タブロウ・ゲート
たぶろうげーと
概要
祖父とのイギリス生活を終えて日本に帰国した高校生「氷川サツキ」が、偶然、タブレットと呼ばれるタロットカードを元にした22枚の絵で構成される画集を入手した事、そしてタブレットの管理人を名のる傍若無人な少女「レディ」と出会った事から物語は始まる。
タブレットには、それぞれの絵の住人である「タブロウ」が存在しており、サツキかレディがタブロウから聞いた名前を呼びながら己の心象力をもってタブレットから「はがされる」事で、タブロウは具現化・実体化する。固有の人格を持たないタブロウは、誰にはがされたかによってその人格が異なり、サツキにはがされた時とレディにはがされた時で人格が大きく異なるように描かれている(場合によっては外見も)。
物語は、サツキがタブレットを入手した際に留め金が外れていた事で、何人かのタブロウがタブレットから脱走していた為、サツキの家におしかけたあげく「下僕」にすると宣言したレディが、サツキと共に逃げたタブロウ達を探したり、一人のタブレット管理人をなのってタブレットを破壊しようとする長髪の少女イレイズや管理人に反抗するタブロウ達との争いの中で、サツキ自身が孤独さを克服していく姿が描かれている。
また本作は大きくわけて2つのバージョンが存在する。1つは2000年に角川書店の「月刊ASUKAファンタジーDX」に連載され、「月刊少女天国」に掲載誌を移動して連載が続いたものの同誌の休刊により連載が中断した角川版と呼ばれるもので、現在は秋田書店より「タブロウゲート0」と言うタイトルで角川書店版に外伝をプラスしたものが全2巻で発売された。
そしてもう1つは、秋田書店の「プリンセスGOLD」にて再開され、2011年以降は「月刊プリンセス」に連載されている秋田版と呼ばれるもので、連載再開時に角川版をリメイクして登場人物を増やし、角川版以降の話が続いている。
メインキャラ
- 氷川サツキ
ドラマCD版の声優は入野自由。
5月15日生まれ。身長167cm、体重58kg。ミッション系の高校に通っている。
日本人の母と正体不明な外国人の父との間に産まれた子供で、目の色が父親譲りの緑色(パメラ曰く「底光するようなライトグリーン」)をしており、その瞳を嫌った祖父の山下総鷲から隠すように命じられてから眼鏡をかけ続けている。父が行方不明となり、母が亡くなって以降は美術商を営む富豪の祖父に育てられ、イギリスで後継者となるべく厳しく育てられたが度を超えた折檻についていけず、勘当されて日本に送られた。その為、レディとタブロウ達が来るまでは豪邸に1人で暮らしていた。ちなみにサツキの母は養女な為、サツキと山下総鷲の間に血縁的なつながりは無い。
小さい頃に両親と離ればなれになり、愛情とは無縁の生活を続けて最後には見捨てられた事から孤独感に苛まれ、誰かの役に立つ事で孤独を振り払おうと無茶をする事もあるが、優しさを忘れない強い心も持っている。また、レディやタブロウ達と言うかけがえのない存在への信頼感は強い。
類い稀なる心象力の持ち主だった事から、管理人でもないのにタブロウをはがす事が出来る。タブロウ達からは目の色が創造人と似ている事から、血縁関係を疑われている。また日本の自宅の木の洞に関係性をしめすような証拠が残されていた(その後消失した)。
- レディ
ドラマCD版の声優は斎藤千和。
身長136cm、体重30kgのイギリス人の女の子。「自由の淑女」と言う意味で「レディ」と名のっている。
元々は、盗み出されたタブレットと共に教会の前に捨てられていた赤子で、創造人とは縁もゆかりもないが、心象力や意志力の強さから正式な管理人となった。が、その後タブレットを紛失してしまい、サツキの元に巡ってきたタブレットを求めて押しかけ同居人となった。
性格は傍若無人で暴れん坊で横暴。タブロウ達を「下僕」と呼び、サツキの家に押しかけた際は「管理人になってあげる」と言いだして同居した。と、淑女とは程遠いように見えるが、優しい気遣いを見せたり、サツキとタブロウを家族だと言う事もある。
