概要
ストラティオトスクス(Stratiotosuchus)とは1988年に古生物学者ホセ・マルティン・スアレスによってブラジルのアダマンティナ層から見つかった絶滅したバウルスクス科のワニで、白亜紀後期に生息していた。肉食で他の地域で大型獣脚類が占めていたニッチをこのストラティオトスクスと他のバウルスクス科が占めていた。
分類 |
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爬虫類 Reptilia |
双弓類 Diapsida |
主竜類 Archosaur |
腿跗類 Crurotarsi |
偽鰐類 Pseudosuchia |
ワニ形類 Crocodilomorpha |
ワニ型類 Crocodiloformes |
南鰐類 Notosuchia |
剣鰐類 Ziphosuchia |
奇歯鰐類 Xenodontsuchia |
セベクス鰐類 Sebecosuchia |
バウルスクス科 Baurusuchidae |
バウルスクス亜科 Baurusuchinae |
ストラティオトスクス属 Stratiotosuchus |
ストラティオトスクス・マクスヘクティ Stratiotosuchus maxhechti |
特徴
全長4m弱で、多くのワニ形類と同じく4足歩行だった。しかし、半水生の現在のワニ類とは違い陸棲で、陸上に住む恐竜などの動物を捕食していたと考えられている。円錐形で魚をとらえるのに適した歯をもつ現生ワニ類とと違い、剣状の歯(Ziphodont)と呼ばれる扁平でセレーションのある歯を持っていた。この歯は獣脚類の恐竜に似ており、同じような生態を持っていただろうことが推測できる。
骨格標本とストラティオトスクスの他のすべての標本はアダマンティナ層から産出したもので、年代はチューロニアン期-サントニアン期(約8500万年前)か、カンパニアン期-マーストリヒチアン期(約7000万年前)のものである。この種の化石が産出したアダマンティナ層の堆積物からすると、このワニは小さな湖の存在する河川水系の近くで暮らしていたと考えられる。
名前の由来
学名のStratiotosuchusはギリシャ語で「兵隊ワニ」を意味し、種小名のmaxhechtiは古生物学者のマックス・ノブラー・ヘッチ(Max Knobler Hetch 1925-2002)に由来している。
分類
ストラティオトスクスは南鰐類のバウルスクス科に分類されている。
バウルスクス科に近縁なグループにイベロスクス科、ベルギスクス科、セベクス科がおり、どれも陸棲肉食動物だった。
これらのワニはまとめてセベクス鰐類に分類されている。セベクス鰐類は正鰐類以外のワニ形類としては珍しく白亜紀末期の大量絶滅を乗り越え、新生代まで生き延びたグループだった。
特にセベクス科は中新世まで南米で生存しており、恐鳥類や砕歯類と並んで頂点捕食者として君臨していた。
参考文献・サイト
- wikipedia (ストラティオトスクス)
- アダマンティナ層(上層)から発見されたストラティオトスカス・マクスヘティ(バウルスクス科ワニ形類)の新標本、ブラジルの南東部、アダマンティナ層(白亜紀後期)から産出