概要
1908年にアメリカのフォード・モーターが大衆向け乗用車フォードT型を発表。1913年に生産コストを抑えた量産化が開始されて自家用の乗用車が一般大衆に普及するようになり、これがモータリゼーションのはじまりとされる。
ヨーロッパでは1920年代後半から始まったとされ、特に30〜40年代のドイツでは深刻な不況対策や再軍備政策として大衆車の開発や自動車専用道路(高速道路)などの整備が躍動的に進んだ。
日本に最初に自動車が入ってきたのは明治期の1899年で、アメリカ製電気自動三輪車であったとされる。しかし第二次世界大戦前においては交通政策が路面電車も含めた鉄道を中心としており、駅からは路線バスやタクシーが十分機能していたため、個人の私用目的での所有についてはあまり発達しなかった。現在でいう普通自動車の運転手は世間的には一種の特殊技能者扱いであった。
モータリゼーションの開花は戦後になってからであり、国民所得の上昇、日本車の技術の発展、高速道路の整備などによって、1960年代から運転免許の取得率と個人の所有数、モータースポーツなどが急速に発展した。
自動車の大衆的普及は高度消費時代の象徴ともされているが、旅行その他のレジャーから通勤通学、ショッピングに至るまで自動車が活用され、マイカーという和製英語に示されるように生活必需品と化していった。
しかしながら、モータリゼーションは交通事故や、排ガス、騒音、渋滞などの社会問題を増加を生み出す事になり、特に新興国などにおいては有効な対策が追いついていない地域も多い。
他にも先進国における高齢者ドライバーが起因する事故も増加している事から各国の政府やメーカーなどが対策を講じ続けている。