家事全般および料理がまったくできないので、サツキかサツキ版のエリファスがいないと困ってしまう。
- イレイズ
身長160cm、体重45kgの黒髪長髪の美少女。名はアルファベットでは「Erase」と書く。
もう1人の管理人を自称し、タブロウを消し去ろうと考えている。が、サツキに対しては敵意を抱いている様な素振りは見せず、さらには、共に行動している「THE DEATH」の事を愛しており、タブレットから離れている期間が長くなりすぎて身体が崩壊している「THE DEATH」を治す為に、サツキにタブレットの中に戻すように頼んだ事があり、いまいち目的が不明なところがある。
「THE DEATH」以外に、「アンナ」も彼女に従っている。また「THE STAR」の名前を知っている。
- 創造人
グランドマスターと呼ばれる存在で、タブレットとタブロウの創造者。故人。
穏やかな性格でパメラから尊敬されていたが、重傷を負ったアレイスターを修復する際に、アレイスターの傷が自らに転写されたような状態になり、アレイスターは創造人の死因だと考えている。
サツキと同じ「底ヒカリするようなライトグリーン」の瞳の持ち主で、サツキの家にも彼の持ち物らしきものがあった。
タブロウ
タブレットに描かれた22枚の各場面の住人達で、創造人により生み出された。
自らが教えた名前を呼んではがした者の心象力を元に具現化するが、タブロウ自体は固有の人格をもっていない為、はがした者の心象力の影響を受けた人格になる。だいたいこんな感じ(↓)
タブロウ | サツキ版 | レディ版 |
---|---|---|
アレイスター | 冷静で頼れる兄的存在 | 陽気でにぎやかなお調子者 |
エリファス | 穏やかな家政夫 | 冷徹な剣豪 |
パピュ | 引っ込み思案で泣き虫 | やんちゃ坊主 |
ミシェル | 口下手で奥手 | 愛想が良く陽気なギャル |
だいたいのタブロウは、サツキとレディで髪型や目つき・顔つきが変わるぐらいだが、エレナに関しては、
- サツキ版:ひたすら泣き続ける巨大怪獣
- レディ版:とにかく手のかかるやんちゃなお子様
と完全に外見が異なる。
現在まで確認されている各場面の住人は以下の通り。
場面 | タロット | 名前 |
---|---|---|
1 | THE MAGICIAN(魔術師) | パメラ(Pamela) |
2 | THE HIGH PRIESTESS(女教皇) | アンナ(Anna) |
3 | THE EMPRESS(女帝) | |
4 | THE EMPEROR(皇帝) | ポール(Paul) |
5 | THE HIEROPHANT(法王) | ブラヴァツキー(Blavatsky) |
6 | THE LOVERS(恋人たち) | コルネリウス(Corunelius) |
7 | THE CHARIOT(戦車) | リガルディー(Regardie) |
8 | THE STRENGTH(力) | ヴァイオレット(Violet) |
9 | THE HERMIT(隠者) | パピュ(Papus) |
10 | WHEEL OF FORTUNE(運命の輪) | |
11 | JUSTICE(正義) | エドワード(Edward) |
12 | THE HANGED MAN(吊るし人) | ミシェル(Michelle) |
13 | DEATH(死神) | メイザース(Mathers) |
14 | TEMPERANCE(節制) | ベルティオー(Bertiaux) |
15 | THE DEVIL(悪魔) | エレナ(Elena) |
16 | THE TOWER(塔) | レーヴ(Loew) |
17 | THE STAR(星) | イエイツ(Yeats) |
18 | THE MOON(月) | エリファス(Eliphas) |
19 | THE SUN(太陽) | アレイスター(Aleister) |
20 | JUDGEMENT(審判) | アーサー(Arthur) |
21 | THE WORLD(世界) | |
0 | THE FOOL(愚者) |
