ミレニアム懸賞問題
みれにあむけんしょうもんだい
概要
アメリカ・マサチューセッツ州にあるクレイ数学研究所という非営利組織によって2000年に発表された非常に難解な計算問題。
全7問あるが、2020年現在まだ1問しか解かれていない。
1問正解するごとに賞金100万ドル(約1億円)がもらえる。賞金を受け取るためには、自分の回答を数学雑誌などで発表し、その理論が世間から支持されるか様子を見るために約2年の感覚が必要になる。
問題
このうち解かれているのはポアンカレ予想のみ
ヤン=ミルズ方程式と質量ギャップ問題
任意のコンパクトな単純ゲージ群Gに対して、非自明な量子ヤン・ミルズ理論が'R4上に存在し、質量ギャップΔ>0を持つことを証明せよ。
リーマン予想
リーマンゼータ関数ζ(s)の非自明な零点sは全て、実部が1/2の直線上に存在する。
P≠NP予想
計算複雑性理論(計算量理論)におけるクラスPとクラスNPが等しくない。
ナビエ–ストークス方程式の解の存在と滑らかさ
3次元空間と(1次元の)時間の中で、初期速度を与えると、ナビエ–ストークス方程式の解となる速度ベクトル場と圧力のスカラー場が存在して、双方とも滑らかで大域的に定義されるか。
ポアンカレ予想
単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3に同相である。
2003年にアメリカの数学者グレゴリー・ペルマン教授によって解決された。
ホッジ予想
複素解析多様体のあるホモロジー類は、代数的なド・ラームコホモロジー類であろう。つまり、部分多様体のホモロジー類のポアンカレ双対の和として表されるようなド・ラームコホモロジー類であろう。
バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想(BSD予想)
楕円曲線E上の有理点と無限遠点Oのなす有限生成アーベル群の階数(ランク)が、EのL関数 L(E, s) のs=1における零点の位数と一致する。
関連サイト(外部リンク)
関連項目
ウルトラマンZ:第6話にて、ギルバリス打倒のための切り札として扱われた。
トリビアの泉:番組内で「解くと100万ドル貰える計算問題がある」と紹介された。
gifted(ギフテッド)
2017年公開のアメリカ映画(ヒューマンドラマ)。ギフテッドとは先天的に平均よりも高い能力を持っている人またはその能力の事で、作中では〝特別な才能〟を支援する(実在する)制度と共にミレニアム懸賞問題が登場し、終盤に意外な様式で出題される。
🎥映画『gifted/ギフテッド』予告篇 - YouTube
それは難問な定理と対峙する始まりでもあり、不偏だった生活が変わる時でもあった…。
参考
🎥ギフテッド教育、天才児にとっての現実を忠実に描いた/映画『gifted/ギフテッド』特別映像 - YouTube
当作では、ミレニアム懸賞問題のような難問を解いて新たな道を切り開く才能を育むために―
『最高の物』を考えるだけでなく、主にそれへ対する『最適な者』と向き合う苦難について描かれている(余談だが主演の男優は、代表作に逞しいアメリカンスピリッツを宿す一人の男を演じたが、本作では慈しいヒューマンスピリッツを背負う独りの男を演じた)。
" 我思う、故に我在り "
" 愛する才能 "