概要
cv:南條愛乃
加藤鳴海の形意拳の姐弟子。女優。勝気で短慮な性格で誤解から他者に対する失言や暴力が多く、他者に諭される事が多いタイプである。母は彼女を生んですぐに亡くなっている。ゾナハ病を鳴海から父にうつされたと思い込み鳴海を恨んでいたが、父が先にゾナハ病を患っていたことを知り誤解を解く。不仲だった父とも和解した直後、父をパンタローネに殺されたため(正確にはパンタローネを巻き込んでの自爆)、敵を討つために鳴海たちに同行する。当初は鳴海に対して弟のような感情しか抱いていなかったが、次第に男として惹かれていく。
サハラでの決戦ではミッシェル議長を説き伏せ、しろがねの選抜チームに加わる。自動人形との戦いではファティマとペアを組み、ペドロリーノとオラーツィオのアクロバットコンビと対戦し、苦戦するもののこれを打ち破る。単独行動を取るルシールを探す際、ルシールを思わず激昂させ、アルメンドラ(イヴォンヌ)が笑うなど、ルシールやアルメンドラを「人間」に引き戻すかのようなシーンが見られた。
ロッケンフィールドに救われ、しろがねと自動人形の最終決戦を生き延びた後、鳴海と共にフウ・クロード・ボワローの元へ呼び出され、未だ「自動人形」が消滅しておらず事件が解決していないことを知るが、女優として生きる道を選ぶ。しかし、フェイスレスがアポリオンを活性化させたことにより否応なく再び戦いに巻き込まれる。レイ研究所内での戦いでブロム・ブロム・ローに敗れて重傷を負い、更にエレオノールを全ての元凶と思い込み憎むようになり、一時は見る影も無くやつれ果てた姿を見せるが、エリ公女に真実を見せられて再起、鳴海をエレオノールに譲り謝罪した。
物語の完結後(6年後)はエリとも親しい友人になったらしく、恋人談義に花を咲かせていた。アカデミー主演女優賞を受賞し、最終幕でルシールを「もう一人の母」と呼び、今の喜びを大切な人たちに伝えている。
余談
前作である『うしおととら』で鏢の修業時代を描いた外伝に彼に想いを寄せる桃の精『ミンシア』が登場している。次作である『月光条例』にもどことなく彼女が外見に似て主人公に好意を抱く『藤木裕美』が登場している。名前と外見的に藤田和日郎作品における典型的な負けヒロインである。ちなみに父親は彼女が「もう一人の母」と呼んだルシールと夫婦役として登場している。