タブロウをはがすには、まず前提条件として主従の契約の代わりとして名前をタブロウ本人から教えてもらう必要がある。タブロウによっては、レディに対するパメラの様にマスターとなる人物を気に入らない等の理由で名前を教えない事もある(物理的に名前を発声しそれが伝わらない場合も無理)。ちなみに誘導尋問や脅迫を用いて聞き出した場合も契約として認められる。
無論、心象力が低ければ名前を呼んでもはがす事は出来ない。
タブレットから勝手に飛び出した「家出」状態のタブロウについては、名前を教えてもらうか、住人である場面にタブロウが触れる事でタブレットに戻す事が出来る。なお家出中のタブロウの人格は、最後にはがされた時の人格になる為、基本的にサツキ版とのレディ版とも異なる人格をしている。また、家出中のタブロウは存在が不安定になっている為、身体が徐々に破壊されていったり、消えかけたり、人格が狂気を帯びていたりする場合があり、名前を聞き出してタブレットに戻す行為はタブロウを生存させる為でもある。
タブロウは、それぞれが固有の特殊能力を持っており、その特殊能力を使用して戦ったり、マスターの手助けをする。なお、はがしたマスターに対してはその特殊能力は効果を発揮しない。
イメージを具現化した様な存在だが、タブロウ自身は食事や睡眠をとるなどの人間と同じ行為を行う。また軽い怪我は自然治癒するが部位欠損を伴う大きな怪我は自身では修復不可能で、ダメージの大きさによっては死に至る場合もあるらしい。なおマスターが欠損した部位を治そうとする強い意志を持つ事で欠損部位を修復する事が出来るが、それはマスターの心象力の最大値を減らす行為でもある為、心象力の低下に伴って欠損が治せなくなったり、はがすこともままならなくなったり、最悪マスターは死に至る。
名前が判明しているタブロウ
ドラマCD版の声優は宮野真守。
タブレット第19場面「THE SUN(太陽)」の住人で、赤毛の青年の姿をとる。額には後天的にできた傷がある。
サツキと出会ったばかりのレディが一番最初にはがしたタブロウで、はがされてすぐにサツキに自分の名前を教えた。
特殊能力はあらゆるものを撃ち砕く「太陽の拳」。その為か戦闘時には武器は使用せず体術で戦う。
創造人の死の原因が自分にある事を覚えており、マスターが傷つく事を非常に恐れている。
レディ版の心象は「天上に位置し 何にもひるまぬ豪力の炎」で、陽気で単純でお調子者な人格になり、精神年齢の低いレディ版パピュやレディ版エレナと一緒になってふざけている。
サツキ版の心象は「万物の父 気高き静寂の王」で、レディ版に比べて大人びており冷静。サツキの兄の様にふるまう頼れる存在な人格となる。将棋が好き。
ドラマCD版の声優は置鮎龍太郎。
タブレット第18場面「THE MOON(月)」の住人で、長い金髪の美男子の姿をとる。
特殊能力は愛刀クレセントを用いた剣術で、包丁やおもちゃの剣でも愛刀に匹敵する攻撃力を出す。
タブレットから家出していたタブロウの中で最初に発見され、束縛される事を嫌ってレディとアレイスターを攻撃するも、アレイスターの太陽の拳をうけて撃退され、タブレットに戻った。なお角川版ではこの家出の最中に連続殺人犯の通り魔と化していた。
レディ版の心象は「闇夜を切り裂く鋭き閃光」で、髪をポニーテールにした寡黙な剣士の人格になる。マスターからの命令以外には特に自ら対応する事がなく口数も非常に少ないので主に戦闘時に呼び出される。
サツキ版の心象は「いつも僕を見守っていてくれる 母親のような暖かい光」と言う事で、長髪の先っぽを結び、丸眼鏡をかけた穏やかな性格の青年の人格になる。剣術の腕はかわらないものの、高い家事能力の持ち主である事から、サツキの家の家事全般と料理を一手に任されている。普段から笑顔を絶やさないが、口うるさくおせっかいなところもある。
ドラマCD版の声優は伊瀬茉莉也。
タブレット第9場面「THE HERMIT(隠者)」の住人。南アメリカの古代文明的な装束の黒髪・褐色肌の少年の姿をとる。
