概要
歴史を素材にしたエンターテインメント、例えば漫画やアニメ、果ては中世風ファンタジー作品などにおいて、過剰なまでに史実に忠実であることを求める人たち。
古くから歴史小説(三国志演義など)では史実と異なる展開やオリジナルの登場人物が出てくることがほとんどであり、小説が史実と混同されてしまうことも多い。そして、創作と史実の違いについてツッコミを入れるのは歴史創作の正しい楽しみ方の一つでもある。
……が、あくまで創作でしかないそれらについて、齟齬をあげつらって過剰なまでに攻撃して叩き潰さんとする、マウントして優越感に入り浸る人は史実厨の烙印を押され忌み嫌われることになる。
背景
「史実厨」が生まれてしまう背景として、一つあげられるのが「知名度」「カタログスペック」と「実際の功績」の差である。
このケースでは同世代の日米最新鋭戦艦だった大和型戦艦とアイオワ級戦艦の比較が著名だろう。
この両者を比較した場合『戦艦』としての純粋なカタログスペック面で優れており、戦艦としての堅牢さも発揮されたのは前者だったが、用兵や戦局等の様々な要因が絡んだ結果、後者が『兵器』としては活躍したというのが『史実』である。
このケースであればアイオワ級が活躍するのは「史実通り」な一方で、大和型がアイオワ級より一方的に劣ったものにされていると「史実通り」ではなくなってしまう。逆もまた然りである。
「アイオワ級の方が活躍したのに何故大和型の方が強いんだおかしいだろ」
「大和型の方が高火力高装甲だったはずなのに何故アイオワ級の方が強いんだおかしいだろ」
こうなるとどちらも正しく、どちらも史実厨と呼ばれる事になるのである。
もう一つの背景として、「史実と創作の違いには需要がある」ということである。
史実をベースとした創作をきっかけに実際の歴史に関心を持つ層も少なくない。
そのため、創作を題材として史実を解説することは節度をもって行う分には歓迎されることも多い。
創作の知名度が高い場合には、創作との違いに絞って史実を解説することが分かりやすいといえる。
しかし、その書き方が創作を貶すようなものになると、史実厨として批判されることとなる。
何事も加減が大事という事である。