刑事コロンボ
けいじころんぼ
概要
ピーター・フォーク(吹替:小池朝雄/石田太郎/銀河万丈)主演の刑事ドラマ。
制作はユニバーサル・ピクチャーズ。
放送局は『刑事コロンボ』がNBC(1968-1978年/45話)、『新刑事コロンボ』がABC(1989-2003年/24話)。
小汚いレインコート姿、猫背で藪睨み(ピーター・フォークは右目が義眼)、スーパーで安売りしている葉巻を愛用という、冴えない刑事のコロンボが、毎回ホシと睨んだ人物をネチネチと追及し、事件を解決する。
- キャラクターのヒントとなったのは、ロシアの文豪ドストエフスキーの名作『罪と罰』に登場するポルフィーリィ判事。
最初に犯人が殺人を犯し、そこからコロンボがいかに手がかりをつかみ事件を解決していくかのプロセスを視聴者と一緒に楽しむ「倒叙スタイル」をとっている(例外は「さらば提督」)。
ほとんどの犯人は社会的地位が高いエリートや著名人であり、風采の上がらないイタリア系であるコロンボを見下し、舐めてかかる。しかしその油断したところへ鋭く執拗な追及を受け、焦って自滅するのがパターンとなっている。
倒叙スタイルはキャスティングによる犯人ばれを防ぐことができるため、大物俳優を犯人役に起用することができた。また、エリートやセレブを庶民代表のコロンボがやりこめるという筋立ては、視聴者に爽快感をもたらし、人気シリーズとなった。
日本でもNHKや民放の映画番組枠で放送されて好評を博し、親しみやすいキャラクターであるコロンボは、大人から子供まで世代を問わない人気者となった。
コロンボお得意の「うちのカミさんがねぇ?」というセリフは流行語となり、後にピーター・フォークが起用されたTVCMでも、コロンボの名前を出さずにコロンボ感を漂わせるためのギミックとして使用されている。
コロンボについて
ロサンゼルス市警殺人課所属で、階級はLieutenant。日本語版翻訳によっては警部補(一般的な辞書ではこれ)とも警部ともなる。
が、実際のところ、彼の所属するロサンゼルス市警におけるその階級を日本の警察に当てはめれば警視に近い。詳細については警部を参照。
警察官だが射撃が下手なので拳銃は持ち歩かず、運動は苦手。射撃訓練は毎回替え玉を立てている。朝鮮戦争では徴兵制度により従軍していたが、中国人民解放軍の人海戦術に圧倒され、タコつぼ内で動けなくなってはコッパー(階級は不明)に救出されていたという。
トレードマークはよれよれのコート(ピーター・フォークの私物)。吸いさしの葉巻は火がついたままコートのポケットに突っ込む。
愛車はプジョー403(フランス)。コート同様かなりのボロである。
かつてはルイ・シュバー社(フランス)から、1/43でレインコートと愛犬ドッグがついた「コロンボ仕様」のミニカーが出ていた(現在は絶版)。
忘れ物が多く、家を出る際に「カミさん」が筆記用具などを持たせてくれるが、いざ使用しようとすると手元に無い。
コロンボの口癖である「うちのカミさん」は台詞に出てくるだけで、本編内には一度も登場しておらず、本当に既婚者なのかどうかはファンの間でも解釈が分かれている。
- 後年、「ミセス・コロンボ」という作品が作られたが、ユニバーサルは「これはコロンボ夫人ではない」と正式に否定するコメントを出している。
イタリア系でカトリックのためか親戚が多く、コロンボは親戚をよく話題に上げたりする。
関連タグ
コロンボの愛犬の「ドッグ」の犬種。
コロンボへのオマージュと思われる特徴を持つキャラクター。
「警部補 古畑任三郎」は脚本家三谷幸喜がプロデューサーに「コロンボに関するうんちくクイズ」を挑んで勝利したために通った企画であり、「倒叙スタイル」で展開する以外にも影響がすさまじい。ただし、古畑任三郎も杉下右京も身なりがきちんとしており、独身だったり、元妻がよく出てきたりするなど設定の相違もみられる。右京に関しては、コロンボ以外にもシャーロック・ホームズやエルキュール・ポワロ等からの影響も多分に受けていると思われる。
小学生の頃に刑事コロンボのノベライズを愛読し、小説を書くようになり、長じてゲームデザイナーとなった。