特殊能力は、ランプの光を見せる事で「追憶の森」と呼ばれる特殊な空間に誘い、過去の記憶を強制的に見せると言うもので、その際、フクロウの仮面も使用する。
タブレットから家出した後に、サツキとレディがマスター足りえる人物かをはかる為に追憶の森へといざない、マスターと認めた二人に名を明かした。
レディ版の心象は「惑わす者」で、一言で表現すると悪ガキになる。といってもレディ版エレナやアレイスターと共に悪ふざけをしたり、「JUSTICE」と「JUDGEMENT」をおちょくるレベル。
サツキ版の心象は「“信じる心” 小さくて でもけして消えない希望のともし火」で、引っ込み思案で泣き虫な人格になる。
ドラマCD版の声優は佐藤有世。
タブレット第15場面「THE DEVIL(悪魔)」の住人。アレイスターやコルネリウスと共にタブレットに残ったタブロウの1人。
特殊能力は音の録音と再生で、記憶の中の音まで正確に録音・再生するが、特にレディ版はぽんこつな為、あまり能力を活かせていない。
創造人版として登場した姿から、身長102cmで髪をツインテールにしたおで娘で、背中に蝙蝠の羽根が生え、額には上下逆の星型の模様のある姿がデフォルトらしい。なお創造人版のエレナはロリババアだった。
レディ版の心象は「最凶の魔獣」なのだが、本来の姿で現れる無邪気なお子様の人格をとる。教会の孤児院で暮らしていたレディにとっての最凶の魔獣とは、自分の言う事を聞かない幼子だったと言うことらしい。語尾に「~だも」とつけて話す。基本的にレディ版のアレイスターやパピュと遊んでいる。
サツキ版の心象は「焦燥 そして肥大する孤独」だった為か、本来の意味での巨大な悪魔の姿で現れる。現状、ここまで外見が異なるのはエレナのみ。
サツキの孤独感を具現化したものである為か、騒音レベルの音量でずっと泣き続ける。あまりの騒音にタブレットに戻す指示の声も届かない為、エリファスに声帯を切られた事がある。
ベルティオーが家出から戻ってきて以降は、彼(彼女)の能力で小さくする事で対応可能になった。
タブレット第13場面「DEATH(死神)」の住人。
元々は普通の人間の姿をしていたが、イレイズと共に行動するようになってからはタブレットに戻っていない時間が長いのか、顔は崩壊して骸骨状態になり、身体も骨だけの中に心臓がういているという状態にまで朽ちている。また巨大な鎌を持ち、黒い馬を従えている。
レディの前の管理人(イレイズによく似ているらしい)と思いを寄せた結果、前の管理人の願いを受け入れてその首を落として殺害した事がある。なお自分達に対するリスクを把握しているであろう中で「私を殺して」と言う命令に従った理由は語られていない。
ドラマCD版の声優は勝生真沙子。
タブレット第1場面「THE MAGICIAN(魔術師)」の住人で、最初に創造人にうみ出されたタブロウ。
身長175cm、体重58kgのナイスバディな女性の姿をとり、肌は褐色、銀色の長髪、額にビンディー、身体のラインの出る露出度の高い服を好むといった多くの属性持ちだったりする。
特殊能力は相手の心を奪う事が出来る。心を奪われたものはすぐには死なないが、時間経過により衰弱して死に至る可能性がある。
創造人に恋していたが、その思いを受け止めてもらう事なく創造人が亡くなった為、以後の管理人を受け入れずにいた。レディに対しても同様の態度をとり、彼女の心を奪って殺そうとしたが、創造人の面影を残すサツキと巡り会った事で自分を取り戻し、レディの心を解放してサツキにだけ名前を教えた。
サツキ版の心象は「優しい手を差し伸べてあまたの人を救える強い心の持ち主」と言う事で、クールでサツキの保護者的な女性の人格となる。サツキの学校に来る予定だった新人の養護教諭が事件に巻き込まれた事で赴任を辞退した為、その人物の名前と立場をのっとって新任の養護教諭としてサツキの学校に勤務している。なお養護教諭として生徒の前に初めて現れた際は「ゴージャス☆アイリン」のパロディ演出をともなっていた。
幼児体型を見下して「ちんしゃ娘」と呼ぶレディには名前を教えていない為、彼女はパメラをはがす事ができない。エロエロビッチなお姉さんになったら大変だー(棒)
