概要
蟷螂拳や熊掌拳などといった、動物の動きを真似た象形拳の一つで、『恐龍拳』と評される。勿論現実世界には存在しない拳法であり、範馬刃牙のオリジナル。他にはプテラノドンやT-レックスの型が存在する。クラウチングスタートのような極端な前傾姿勢で全身を深く沈め、拳を握り締めた両腕を角に見立てて前方に構える。
範馬刃牙の突出した想像力を始め、動きに帯びる力強さ、踏みしめる脚の重量感、闘争心を秘めた眼光、数多の対戦と鍛錬により磨かれた戦闘センスなどが混ざり合い、周囲の人間に圧倒的重厚感のトリケラトプスの虚像を見せるほどの迫力を帯びる。ピクルとの対戦の中で見せたことで有名だが、その際には実際に恐竜と戦っていたピクルが戦慄するほどの現実感を持っており、彼を含めた猛者たちを驚かせた。
威力の方も桁外れであり、地上最強の生物をアスファルトを削りながら押し切り、その過程で衝突した車を歪ませ横転させる絶大な破壊力を有する。これには彼も素直に驚嘆し、息子の成長を褒め称えた。
余談
構えとしては中下段の諸手突きとも呼べるものであり、(打てるかどうかを別とすれば)そこまで出鱈目な攻撃とは言えないのかもしれない。
作中で映し出された恐竜のイメージは、全体的なシルエットこそ3本角のトリケラトプスだが、スティラコサウルスのような6本の角も併せ持っており、更に迫力が増している。これは刃牙本人や周囲の人間の想像力の問題というよりも、そもそも人間が恐竜と戦っていたようなトンデモない世界線のため、刃牙世界のトリケラトプスそのものが我々の知るものとズレている可能性もある。
因みにプテラノドンも『恐龍拳』に含まれていたが、厳密にはプテラノドンは翼竜であり恐竜ではない。ただし『恐竜』と『恐龍』で字が違うため、こちらも我々の考えと違う意味があるのか、はたまた単なる勘違いなのか、真相は定かではない。
実在の格闘家である那須川天心がKO獲る前の挑発ポーズでも知られる。