お前は概要が人を喰った時どうする
漫画及びアニメ『鬼滅の刃』に登場する鱗滝左近次の名台詞である。漫画では3話、アニメでは2話で登場。
短いフレーズながら状況も相まって強く印象に残る。
言われた状況
お堂の鬼が太陽に焼けた後、炭治郎に「妹が人を喰った場合はどうするのか」を聞う鱗滝。この問いを通して炭治郎に覚悟を質したのだが、困惑して即答できなかった彼に対し平手打ちした上でこう言った。
そして「即答できなかったのは覚悟が甘いからだ 妹が人を喰った場合やるべきことは、妹を殺し自分も腹を切る 鬼になった妹を連れていくというのはそういうことだ しかしこれは絶対にあってはならないと肝に銘じておけ」と続けた。
炭治郎が「自分や身内さえ良ければ」と考えるような独善的な少年でないことは、物語導入時に炭を売りに向かった町の人達と仲良く接する場面で描かれているとおり。妹を愛するがあまりに視野が狭まり、禰豆子がそうした罪も無い人たちを手にかける危険性を想像できなかった炭治郎の考えの甘さを戒めたのである。
なお、アニメ2話の大正コソコソ噂話で鱗滝が炭治郎に夕食を「肉じゃがとおでん、どっちがいい?」と厳しい口調で聞くと即答できなかったので、「判断が遅い!!」と叱責するなど、公式もネタにしている(ちなみに叱り飛ばされた炭治郎は慌てておでんを選択した)。
ネタにされるのはお前の覚悟が甘いからだ
近年ではどういう訳かこのセリフが飛び出た前後のシーンを切り抜き、さらにこの時の炭治郎と鱗滝のやり取りを改竄したコラ画像が出回るようになっている。4コマ漫画的な起承転結が1ページ内に収まっているため改変しやすいのだろうか。このセリフ単体も一昔前の「どん判金ドブ」のように他者を批判するネットスラングとして2020年秋頃から各所で流行した。
その結果、鬼滅の刃をよく知らない人達の間で「天狗が男の子に詰め寄った挙句、いきなりビンタをかましている」といった構図のみが有名になっていった。
その結果、作品を知らない層からは鱗滝は「ビンタ天狗」などと通称され、炭治郎も「いつも天狗にビンタされてる子」といった風に認知されるなど、鬼滅への第一印象がおかしな事になってしまうという妙ちくりんな風評被害が発生している。
ニュースサイトしらべぇ:『鬼滅の刃』未読者、「主人公が天狗にボコられる作品」と誤解する事象相次ぐ
また、一部の絵師はこの場面に独自のアレンジを加えた作品にしてイラストを閲覧したファン達の腹筋にビンタをかまし続けている。