タブレット第2場面「THE HIGH PRIESTESS(女教皇)」の住人。メスの黒猫の姿をとる。
タブレットから家出した後は、イレイズと行動を共にしており、はやる彼女をたしなめる事もあった。
特殊能力は天候操作(厳密には気温と気圧を操作する)で、能力発動時に身体の黒色を飛ばし、発動中は白猫になる。
イギリスでバラバラになってしまったサツキとレディ一行に「猫の手」を貸して集合させると共に、メイザースに破壊されたレーヴの角を再生させる為に一芝居うつ。しかしその際にレーヴの雷撃をくらい重傷を負う。パメラの薬で一命をとりとめた後、イレイズとの別離の為にレディとサツキに名前を教えたが、イレイズに別れを伝えていないからイレイズの元に戻る事と、何かあったら帰ってくれば助けてあげるとレディに言われて涙した。
タブレット第5場面「THE HIEROPHANT(法王)」の住人。オスのネズミの姿をとる。
特殊能力は、噛みついた者の記憶を喰らい、その者の肉体をのっとるというもので、サツキの身体をのっとって大暴れした。なお、サツキの身体をのっとっている間は、サツキにはがされたタブロウをコントロールする事が出来る。その他、「法王」にふさわしいとはいえないネズミの姿の自分に対して、美女のパメラに対するコンプレックスを持っていた為、サツキの身体をのっとって暴れた際に暴言を吐いた。
他者の記憶を食料がわりにする為、学校に隠れて少しづつ生徒から喰らい続ければ見つからなかったはずだが、うっかり屋な性格が災いして事件となり、結果、レディの誘導尋問にひっかかるかたちで名前を教えてしまった。
レディ版の心象は「己の価値を疑わないずうずうしいまでの自己主張」で、家出中の姿よりもさらにいやらしい目つきをした姿になる。見た目の通りの女好きで性格のおっさん臭い。エレナ以外の女性タブロウの胸の谷間に飛び込んでは反撃をくらう。
タブレット第7場面「THE CHARIOT(戦車)」の住人。と言うかヒゲ親父の顔のついた丸いハンドル。
顔はだまし絵になっていて上もしくは下から見ると表情が異なる。
特殊能力は、憑りついた乗り物を動かすと言うもので、故障中等で動かないものであっても乗り物ならば姿を変形させて動かせるようにする。UFOにも対応。ただし能力を行使して乗り物を操作している間は、マスターがリガルディーから手を離す事が出来ない。地上を走る乗り物なら止まるだけだが、空中を移動する乗り物の場合は墜落する。
家出中に自身の能力で重機を動かしてサツキの学校を破壊する事件を起こし、アレイスターにひっぺがされそうになった際の痛みに耐えかねてレディに対して名前を自白した。
レディ版の心象は「勇ましき王者のゆりかご」と言うことで、家出版に対して非常に紳士で礼儀正しく、レディの事をお嬢様と呼び、レディに対して失礼をはたらくものを許さない。が当のレディからは「ハンドル」と呼ばれている。
アーサーは、タブレット第20場面「JUDGEMENT(審判)」の住人で、スネ夫ヘアでケツアゴな男性の姿をとる。
エドワードは、タブレット第11場面「JUSTICE(正義)」の住人で、剛毛&ヒゲな低身長のデブな男性の姿をとる。
タブレットから家出して以降は二人とも記憶喪失になっており、タブレットの事もタブロウの事も完全に忘れていた為、お互いを「JUSTICE」「JUDGEMENT」と呼び合い、頭文字をとって「怪盗J」と言う盗賊をアルバイト生活の合間に行っていた。
角川版では、アレイスターにエリファスと男子キャラはイケメンが続いた為、二人もどんなイケメンさんが来るかと思われていたが、予想をあえて裏切ったかのような不細工な男二人の姿で登場した為、読者を唖然とさせた。なお二人とも背中に翼を隠しており、羽根を広げて飛行する姿は天使に見えなくもない・・・かも。
アーサーの特殊能力は、羽根を複製したい物に変えてしまうと言うもので、生物は複製できず、破裂音がすると元の羽根に戻る。
