトソン博士殺害の動機、《領事裁判権》の発動の理由‥‥いくつかの謎を残して、事件は一度、闇の中に葬り去られることとなった。
- 暗殺者
彼女の死後、物語の舞台は大英帝国へと移り、謎に包まれていた彼女の正体へと迫っていくこととなる。
彼女は倫敦の裏社会にて《アン・サッシャー》という名前でプロの《暗殺者》として知られており、博士暗殺の《任務》の遂行にあたって、彼女には“ジェゼール・ブレット”という偽名と“留学生”という偽りの身分を与えられていたという。
また、かつては極秘の暗殺組織《死神》の“手先”として動いていたこともあり、“組織”の指令によって、バロック・バンジークス検事の法廷で有罪判決を逃れた者たちを暗殺する《実行犯》として、中央刑事裁判所の《死神》という伝説の存在にも一役買っていた模様。
ワトソン殺害の黒幕についてはこちらを参照。