エドワードの特殊能力は、どんな物でも飲み込んで体内に収納し、出し入れできると言うもの。二人はこの特殊能力を手品と称して自分達を拾ってくれた教会の子供達を楽しませる為や、教会に寄付する為に盗みを働く際に使っていた。
先に秋田版2巻の外伝で登場してはいたが、本編には5巻のお祭りからの登場となり、サツキ版のパピュと3人で奪われたタブレットを取り返した。この時は名前を言わなかったが(角川版ではサツキと別れる際にそれとは知らずに名前を教えた)、次に家の修繕関係でサツキと再会した際に、サツキの挨拶に対応するかたちで、コマンドワードとは知らずに自分達の名前をなのりながら挨拶し、お互いその時に初めて相手の名前を知った。
タブレット第12場面「THE HANGED MAN(吊るし人)」の住人で、シアン系の色をした髪を持つ少女の姿をとる。人魚形態にもなれる。
特殊能力は、口から吐いた泡で包んだ相手を下界から存在を完全に遮断すると言うもので、泡に包まれている者同士では意志の疎通は可能。
家出中に自分が潜んでいた海に現れたサツキに惚れて独占しようした際に能力を使用して閉じ込めたが、家出の結果情緒不安定になっていたところをサツキが心を取り戻させた事で、自らの名を明かしてタブレットに戻った。
レディ版の心象は「油断を誘う者」で、愛想よく笑っている裏で何を考えているか解らないようなところがある人格になる。
サツキ版の心象は「柔軟な視野 本質を映し出す鏡」で、非常に大人しいがサツキに対して一途な人格になる。
なお外伝的エピソードでは、家出版・レディ版・サツキ版の3人のミシェルが会議する話がある。
タブレット第14場面「TEMPERANCE(節制)」の住人。茨の冠をつけた痩せた男の姿をとる。
本体は、付属の貝殻に入れる程小さく、特殊能力で影を奪う事で相手を小さくすると言うもので、自分を等身大に大きくする事も出来る。
サツキの学校の幽霊騒ぎを解決する際にブラヴァツキーがサツキ版エレナを暴走させた事から、隠れ家を負われるかたちとなって姿を現し、巨大怪獣な状態のエリナを小さくして事態を収拾した。
レディ版の心象は「細事にこだわる愚か者の言い訳」で、ルー語を話すテンションの高い男性の人格になり、ナルシストだったり、細かい事にこだわらなかったり、マイケル・ジャクソンだったりする。
サツキ版の心象は「どんな風にもけして姿を乱さない、たおやかな浜辺のさざ波」で、身体は男・心は女な人格になり女性的な立ち振る舞いをする。
タブレット第6場面「THE LOVERS(恋人たち)」の住人。
性別は不明で、見た目は人型だが関節の無い両腕は地面についてもなお有り余るほど長いという人型モンスターチックな外見をとる。
両目の他に額に第三の目をもっている。が、実は瞳が本体。しかも本体の瞳はひとつしか存在せず、3ヶ所の目の位置を巡ってる。そして開いている目の位置により手をつないだ者同士の
- 年齢
- 性別
- 種族
をいれかえる。
アレイスター同様に家出をしなかったタブロウの1人で、レディも存在は認識していたものの、まだまだお子ちゃまなレディは「恋人」についての明確な心象を抱く事が出来ない為にはがすことができずにいた。
イギリス在住時代のサツキが唯一心を許したメイドのマーガレットが、嫁ぎ先の旦那に束縛されるのを嫌がって日本に逃亡してきた際に、サツキのマーガレットを想う気持ちに応えて具現化し事態を収拾した。
レディ版の心象は「同等の立場で互いを一番に尊重し合えるもの」で、笑みを浮かべた顔つきをしている。ヴァイオレットを元に戻そうとする中、「THE STAR」にタブレットを奪われそうになった時にはじめてはがす事ができた。
サツキ版の心象は「幸せを運ぶもの。色あせることのない永遠の絆」で、タブレットに残っていたにもかかわらずはがされずにいた事で、マスターの役に立ちたいと思い続けていた事から、サツキの想いに応えるかたちで具現化した。
タブレット第8場面「THE STRENGTH(力)」の住人で、耳が翼になっている少女の姿をとる。
炎を操る特殊能力を持っており、創造人の死の原因と言われるアレイスターが重傷を負った事件のきっかけをつくった事から、創造人の死の原因が自分にもあると苦しみ、家出中に「THE STAR」と行動を共にしていた際は、その罪に対する贖罪の為に自身を破壊するほどの轟炎に身を包んでいた。コルネリウスによって創造人の面影を残す成人男性となったサツキにより元の姿を取り戻し、自らに本当の愛を説いたレディに自分の名を明かしてタブレットに戻った。
レディ版の心象は「再生、不死鳥のように蘇る信念」で、一人称がボクになる。外見は女性的な姿のままだが、本当の愛とは何かを説いたレディに対して明確に愛情をもっており、奉仕の褒美として口づけを要求してくる。
サツキ版の心象は「感謝」「あらゆる生命への祝福」で、レディ版よりもおしとやか。
タブレット第16場面「THE TOWER(塔)」の住人で、頭に小さな角のついた子供の姿をとる。
「THE EMPEROR」の力でイギリスに飛ばされたサツキの前に現れた。
雷を操る特殊能力を持っているが、メイザースに角を破壊されると能力を使えなくなった(角そのものは心象力を使わずとも雷をあびれば再生する)。
レディ曰く「絶望へ吸い込まれる断崖の細道」。家出版では、THE EMPRESSに騙されたレディに0点をつける等、我の強い性格をしている。
サツキ版の心象は「希望を掴む光の翼」で、子供っぽい外見はそのままに眼鏡をかけたインテリっぽさが加わり、温泉をみつけたり等といった行動力とサバイバル能力に長ける。しかし、説明が某絶叫要員レベルに回りくどくなるので誰も聞いていない。
ドラマCD版の声優は岸尾だいすけ。
タブレット第17場面「THE STAR(星)」の住人で、銀髪の美形少年の姿をとる。
対象の血を得る事で姿を真似ると言う特殊能力を持っている。一応イレイズが「THE STAR」だと認識していたのと、過去の創造人版の姿が同じなので、初登場時の外見が本来のものであると思われる。
創造人の心臓を喰らって人間になろうとした為、ヴァイオレットを誘惑してアレイスターに重傷を負わせた。そしてその傷の修復が結果的に創造人を死に至らしめた。
家出した後はイレイズの方に合流していたが、コルネリウスの力で創造人の面影を残すサツキに本来の姿に戻されたヴァイオレットにより、顔の反面を焼かれてしまう。
タブレット第4場面「THE EMPEROR(皇帝)」の住人。
人形の姿でサツキの横に突如現れ、拾い上げたサツキものともイギリスにワープした。
特殊能力は前記の通りの瞬間移動だが、同時に1人までしか同行できない。また同行者の肌に触れている必要がある。
赤ちゃんの人形の姿をしているが、エレナやミシェル曰く「THE EMPRESS」によって人形にされているわけではなく元かららしい。
但し人形の姿では発声できない為、名前を教えてもらうには、「THE EMPRESS」に人形の姿を解除させる必要がある。
なお、タブレットの第4場面に人形の姿の「THE EMPEROR」をつっこむ事でタブレットに戻す事はできるが、名前を聞かずに戻してしまうとレディもサツキもはがせなくなってしまう為、とりあえず「THE EMPRESS」の協力が不可欠。
名称不明のタブロウ
タブレット第3場面「THE HIGH PRIESTESS(女帝)」の住人で、老婆の姿をとる。
「THE EMPEROR」の力でイギリスにワープしたサツキを探すレディの前に現れ、協力者のようにふるまうが、その目的は「THE EMPEROR」を手に入れる事だった。実際、レディに教えた名前も創造人が愛称として読んでいた「ミナ」で本来の名前ではなかった。
特殊能力は、相手を物言わぬ人形に変える。人形に返られた者は生命活動が停止するが死ぬことは無い。なお特殊能力の発動は相手にキスをする事な為・・・実にキモいシーンが展開する。
作中にまだ登場していないタブロウ。このうち「THE WORLD」と「THE FOOL」については、最初に創造されたタブロウであるパメラもその創造の際に立ち会っておらず面識が無い為、どの様な能力をもっているかすらわからないらしい。そもそも「THE WORLD」と「THE FOOL」はレディがタブレットをうけついだ時から不在だった。